Java 23リリース ――今回もProject Amberなどから12のJEPsがアップデート

2024年9月17日(米国時間⁠⁠、米Oracle CorporationはJava最新版「Java 23」をリリースした。

14回目の定期リリースサイクルでのアップデート

Javaは、Java 9より6ヵ月に1回のリリースサイクルでアップデートが行われ、今回14回目となるJava 23となった。

Java 23は、これまで開発が進められてきたProject PanamaやProject Amber、Project Loomなどの各プロジェクト、また、コアライブラリやツールに関して、計12のJEPs(JDK Enhancement Proposal)のアップデートが行われた。

今回の発表に際し、オンラインでの記者向け説明会が行われ、米Oracleより、Vice President, Java Developer RelationsのChad Arimura氏によるJava 23および最新のJavaを取り巻く発表が行われた。

Oracle, Vice President, Java Developer RelationsのChad Arimura氏によるオンライン記者説明会
Java 23

ここでは、12のJEPsを中心に最新のJava 23の機能やアップデート内容を紹介する。

12のJEPsのアップデート

まず、アップデートされた12のJEPsについて紹介する。

アップデートされた12のJEPs
Java 23

Project Amberの言語機能関連

  • JEP 455:プリミティブ型のパターン、instanceof、switch(プレビュー)
  • JEP 476:モジュール・インポート宣言(プレビュー)
  • JEP 477:暗黙的に宣言されたクラスとインスタンスのメイン・メソッド(第2プレビュー)
  • JEP 482:柔軟なコンストラクタ本体(第2プレビュー)

Project Amber関連では、4つのJEPsがアップデートされている。すべてプレビューまたは第2プレビューとなっているが、JEP 455では、パターン・マッチング、instanceof、switchを使用する際のプリミティブ型に関する制約を緩和されたり、モジュール・インポート宣言に関するJEP 476など、開発者の生産性向上に関わるものが対象となっている。

ライブラリ関連

  • JEP 466:Class-File API ⁠第2プレビュー)
  • JEP 469:Vector API(第8インキュベーター)
  • JEP 473:Stream Gatherers ⁠第2プレビュー)
  • JEP 480:構造化された並行性 ⁠第3プレビュー)
  • JEP 481:スコープ値(第3プレビュー)

ライブラリ関連のアップデートは全部で5つ。第2、第3プレビューや第8インキュベーターと現在も開発進行中のもの。ベクトル計算を表現し、実行時にサポートされているCPUアーキテクチャのベクトル命令にコンパイルするためのAPIが導入されるJEP 469などが含まれる。

パフォーマンスおよびランタイム関連

  • JEP 474:ZGC:世代別モードのデフォルト化

パフォーマンスおよびランタイム関連は1つ。ZGC(Z Garbage Collector)のデフォルト・モードを世代別モードに切り替えられるようになり、2つの異なるモードをサポートするために必要なリソースと保守コストを削減できるようになる。

ツール関連

  • JEP 467:Markdownドキュメント・コメント

ツール関連も1つ。Javadocドキュメント・コメントをHTMLおよびJavadoc @-タグのみでなくMarkdownでも記述できるようになった。

スチュワードシップ

  • JEP 471:sun.misc.unsafeのメモリアクセス・メソッドを削除を予定した非推奨に設定将来のリリースで削除が予定されているsun.misc.Unsafeのメモリアクセス・メソッドに、アプリケーションが直接または間接的に依存しているかどうかを開発者が理解できるようにするための簡素化されたツールセットが提供された。

OracleによるSum買収後⁠初となる独立したJavaOne開催

Java 22リリース時にも発表された、OracleによるSun買収後、初となる独立したJavaOneがベイエリアで開催されることについて、改めて触れられた。

日程は2025年3月17~20日、Oracleキャンパスのあるシリコンバレー、レッドウッド・ショアーズにて。Java誕生後30年目の節目の開催となる。

詳細はJavaOneのサイトにて。

一通りの説明があった後、Senior Vice President, Development, Java/Chair, OpenJDK Governing BoardのGeorges Saab氏から、日本の開発者に向けて「これからも日本の開発者の皆さんに期待しているとともに、早く来日して皆さんと交流したい」というメッセージが送られた。オンライン上ではアイコン写真での登場だった
Java 23

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