この連載はOSSコンソーシアム データベース部会のメンバーがオープンソースデータベースの毎月の出来事をお伝えしています。前回紹介した連載100回記念セミナー第1弾につづく第2弾について報告します。
連載100回記念第2弾「OSSデータベースは100ヶ月後も生き残れるか?」
前回にお知らせしたとおり、1月27日のオープンソースカンファレンス
データベースシステムに限らず、現在ITシステムに大きな影響を与えつつあるホットな話題はChatGPTと代表とする生成AI・
- 梶山 隆輔
(Oracle Corporation MySQL GBU、OSSコンソーシアム データベース部会) - 溝口 則行
(TIS株式会社、OSSコンソーシアム データベース部会) - 竹岡 尚三
(株式会社アックス、OSSコンソーシアム AI IoT Robotics Automotive部会) - 大釜 秀作
(住友電気工業株式会社、オープンソースソフトウェア協会 理事・ 事務局長)
まず最初に、MySQLやPostgreSQLでも生成AIへの対応や共存を進めていることを示しました。ベクトルストア、ベクトル型データ表現への対応がその典型です。ベクトルストアは画像、文書ファイルなどの非構造データ、多次元データの格納に最適化したもので、キーワードの完全な一致よりも意味的な 類似性の検索を行います。レコメンデーションシステム、画像/音声認識、自然言語処理などの機械学習のモデルを活用するアプリケーションでの利用が想定されます。
さて、SQLのかわりに自然言語での問い合わせが可能になって、ITシステムに情報提示を求める入口が変わりつつあります。これまでの代表的な条件指定画面では、
ところが生成AI時代には
今までの設計の仕方を続けようとした場合、たしかにちょっと悩んでしまう面もありそうです。けれど、新しい入口、新しい情報提示の仕方を考える際に、生成AIなどの新しいAI技術が設計者を助けてくれるようにもなるはずです。どのような技術を採用したら良いか、またデータの持ち方の設計
ところで、上記の課題設定の中で、テキストエリアがひとつだけの条件指定を先進的な例のように示しましたが、項目立てをした条件指定の方が使いやすかったり正しい答えが得られやすいのではないかという意見が会場から投げかけられました。たしかに、プロンプトエンジニアリングに代表されるように自由に問い掛けるというのは逆にテクニックが必要な面もありますし、現在の生成AIが間違った回答をすることもよく話題になりますので、従来型の方が間違いが起こりにくいという面もあるでしょう。異なる意見としては、指定する条件項目を分割して問い掛ける画面はIT屋にはわかりやすいけれど、一般の方には圧迫感・
最後にパネリストに問い掛けたのは、
この問については、異なる視点がいろいろありそうです。ひとつはYes
生成AIなどの高度なAI技術にデータベース技術者の仕事が今すぐ奪われることはなさそうですが、100ヶ月後には私たち仕事の仕方もかなり変わっているような気がします。
このパネル討論で使用したスライド資料
[MySQL]2024年1月の主な出来事
1月にはMySQLのイノベーション・
なおMySQL 5.
MySQL 8.3.0の新機能と変更点
主な変更点は下記の通りです。
- 機能変更
- GTID (global transaction identifier)
が拡張され、グループ化されたトランザクションを識別するためのタグが追加可能に - MySQL 8.
2で非推奨となったシステム変数binlog_ transaction_ dependency_ trackingのデフォルトをWRITESETに変更 - EXPLAIN文のJSON形式の出力フォーマットが新しくなるためフォーマットのバージョンを識別するシステム変数explain_
json_ の追加format_ version
- GTID (global transaction identifier)
- 削除された主なパラメータや機能
- FLUSH HOSTS (8.
0.23で非推奨) → TRUNCATE TABLE performance_
を利用schema. host_ cache - すでに非推奨となっていた複数のレプリケーション関連のシステム変数やステータス変数、 --slave-rows-search-algorithms、 log_
bin_ use_ v1_ events、 --relay-log-info-file、 --relay-log-info-repository、 --master-info-file、 --master-info-repository、 transaction_ write_ set_ extraction、 group_ replication_ ip_ whitelist、 group_ replication_ primary_ member - InnoDBの利用が必須となったためシステム変数--innodbと --skip-innodbが廃止
- システム変数--character-set-client-handshakeおよび--old-style-user-limits
- FLUSH HOSTS (8.
機能の追加と削除は下記を参照してください。
システム変数とステータス変数の変更は下記を参照してください。
このほかMySQL Shell 8.
