イラスト・図解シリーズ光ファイバ通信のしくみがわかる本
2002年3月29日紙版発売
山下真司 著
四六判/320ページ
定価1,738円(本体1,580円+税10%)
ISBN 4-7741-1436-7
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書籍の概要
この本の概要
超高速・大容量通信の時代に向け,大きな期待がかかっているのが光ファイバです。本書では,今後さらに研究・開発が進むと思われる光ファイバについて,その原理から通信システムの詳細,さらには今後の展望に至るまで,豊富な図版を用いて分かりやすく説明しています。
こんな方におすすめ
- 理工学系の学生
- 初級ネットワークエンジニア
目次
第1章 光ファイバ通信とは
- 1.1 光ファイバ通信の時代がやってきた
- 急速に発展するデータ通信
- 影の主役・光ファイバ通信
- 光ファイバ通信ネットワーク
- 「どこでもドア」で広がる可能性
- 1.2 なぜ光ファイバ通信なのか
- 光ファイバ通信の構成
- 光の実体
- より高い搬送波周波数の探求
- コヒーレント光・インコヒーレント光
- 半導体デバイスの利用
- 光ファイバとメタリックケーブルの比較
- まとめ 光ファイバ通信の特徴
- 1.3 光ファイバ通信の歴史
- 起源は「のろし」
- 電気通信の高周波化
- レーザと光ファイバの登場
- 1.4 光ファイバとは
- チンダルの発見
- 細くて太い?! 光ファイバ
- 1.5 レーザとは
- レーザの光スペクトル
- レーザの基本構成
- まとめ レーザの特徴
第2章 光の性質
- 2.1 光波の表記法
- 電磁波の表記
- 周波数と波長の関係
- 2.2 光の直進・反射・屈折
- 全反射
- 2.3 光の回折
- 2.4 光の散乱と吸収
- チンダル現象
- 夕焼け空はなぜ赤い
- 結晶とガラスの散乱
- 光の吸収
- 2.5 干渉とコヒーレンス
- ヤングの干渉実験
- コヒーレンスが高いレーザ光
- コヒーレンスとスペクトル
- 2.6 位相速度と群速度
- 2.7 分散
- 2.8 光波形と光スペクトル
- 2.9 偏光
- 直線偏光・だ円偏光
- 偏光子
- 2.10 単位と用語
第3章 光ファイバのしくみ
- 3.1 光ファイバの原理
- 全反射による光の伝搬
- 3.2 光ファイバのモード
- コア・クラッド構造
- 3.3 光ファイバの受光角(NA)
- 比屈折率差とNA
- 3.4 マルチモード光ファイバとシングルモード光ファイバ
- マルチモード光ファイバ
- シングルモード光ファイバ
- 3.5 光ファイバの分散と分散シフト光ファイバ
- 分散のいろいろ
- 分散と符号誤り
- シングルモード光ファイバの分散
- 分散シフト光ファイバ
- その他の分散
- 3.6 光ファイバの材料
- 低損失を誇る石英ガラス
- 結晶とガラスの違いとは
- 多成分ガラス光ファイバ
- 屈折率差の作り方
- プラスチック光ファイバ
- 3.7 光ファイバの損失
- 固有の損失
- 外的な損失
- 3.8 光ファイバの伝送容量
- マルチモード光ファイバの伝送容量
- シングルモード光ファイバの伝送容量
- 3.9 光ファイバの非線形性
- 非線形屈折率変化と非線形現象
- 非線形散乱
- 3.10 特殊光ファイバ
- 波長分散を変化させた光ファイバ
- 偏波維持光ファイバ
- 希土類ドープ光ファイバ
- その他の特殊光ファイバ
- 3.11 光ファイバの製法
- 基本工程
- プリフォームの製法
- 線引きと被覆
- 3.12 光ファイバの接続
- 融着接続
- コネクタ接続
- 3.13 光ファイバケーブル
- 光ファイバの保護
- 設計のポイント
- 3.14 光導波路
- 光ファイバ通信の特徴
第4章 レーザと光増幅器のしくみ
- 4.1 光子
- 4.2 原子のエネルギー準位
- 原子の構造
- エネルギー準位図
- 4.3 光の吸収と発生
- 吸収と遷移のしくみ
- 自然放出と誘導放出
