tanQブックスシリーズゆがめられた地球文明の歴史
--「パンツをはいたサル」に起きた世界史の真実--
2012年4月14日紙版発売
栗本慎一郎 著
四六判/224ページ
定価1,738円(本体1,580円+税10%)
ISBN 978-4-7741-5061-1
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書籍の概要
この本の概要
1981年に上梓した『パンツをはいたサル』以来,人間社会の根底にある「過剰-蕩尽」の構造を経済人類学の視点から解き明かし,警鐘を鳴らしてきた栗本慎一郎が自らのライフワークの集大成として世に問う,“パンサル版”世界史の真実。ゲルマン民族(西欧),漢民族(中国)中心の歴史観を打破し,「世界四大文明」に象徴される歴史教科書の「通説」のなかで埋もれてきたユーラシア大陸全体を俯瞰した人類の歩み,文明という病の起源,その展開について壮大な規模で書き下ろす。
こんな方におすすめ
- 世界の文明史に興味のある方
- 栗本慎一郎ファンの方
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目次
はじめに 歴史の真実を知りたい人のために
第1章 始まった栄光と苦難の道
- 文明なのか,文化なのか
- 人類の文明はメソポタミアに始まる,だがその前にも
- バビロニアとシュメール(スメル)の突出
- 謎の東イラン高原
- シュメール文化の基軸
- 経済(対外交易)の発展 ―― アッカド王朝その他
- やっと生き抜いたアッシリア
- 経済の誕生
- メソポタミア文明の源エネルギー,移動,衝突,融合,展開
第2章 移動と遊牧と宇宙観と文明の本当の始まり
- 「草原の道」ではない本当の草原の道
- 「シルクロード」など存在しなかった
- 現生人類が最初に行った土地,南シベリア
- 中心となるチュー川流域
- 要はミヌシンスク文明
- 三期のミヌシンスク文明
- 移動と金属を人類史に持ち込んだ南シベリア文明
- 7000年前から始まるスキト・シベリア「文化」
第3章 世界史の柱・西ヨーロッパ
- アレクサンドロスは日本をめざした
- ミトラの国パルティア(=アスカ)が西ヨーロッパを作った
- 歴史を動かした大帝国パルティアとその陰にいたゲルマン
- キリスト教もこのため西へ向かった
- パルティアがヨーロッパ方面にもたらした二つの影響
- 根拠薄き正統と根拠強き異端との対立
- 敵対勢力を打倒するエネルギーとなった「内部の二重構造」
第4章 「遅れていた」地域・西ヨーロッパ
- 100年もたなかった「西ローマ帝国」
- ヨーロッパ原住の人びととゲルマン人
- フランク族台頭の民族的意味
- キリスト教とヨーロッパ
- 全ての基礎となるヨーロッパ文化の二重性
- 二重性の存在が社会の「発展」のカギ
- ケルト人の歴史
- ゲルマン人が得た正統性
- 4世紀の激動は東西を繋いでいる
- フランク王国から10世紀のヨーロッパへ
- ゲルマン人の「イスラム撃退」の真相
- 「聖俗諸侯」がキリスト教を作った
- 西ヨーロッパの本当の成立――ヨーロッパ都市
- 西ヨーロッパの本当の成立――十字軍のインパクト
- 十字軍からルネサンスが生まれた
- 重商主義と絶対王政の展開
- 日本の「重商主義」の特色
- 海外交易の進展から近,現代へ
第5章 アジアの共生的「発展」
- 中アジア北部の草原の文化がアジア,ヨーロッパに伝播
- 地球上の最重要地域を見逃してきた歴史学の愚かさ
- 大国の興亡の舞台となったセミレチエ
- 鮮卑(柔然)からチュルク(突厥)へ
- 七つの王国の連合帝国――謎のキメク
- カザールとヨーロッパ,そしてユダヤ教の展開
- 北から始まるアジア文明
- 匈奴帝国の正体は「騎馬民族」の連合体である
- アジアの孤立という誤解
- アジアもヨーロッパも北から文化が生まれた
- 古代三大文明とアジア
- 北(モンゴル高原及び満州)から発展していったアジア
- 丁零,匈奴,鮮卑,扶余
- 「コーカサス系」の月氏とは誰であったか
- 漢の登場とモンゴル,北満州
- 重要遊牧民族鮮卑の歴史的役割
- 満州,南シベリア,興安嶺に発する文化と国家
- 満州から西へ
- 満州から始まる清朝への道
- 西北満州からモンゴル高原へと広がる歴史
- まとめ・東洋と西洋の歴史を根底から捉え直す
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