[PostgreSQL]2024年1月の主な出来事
PostgreSQLのリリースは1月もありませんでした。かわりに年始にうれしいニュースがありました。
PostgreSQLが「DBMS of the Year 2023」を受賞
年始の1月2日、OSS・
なお、2023年の2位はDatabricks、3位はGoogle BigQueryとのこと。また、2022年と2021年のDBMS of the YearはSnowflakeでした。これらの結果はクラウドサービスがデータベース分野でも主流になりつつあることがよくわかります。
PostgreSQLがCVE(Common Vulnerabilities and Exposures)の採番機関に
1月18日、PostgreSQLがCVE (Common Vulnerabilities and Exposures)
IPA
PostgreSQL関連で割り当てられているCVE番号はセキュリティ情報にまとめられています。
2024年2月以降開催予定のセミナーやイベント、ユーザ会の活動
オンサイト
ベクトル型データの利活用がもたらすもの ~EPAS16 Advanced Securityの重要性~
日程 | 2024年2月7日 |
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場所 | オンライン開催 |
内容 | 2023年後半から急速にベクトル型データの利用に注目が集まっており、EDB Postgres Advanced Server v16 |
主催 | エンタープライズDB株式会社 |
2023年度JEITA ソフトウェアエンジニアリング技術ワークショップ ~生成AIによってソフトウェアエンジニアリングはどう変貌するか~
日程 | 2024年2月9日 |
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場所 | オンライン開催 |
内容 | 生成AIがソフトウェア開発やITシステム開発・ |
主催 | 一般社団法人 電子情報技術産業協会 |
Cloud Optimization Forum ~お客様事例:コストだけではなかった。MySQLをOCIへ移行してみて分かったこと~
日程 | 2024年2月13日 |
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場所 | 日本オラクル株式会社 本社 セミナールーム |
内容 | 昨今、既存環境からクラウド環境へのサービス移行をきっかけとして、企業は最適なプラットフォームを選択して活用するマルチクラウドへと向かっています。一方で、既に稼働しているサービスの環境の変更に、相応のコスト・ 本イベントでは、実際にOracle Digitalのコスト削減フレームワークを活用し、利用者数117万人以上の部屋探しサイト さらに、今回大きく性能改善を実感された、OCIのMySQLデータベースサービスの概要および最新情報や、既存環境や他のクラウド環境からの移行手法をパターン別に解説します。 |
主催 | 日本オラクル株式会社 MySQL Global Business Unit |
HeatWavejp主催 HeatWavejp Meetup #06 MySQL HeatWave へのデータ同期はどうするの!?
日程 | 2024年2月15日 |
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場所 | [オフライン会場] PASONA SQUARE (東京都港区南青山3-1-30) [オンライン会場]オンライン |
内容 | データ連携/同期の方法を知って MySQL HeatWaveを活用しよう!
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主催 | HeatWavejp |
Oracle MySQL入門セミナー セキュリティー&バックアップ基礎編
日程 | 2024年2月19日 |
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場所 | 日本オラクル株式会社 本社 セミナールーム |
内容 | MySQLが備える高度なセキュリティ機能 |
主催 | 日本オラクル株式会社 MySQL Global Business Unit |
ITmedia DX Summit Vol.19(データ基盤/活用)
日程 | 2024年2月21日 |
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場所 | ライブ配信セミナー |
内容 | オラクルのMySQL Global Business Unitは今年もITmediaエンタープライズ主催のITmedia DX Summit Vol. 19に協賛しています。MySQLの講演は2日目の2/ 2/ |
主催 | 日本オラクル株式会社 MySQL Global Business Unit |
第45回 PostgreSQLアンカンファレンス@オンライン
日程 | 2024年2月22日 |
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場所 | オンライン開催 |
内容 |
その他、PostgreSQLに関連する話題であれば何でもOK! |
主催 | PostgreSQLアンカンファレンス |
サポート事例から学ぶ!PostgreSQL 多機能ミドルウェア Pgpool-II の最適解
日程 | 2024年2月27日 |
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場所 | オンライン開催 |
内容 | Pgpool-IIは、Pgpool Global Development Group というコミュニティによって PostgreSQL にない機能を補うために生まれ、約20年の歴史がある多機能ミドルウェアです。コネクションプーリング、自動フェイルオーバの他、検索負荷分散やクエリキャッシュなど性能向上のための機能も備えています。PostgreSQLのみならずクラウドを含めたPostgreSQL互換製品にも対応しており、さまざまな環境で利用可能です。本セミナーでは、 Pgpool-IIの概要や最新機能、導入実績やサポート経験を踏まえてPgpool-IIの導入や運用のノウハウを紹介します。また、海外で活躍する開発者より、現在開発中の |
主催 | SRA OSS LLC |
db tech showcase 2023 アーカイブ動画
日程 | 2024年1月18日~2月29日 |
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場所 | オンライン配信 |
内容 | 12月に開催されたdb tech showcase 2023の会場で収録された動画が公開されています。詳しくはdb tech showcase 2023のウェブサイトをご確認ください。 |
主催 | 株式会社インサイトテクノロジー |
オープンソースカンファレンス2024
日程 | 2024年3月1日 2024年3月10日 2024年5月25日 |
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場所 | 〔Online/ 〔Tokyo/ 〔Nagoya〕中小企業振興会館 |
内容 | オンサイト |
主催 | オープンソースカンファレンス実行委員会 |