- 4.4 光の増幅
- 反転分布の実現
- 4.5 光の利得スペクトル
- 4.6 光共振器
- ファブリ・ペロー光共振器
- 共振条件
- 光共振器の透過特性
- 4.7 レーザの動作とモード
- レーザの発振と出力
- 光ファイバ通信に適した単一モード発振
- 4.8 レーザの種類
- 4.9 半導体レーザと発光ダイオード
- 半導体の構造
- 半導体における反転分布
- 化合物半導体の利用
- ダブルヘテロ構造
- DFB半導体レーザ
- 半導体レーザモジュール
- 面発光レーザとLED
- 4.10 半導体レーザの変調
- 4.11 短パルスの発生
- 4.12 光増幅器
- 3R再生中継器
- 光1R中継器
- 光ファイバ通信の光増幅器
- 半導体光増幅器
- 光ファイバ増幅器
- 希土類ドープ光ファイバ増幅器
- 光ファイバラマン増幅器
- 4.13 光ファイバレーザ
- 光ファイバレーザの特徴
- パルス動作
- 単一縦モード動作
第5章 光デバイスのしくみ
- 5.1 受光素子
- フォトダイオードのしくみ
- PINフォトダイオード
- APDフォトダイオード
- 5.2 光変調器
- LN変調器
- EA変調器
- 5.3 光分岐・結合器
- 光分岐・結合器の種類
- 空間型光分岐・結合器
- 光ファイバカップラ
- 平面導波路型光分岐・結合器
- 5.4 偏光素子
- 複屈折結晶と多層反射膜
- 偏光状態の変換
- 5.5 光アイソレータ・サーキュレータ
- ファラデー回転子
- 光ファイバ型アイソレータ・サーキュレータ
- 5.6 光フィルタと光合波・分波器
- 誘電体多層膜フィルタ
- 回折格子
- 波長選択性(WDM)光ファイバカップラ
- 5.7 平面光波回路(PLC)とアレイ導波路グレーティング(AWG)
- PLCの作製
- AWGの構成と特徴
- 5.8 光ファイバブラッググレーティング(FBG)
- FBGのしくみ
- FBGの作製
- FBGの応用
- LPG 207
- 5.9 光スイッチ
- 光スイッチの分類
- 機械型光スイッチ
- 電子型光スイッチ
- 全光型光スイッチ
- 5.10 波長変換器
- 5.11 光デバイスのモジュール化
- 光集積モジュールの開発
第6章 光ファイバ通信システムのしくみ
- 6.1 システム構成
- 送信器の構成としくみ
- 受信器の構成としくみ
- 中継器の種類
- 6.2 変調方式と伝送路符号
- 各種通信の変調方式
- NRZ符号・RZ符号
- ナイキストの定理
- 光ファイバ通信の伝送路符号
- CMI符号・スクランブルドバイナリ符号
- 6.3 信号の多重化
- TDM−時分割多重方式
- FDM−周波数分割多重方式
- SDM−空間分割多重方式
- WDM−波長分割多重方式
- 6.4 雑音と波形劣化
- 光ファイバ通信の劣化要因
- 光ファイバ通信の限界−ショット雑音
- 符号誤り率
- 波形劣化要因
- アイパターンによる可視化
- 6.5 損失制限と分散制限
- 損失制限
- 分散制限
- 損失・分散制限による伝送距離限界
- 6.6 光増幅と分散補償
- 光増幅器による損失補償
- ショット雑音・ビート雑音
- 中継間隔と伝送距離限界
- 分散補償
- 6.7 長距離光増幅中継システム
- 周期的分散補償
- 長距離光増幅中継システムの評価法
- 6.8 波長多重(WDM)通信システム
- WDMの特徴
- 構成としくみ
- WDM用光デバイス
- WDMシステムの制限要因
- 6.9 海底光ファイバ通信システム
- WDM海底光増幅中継器
- 海底光ファイバケーブルの敷設
- 6.10 アナログ通信システム
- 6.11 アクセスネットワークとFTTH
- 高速化するネットワーク
- 光ファイバアクセスネットワークの構成
- PON方式による伝送
第7章 光ファイバをはかる/光ファイバではかる
- 7.1 光パワーの測定
- 光パワーメータ
- 利得測定
- 7.2 光スペクトル測定
- 光スペクトルアナライザの原理と構成
