本連載は、Blenderの基本的な知識、機能についてイラストを交えながら紹介しています。第11回目はモデリングの際に使う便利な機能「サブディビジョンサーフェスモディファイア」と、モディファイアを複数追加したときの特徴について説明します。
前回から、モディファイアについて説明しています。今回説明する「サブディビジョンサーフェス」は、モデリングを行う際にはほぼ必須ともいえるものになります。また、モディファイアは1つのオブジェクトに対して複数追加することができ、追加する順番によってオブジェクトの形も変わります。前回説明した「ミラーモディファイア」と今回説明する「サブディビジョンサーフェス」を同一オブジェクトに追加した場合などを見ていきましょう。
サブディビジョンサーフェス
まずは、サブディビジョンサーフェスについて説明していきます。
サブディビジョンサーフェスとは、オブジェクトのメッシュを細分化し表面を滑らかに見せてくれる機能です。実際のポリゴン数は少ないまま、見かけ上は細分化し滑らかに見せてくれるため、データが重くなることなどを防ぐことができます。
サブディビジョンサーフェスを追加する方法は、追加したいオブジェクトを選択し、「モディファイアプロパティタブ」の「モディファイアを追加」からサブディビジョンサーフェスを選択することで追加できます。
また、ミラーモディファイア同様、サブディビジョンサーフェスにも様々な設定項目があるので見てみましょう。
「カトマルクラーク」と「シンプル」
カトマルクラークとは、オブジェクトのメッシュを細分化し、かつ表面を滑らかにします。しかしシンプルの場合は、メッシュは細分化しますがオブジェクトの見た目に変化は起こりません。
デフォルトでは「カトマルクラーク」にチェックが入っているので、オブジェクトの見た目も変化します。
ビューポートのレベル数
ビューポートのレベル数とは、簡単にいうと「どれだけ細分化してオブジェクトを滑らかに見せるか」を設定します。段階は「0」~「6」まであり、数値が大きいほど滑らかになります。
レンダー
レンダーとは、レンダリング(画像として書きだしたりすること)時に、どれくらい滑らかに見せるかを設定します。こちらも段階は「0」~「6」まであり、数値が大きいほど滑らかになります。
例えば、先ほど説明した「ビューポートのレベル数」を3にし、「レンダー」を「0」にすると、モデリングを行っている際はオブジェクトが滑らかに見えても、レンダリングするとオブジェクトはかくかくしたまま、ということになります。
モディファイアを複数追加したときの順番
冒頭でも説明したとおり、オブジェクトには複数のモディファイアを追加できます。「モディファイアプロパティタブ」には在追加されているモディファイアが表示されていて、上から順にオブジェクトに適用される形になっています。ここの順番を変更すると、オブジェクトの形が変わる場合も多々あるため、変更方法と、どんな風に変わるのか具体例を見てみましょう。
順番の入れ替え方
順番の入れ替え方は簡単で、モディファイア名の横にある点々をドラッグし、移動したい方向へ動かすことで順番を変えることができます。
「ミラーモディファイア」→「サブディビジョンサーフェス」の場合
薄い板のオブジェクトに対して「ミラーモディファイア」と「サブディビジョンサーフェス」を追加してみることにします。
適用させる順番が「ミラーモディファイア」→「サブディビジョンサーフェス」の場合、まず、ミラーがオブジェクトに適用されます。その次にサブディビジョンサーフェスが適用され、滑らかに見えるようになります。結果的には、以下のような形になります。
「サブディビジョンサーフェス」→「ミラーモディファイア」の場合
適用させる順番が「サブディビジョンサーフェス」→「ミラーモディファイア」の場合、まずサブディビジョンサーフェスがオブジェクトに適用され、見た目が滑らかになります。次に、見た目が滑らかになったオブジェクトに対してミラーモディファイアが適用されるため、結果的には以下のようになります。
このように、モディファイアは掛ける順番で見た目が変わってしまうため、順番は意識するといいでしょう。
次回は、モディファイアの1つ「ブーリアン」や「複数の点を同時に動かしたいな~」といったときに使う機能について紹介したいと思います。次回もよろしくお願いします!