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Debian、「APT 2.6」リリース、Bookwormに向けてノンフリーファームウェアの扱いが変更へ

Debian開発チームは3月6日、パッケージ管理システムの最新バージョンとなる「APT 2.6」を公開した。APT 2.6には2023年にリリース予定の「Debian 12 ⁠Bookworm⁠⁠」におけるノンフリーファームウェアの扱いの変更が含まれている。

Accepted apt 2.6.0 (source) into unstable -News for package apt -Debian Package Tracer

Debianプロジェクトでは2022年からノンフリーのファームウェア(non-free)に対する扱いに関して議論が続けられてきた。重要なセキュリテイアップデートやハードウェアアクセラレーションがノンフリーの商用ファームウェアに含まれるケースが増えているが、現在のDebianの厳格なガイドライン(DFSG)のもとでは、公式のmainリポジトリにノンフリーのファームウェアを含めることはできない。

この状況を改善するため、Debianプロジェクトは2022年10月にノンフリーのファームウェアに関するスタンスを決める投票を実施、いくつかの選択肢の中から「インストーラ内のノンフリーファームウェアに関するソーシャルコントラクト(社会契約、Social Conrtract)を変更する、インストーラは1つのまま(Change SC for non-free firmware in installer, one installer⁠⁠」というプロポーザルが選ばれた。

この結果、Debainのソーシャルコントラクトは末尾に「Debianの公式メディアは、そのようなファームウェアを必要とするハードウェアを利用できるようにするために、Debianシステムの一部ではないファームウェアを含むことがある(The Debian official media may include firmware that is otherwise not part of the Debian system to enable use of Debian with hardware that requires such firmware⁠⁠」という一文が追加される。つまり、インストールメディアにフリーではないnon-freeのファームウェアを含むことが可能になったのである。

Bookwormは現在、ソフトフリーズの段階に入っており、2月19日にはインストーラのAlpha 2がリリースされているが、このインストーラにも前述の投票の結果が反映されている。今回のAPT 2.6はこれに続くBookwormに向けたアップデートで、Debianの中でフリー/ノンフリーの扱いが確実に変化していることを示している。

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