- 波長可変光源
- 7.3 光波形測定
- 7.4 光ファイバの分散測定
- モード分散の測定
- 波長分散の測定
- 偏波モード分散(PMD)の測定
- 7.5 光ファイバ通信システムの損失分布測定
- 光パルス試験器による測定
- 超長距離光増幅中継システムの監視
- 7.6 光ファイバ通信システムの伝送特性測定
- BERTによる符号誤り率の測定
- 7.7 光ファイバセンサ
- 活躍の場を広げる光ファイバ
- ジャイロとしての活用
第8章 光ファイバ通信の将来
- 8.1 テラビット光ファイバ通信システム
- 実用化に向けた取り組み
- テラビット伝送実験
- 8.2 フォトニックネットワーク
- 高速化を阻むもの
- フォトニックネットワークの構成
- 8.3 光ソリトン伝送
- 分散と非線形性を釣り合わせる
- 波形劣化の克服
- 8.4 コヒーレント光通信
- 光波の利用
- コヒーレント光通信のしくみ
- 利点と課題
- 8.5 光集積回路
- ハイブリッド型とモノリシック型
- 8.6 フォトニック結晶
- 全反射の限界
- フォトニック結晶の登場
- フォトニック結晶の光導波路
- 広がる可能性
こらむ
- 第1章
- InternetとIPネットワーク
- ムーアの法則
- ルビーから生まれた固体レーザ
- 波長と周波数の関係
- 第2章
- 平面波
- スネルの法則(屈折の法則)
- フーリエ変換
- サイドバンド
- 第3章
- ダイヤモンドの輝きを生む屈折率
- 光線と光波
- 紫外吸収と赤外吸収
- 希土類イオン
- 光ファイバの強度
- アーク放電による融着接続
- 光ファイバの劣化要因
- 第4章
- 電磁気学と量子力学
- Q値とフィネス
- 直接遷移と間接遷移
- 増幅器の雑音指数
- 第5章
- 太陽電池
- 複屈折について
- ブルースター角
- 厄介な「戻り光」
- 光アイソレータ・サーキュレータの性能
- 多重反射,多重干渉
- 利得等化器
- マイクロマシン
- 第6章
- サンプリング定理
- 誤り訂正符合
- SONET
- 最小受光感度限界
- スペクトル反転による分散補償
- 遠隔監視について
- 海底光ファイバケーブル
- CATVのアナログ映像信号伝送
- NTTのFTTHシステム
- 第7章
- 自己相関波形の測定
- スマートストラクチャ・マテリアル
- 第8章
- 光ファイバ通信のバンド
- ヘテロダイン方式の利点
- コヒーレント方式の偏光変動対策
一口メモ
- 第1章
- 電磁波と電波
- スペクトル
- マイクロ波・ミリ波
- レーザの語源
- ハウリング
- 第2章
- 角周波数と伝搬定数
- 第3章
- 入射角・臨界角
- 群遅延時間
- ゲルマニアのドープ
- フレネル反射
- クロストーク
- ガラス中のフォノン
- 熱収縮スリーブ
- 第4章
- 準位の寿命について
- パワー利得
- 吸収断面積
- 利得飽和
- ドナー・アクセプタ
- 順バイアスと逆バイアス
- ペルチェ素子
- 並列光リンク
- チャーピング
- アナログ変調
- 利得スイッチング・Qスイッチング
- 無反射コーティング
- 偏波無依存
- 第5章
- 真性半導体層の特徴
- ピグテール光ファイバ
- 量子井戸
- フォトリソグラフィ
- 反応性イオンエッチング
- 紫外光とは
- ブラッグ波長
- エキシマレーザ
- アルゴンレーザ
- アライメント
- ドップラー効果
- 多重分離
- アクティブアライメントとパッシブアライメント
- ハイブリッドとモノリシック
- 第6章
- ハイアラーキ
- 量子ゆらぎ
- ビート
- ポアソン分布
- ガウス分布
- モード分配雑音とは
- オシロスコープ
- システムマージン
- 光クロスコネクト
- ADSL
- 第7章
- スイープ
- パルスパターン
- サニャック効果
- 第8章
- 光時分割多重
- 参考文献
- 索引
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