日本人が知らない巨大市場 水ビジネスに挑む
―日本の技術が世界に飛び出す!
2009年11月11日紙版発売
沖大幹,吉村和就 著
四六判/264ページ
定価1,738円(本体1,580円+税10%)
ISBN 978-4-7741-4044-5
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書籍の概要
この本の概要
人口の増加や経済発展にともなって,水の需要が高まることが確実視されています。水の重要性の高まりを受けて,日本でも水を企業利益の源泉ととらえる水ビジネスに注目が集まっています。ただし,水ビジネスの分野で先行しているのは欧米の「水メジャー」といわれる企業群です。日本が水ビジネスで世界と伍するために必要なものは何か,そもそも水は誰のものなのか。東大生産技術研究所の沖大幹教授,世界の水を知り尽くすコンサルタントの吉村和就氏という日本を代表する水の第一人者が,平明な言葉で水と水ビジネスの未来を語ります。
こんな方におすすめ
- 水ビジネスについて知りたいビジネスマンの方
- 水ビジネスに携わっているビジネスマンの方
- 水問題,水環境,水ビジネスについて学んでいる学生の方
目次
第1章 水は誰のものか?
- なぜ,水が注目されているのか?
- 資源としての水,経済としての水
- 水は人間のライツか,ニーズか?
- 毎日300リットル使っていることをどう考えるか?
- 「水を使う権利」の売り買いが始まった
- 水を使うことの「両極端」を乗り越える
- バーチャルウォーター
- 日本人がもっとも身近にできる水に対する貢献
第2章 問題が山積する日本の水
- 東京はこうして水源を確保してきた
- 4万5000キロの配管が老朽化している
- 水問題の悩ましさ
- ノウハウが失われ,料金収入も頭打ちに
- 上下水道インフラの更新に必要となる120兆円
- 途上国の人々に受け入れられる技術支援とは?
- なぜ,日本企業は水ビジネスで後れを取っているのか?
- 先端技術を追うことで満足してはいけない
- 水が国策として取り上げられる
- 水ビジネスの3つの掟
- 水争いを起こさないための知恵
- 時代の要請が水との衝突をもたらした
第3章 なぜ,水がビジネスになるのか?
- 水にビジネスの概念はなかった
- 水ビジネスの本命はどの分野か?
- 日本に進出する水メジャー
- 「水は官がやるもの」というメンタリティ
- 水のコストアップは必要か?
- 60兆円市場から100兆円市場へ
- 水ビジネスから見た,中国の中規模都市の可能性
- 水ビジネス先行国は政治の後押しを受けている
- 水ビジネスに求められる統合技術の視点
- 水ビジネスの持続性,将来性
第4章 水のマネジメントにこそチャンスがある
- IBMが水ビジネスに乗り出す
- 流量を測れるセンサーは有望
- 海外の水に目を向け始めた組織
- 水という名のビジネスチャンス
- 日本の会社が見落としがちな人材と技術
- ボリビア,フィリピンの水道事業民営化
- 「相手は裏切る」という前提のもとに作られる契約書
- 民間資本が世界中で問題を起こしているわけではない
- スマートウォーター
- ダムは資源の宝庫か?
第5章 水問題,水ビジネスを考えるセンスを磨く
- ボトルウォーターは何が問題か?
- 食べるための水にも注目を
- ウォーターフットプリントの落とし穴
- 水が金融の道具となってしまわないか?
- 水について知るための「水育」
- 水の売買に対する疑問
- IPCCは,どう動こうとしているのか?
- 地域レベルでの気候変動予測と適応策
- 決めるのはIPCCではない
- 水ビジネスのヒント
- 水ビジネスへの新規参入,日本の強み
- 日本の水ビジネスを大きく育てる
- 「のびしろ」はどこにあるか?
- 水問題の解決に貢献できる人材
- 水ブームから前に進んでいくことを目指して
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