Red Hatは7月12日(米国時間)、製品/テクノロジ部門のエグゼクティブバイスプレジデントを務めるMatt Hicksが同社の新CEO兼プレジデントに指名されたことを発表した。2020年から現在までCEOを務めてきたPaul Cormierはチェアマンに就任する。就任時期は現時点では明らかになっていない。
Hicksはは2006年にITチームのデベロッパとしてRed Hatにジョイン、その後、Red Hatがハイブリッドクラウド路線へと向かう過程においてすぐれたリーダーシップを各部門で発揮し、当時のRed Hatを率いていたJim Whitehurst(CEO)およびPaul Cormierを技術/ビジネスの両面で支えてきた。とくにRed Hatの現在の主力ポートフォリオであるKubernetesプラットフォーム「Red Hat OpenShift」については、社内で立ち上げた最初のエンジニアリングチームのメンバーでもあり、その成長に大きく寄与したことで知られている。
チェアマンに就任する現CEOのCormierは20年以上に渡ってRed Hatに在籍し、前CEOのWhitehurstとともにRed Hatをオープンソースベンダとして初めてのビリオンダラー企業に成長させてきたエンジニア出身のエグゼクティブとして知られる。2019年のIBMによるRed Hat買収後もRed Hat Enterprise LinuxおよびRed Hat OpenShiftを軸にしたオープンソースビジネスをスケールさせ、2020年にはRed HatのCEOに就任、現在もグローバルでハイブリッドクラウド戦略を推進中だ。
突然のトップ交代の発表ではあるが、プロダクトとプラットフォームの両方のビジネスに明るく、顧客やエンジニアからの信頼も篤いHicksは、同じエンジニア出身のCormierの後継として最適の人材といえる。Hicksは「現在ほど我々の業界にとってエキサイティングな時代はなく、Red Hatの前に拡がるチャンスは広大だ。オープンソーステクノロジが世界の可能性をどれほど解き放つ存在であるかを証明する、その準備が私にはできている(There has never been a more exciting time to be in our industry and the opportunity in front of Red Hat is vast. I’m ready to roll up my sleeves and prove that open source technology truly can unlock the world’s potential.)」とコメントしており、Red Hatの新たなリーダーとしての一歩をいままさに踏み出そうとしている。