現場の即戦力 はじめての半導体ドライエッチング技術
- 野尻一男 著
- 定価
- 2,508円(本体2,280円+税10%)
- 発売日
- 2011.12.8[在庫なし] 2017.3.3
- 判型
- A5
- 頁数
- 172ページ
- ISBN
- 978-4-7741-4940-0 978-4-7741-8854-6
サポート情報
概要
半導体ドライエッチング技術は、半導体デバイスの微細化・高集積化を実現する手段として、リソグラフィ技術と双璧をなすキーテクノロジーです。ドライエッチングに従事するエンジニアは、多くの場合、経験と堪に頼って仕事を進めているのが実情です。
本書はこれまでの本とは異なるユニークなアプローチで、ドライエッチング技術の基礎から応用までビギナーに理解できるようまとめてあります。これまでのドライエッチングの書は、ともすると難しいプラズマ理論に重きをおいたもの、あるいは逆にドライエッチング技術のデータの羅列に終始するものが多く見られます。本書は極力数式を使わないで、ビギナーにもドライエッチングのメカニズムが容易に理解できるように執筆しました。また、プロセスから、装置、新技術に至るまで系統的に理解できるよう配慮してあります。さらに、プラズマダメージの章を設け、その全容が理解できるようにしたことも特徴の一つです。
本書ではビギナーにドライエッチング技術の原理を容易に理解させるばかりでなく、より実践に近い知識が得られるようにしました。また、ビギナー向けに書かれていますが、ある程度経験を積んだエンジニアがドライエッチング技術の全体像を理解するのにも役立つ書籍です。
こんな方にオススメ
- 半導体デバイスの製造技術者・プロセスエンジニア
- 半導体製造装置の設計・開発者
- 半導体用材料メーカーの技術者
- 半導体製造技術について勉強し知識を深めたいと志す人・研修生・学生
目次
1章 半導体集積回路の発展とドライエッチング技術
- 1.1 ドライエッチングの概要
- 1.2 ドライエッチングにおける評価パラメータ
- 1.3 LSI の高集積化にドライエッチング技術が果たす役割
2章 ドライエッチングのメカニズム
- 2.1 プラズマの基礎
- 1 プラズマとはなにか
- 2 プラズマの物理諸量
- 3 プラズマ中の衝突反応過程
- 2.2 イオンシースおよびイオンシース内でのイオンの挙動
- 1 イオンシースとVdc
- 2 イオンシース内でのイオンの散乱
- 2.3 エッチングプロセスの組み立て方
- 1 ドライエッチングの反応過程
- 2 異方性エッチングのメカニズム
- 3 側壁保護プロセス
- 4 エッチ速度
- 5 選択比
- 6 まとめ
3章 各種材料のエッチング
- 3.1 ゲートエッチング
- 1 Poly-Si ゲートエッチング
- 2 CD のウェハ面内均一性の制御
- 3 WSi2/Poly-Si ゲートエッチング
- 4 W/WN/Poly-Si ゲートエッチング
- 5 Si 基板のエッチング
- 3.2 SiO2 エッチング
- 1 SiO2エッチングのメカニズム
- 2 SiO2エッチングのキーパラメータ
- 3 ホール系のエッチング
- 4 SAC エッチング
- 5 スペーサーエッチング
- 3.3 配線エッチング
- 1 Al 配線エッチング
- 2 Al 配線の防食処理技術
- 3 その他の配線材料のエッチング
- 3.4 まとめ
4章 ドライエッチング装置
- 4.1 ドライエッチング装置の歴史
- 4.2 バレル型プラズマエッチャー
- 4.3 CCP プラズマエッチャー
- 4.4 マグネトロンRIE
- 4.5 ECR プラズマエッチャー
- 4.6 ICP プラズマエッチャー
- 4.7 ドライエッチング装置の実例
- 4.8 静電チャック
- 1 静電チャックの種類および吸着原理
- 2 ウェハ温度制御の原理
5章 ドライエッチングダメージ
- 1 チャージアップダメージの評価方法
- 2 チャージアップの発生メカニズム
- 3 各種エッチング装置のチャージアップ評価とその低減法
- 4 パターンに起因したゲート酸化膜破壊
6章 新しいエッチング技術
- 6.1 Cu ダマシンエッチング
- 6.2 Low-k エッチング
- 6.3 ポーラスLow-k を用いたダマシン配線
- 6.4 メタルゲート/High-k エッチング
- 6.5 FinFET エッチング
- 6.6 ダブルパターニング
- 6.7 3D IC 用エッチング技術
プロフィール
野尻一男
1973年 群馬大学工学部電子工学科 卒業。1975年 群馬大学大学院工学研究科修士課程 修了。1975年(株)日立製作所入社。半導体事業部にてCVD、デバイスインテグレーション、ドライエッチングの研究開発に従事。特にECRプラズマエッチング、チャージアップダメージに関して先駆的な研究を行った。また技術開発のリーダーとして数々のマネージメントを歴任。2000年 ラムリサーチ(株)入社、取締役・CTOに就任し現在に至る。
主な受賞:1989年 「有磁場マイクロ波プラズマエッチング技術の開発と実用化」で大河内記念賞を受賞/1994年 「低温ドライエッチング装置の開発」で機械振興協会賞通産大臣賞を受賞
主な著書:「先端電気化学」(丸善)共著/「半導体プロセスにおけるチャージング・ダメージ」(リアライズ社)共著