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Linux 6.13-rc1公開⁠SDUC⁠NVMe 2.1をサポート

Linus Torvaldsは12月1日(米国時間⁠⁠、次期Linuxカーネル「Linux 6.13」の最初のリリース候補(RC)版となる「Linux 6.13-rc1」を公開した。11月17日付でリリースされたLinux 6.12から2週間のマージウィンドウ期間を経た通常のスケジュール通りの公開だが、今後の作業は年末年始のホリデーシーズンを含むため、Linux 6.13の正式リリースは1月中旬から下旬となる見込みだ。

Linux 6.13では数多くのアップデートが予定されている。主な変更点は以下の通り。

  • 新しいプリエンプションモード「PREEMPT_LAZY」⁠遅延プリエンプション)のサポート
    • …PREEMPT_FULLほど頻繁にタスクを中断しないが、カーネルプリエンプションをほぼ常に有効にできる非リアルタイムモードのプリエンプション機能
  • ReiserFSのメインラインカーネルからの削除
  • F2FSファイルシステムにおける「デバイスエイリアシングファイル(device aliasing file⁠⁠」機能のサポート
    • …F2FSパーティションの一部を一時的にリザーブし、別のファイルシステムがそのスペースを利用できる(利用後はデバイスエイリアスファイルを削除し、スペースをF2FSに戻す)
  • 2~128テラバイトの超大容量SDカード「Secure Digital Ultra Capacity(SDUC⁠⁠」のサポート
  • Linux 6.6でマージ後に削除された「マルチグレインタイムスタンプ(multigrain timestamps⁠⁠」の再実装
  • AMDの第5世代サーバ向けCPU「AMD EPYC 9005」の機能の一部であるPCIe TPH(TLP Processing Hints)の有効化
    • …AMD Smart Data Casche Injection(SDCI)と連動してサーバ上の複数のキャッシュにヒントを挿入し、レイテンシを改善
  • NVMe 2.1のサポート
  • 約3000行のRustインフラストラクチャコードの導入とRustファイル抽象化のサポート

Linusは「今回(Linux 6.13)はおそらく史上初めて、リリースサイクルがホリデーシーズンとひどく重なることはなさそうだ。ホリデーで人々が休むことになり、そのおかげで次のLinux 6.14のサイズが小さくなっても驚かない」とコメントしており、カーネル開発者たちも比較的落ち着いた年末年始を迎えられることになりそうだ。

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