iOS 17リリース ――コミュニケーションアプリを大幅アップデート⁠パスキーやSafariプロファイルなど⁠セキュリティ⁠プライバシーに関する機能も強化

2023年9月18日、Appleは同社のスマートフォン向けOSの最新版「iOS 17」の日本国内向けリリースを開始した。

今回のアップデートは、通話、メッセージ、FaceTimeなど各種コミュニケーションアプリのアップデートが行われたほか、AirDropを利用した連絡先交換ツール「NameDrop⁠⁠、新アプリ「ジャーナル(後日実装⁠⁠」などが追加搭載された。

また、iOS 16で利用可能となったパスキーに関しては、信頼できるユーザ間でのグループ内にてiCloudキーチェーンを介して共有できるようになったり、Safariのプロファイル機能のカスタマイズが可能となり、履歴やCookie、拡張機能などをトピックごとに分けて参照できるようになるなど、セキュリティおよびプライバシー確保に関して強化が行われている。

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コミュニケーションアプリのアップデート

デバイス⁠アプリ側で通信相手との安心な通話を確保

電話アプリに関しては、通話相手ごとに連絡先ポスターをカスタマイズできるようになった。これにより、着信時における相手の認識がしやすくなる。この機能は、他社製通話アプリでも利用可能となっている。

留守番電話機能のボイスメールは、⁠ライブボイスメール」として、リアルタイムに文字起こしを行い確認できるようになる。この文字起こしは、Neural Engineを利用したもので、プライベートな状態で実行され、不明な発信者に対して拒否設定を行うことで、不明な番号からの着信内容はすべてボイスメールとして処理を行えるようになった。

FaceTimeの記録を保存

FaceTimeに関しては、ビデオ・音声メッセージが利用できるようになった。これにより、電話をかけた相手が不在の場合でも非同期にコミュニケーションが行えるようになった。

この他、従来のFaceTime通話でも簡単な操作でハートや風船、花火などのリアクションが追加されたり、ZoomやWebexなど、サードパーティのビデオ会議アプリとの連携ができるようになった。

新アプリ⁠ジャーナル⁠NameDrop

従来のアプリや機能強化に加えて、新しいアプリ・機能が追加された。

ジャーナル

1つ目はジャーナル。ジャーナルは、いわゆる日記アプリ。日々、手元にあるiPhoneを通じて、ユーザ自身の記録や記憶を日記として保存することを目的に開発されたもの。デバイス上の機械学習によるユーザ一人ひとりに向けたトピックの提案、スケジュール通知を利用することで、自分ならではの日記を書く習慣をiPhoneがサポートしてくれる。

また、日記の話題を探すこと自体が目的になり、日記執筆が難しくならないよう、ジャーナリング提案API(Journaling Suggestions API)が用意された。このAPIを利用することで、開発者たちはジャーナルと連動したさまざまなアプリやサービスの拡張が行える。Journaling Suggestions APIの提供は2023年後半のソフトウェア・アップデートで利用可能になる予定。

AirDropの新機能「NameDrop」

端末間でデータを共有するAirDropに、新たにユーザ間の連絡先情報を交換できるNameDropが追加された。NameDropでは、今回新実装された連絡先ポスターの情報も含まれる。さらに、端末同士が物理的に近い場合は、同じジェスチャーによってコンテンツを共有したり、SharePlayを開始して音楽を聴く、映画を鑑賞するといったことが可能となった。

さらに2023年内には、AirDropの通信範囲を超えた、インターネット経由での転送機能が実装される予定。

セキュリティおよびプライバシーの確保

セキュリティ関連のアップデートや、年々重要性が高まるプライバシーの確保に関する機能強化も行われている。

パスワード⁠パスキーのグループ共有

iOS 16で利用可能になったパスキーおよび各種パスワードに関して、ユーザ自身が信頼できる連絡先グループと共有できるようになった。共有に関しては、iCloudキーチェーンを通じて行われるため、エンドツーエンドで暗号化される。

Safariプロファイルのカスタマイズ

Safariのプロファイル機能が強化された。これにより、仕事やプライベートなどのトピックごとに、ユーザの履歴、Cookie、拡張機能などを分類できる。また、プライベートブラウズに関しては、使用していないときはロックされるため、不要なトラッキングなどから、ユーザのプライバシーの保護が行われる。

対応機種はiPhone Xs以降のモデル

iOS 17は、iPhone Xs以降(A12 Bionicチップ以降)のモデルを対象に、無料でソフトウェア・アップデートできる。

iOS 17向けSDKの提供も開始

OSのリリースと同時に、開発者向けにiOS 17 SDKが公開されている。

用意されているおもな機能やAPIは以下のとおり。

  • ウィジェットおよびライブアクティビティ
  • アプリショートカット
  • アプリ内課金
  • マップ
  • 機械学習
  • SharePlay
  • ウォレットおよびApple Pay
  • アクセシビリティ関連
  • パスキー
  • TipKit

とくにTipKitは、2023年6月のWWDCで発表され、今回のiOS 17で正式版として開発できるようになった。

TipKitは、ユーザに向けたサポート・通知を行うためのフレームワークで、アプリケーションに関する補足説明、新機能の強調など、ヒントとなる情報を提供するための仕組みで、アプリの利便性を高めることに役立つ。

iOS 17 SDKに関しては、Apple DeveloperのiOS 17のページを参照のこと。

watchOS 10⁠iPadOS 17⁠tvOS 17も提供開始

iOS 17の他、watchOS 10、iPadOS 17、tvOS 17の提供も開始した。

詳細はそれぞれのページ、tvOSについてはApple TV 4Kのページを参照のこと。

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