tanQブックスシリーズゆがめられた地球文明の歴史
--「パンツをはいたサル」に起きた世界史の真実--

[表紙]ゆがめられた地球文明の歴史 --「パンツをはいたサル」に起きた世界史の真実--

紙版発売

四六判/224ページ

定価1,738円(本体1,580円+税10%)

ISBN 978-4-7741-5061-1

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書籍の概要

この本の概要

1981年に上梓した『パンツをはいたサル』以来,人間社会の根底にある「過剰-蕩尽」の構造を経済人類学の視点から解き明かし,警鐘を鳴らしてきた栗本慎一郎が自らのライフワークの集大成として世に問う,“パンサル版”世界史の真実。ゲルマン民族(西欧),漢民族(中国)中心の歴史観を打破し,「世界四大文明」に象徴される歴史教科書の「通説」のなかで埋もれてきたユーラシア大陸全体を俯瞰した人類の歩み,文明という病の起源,その展開について壮大な規模で書き下ろす。

こんな方におすすめ

  • 世界の文明史に興味のある方
  • 栗本慎一郎ファンの方

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「パンツをはいたサル」はいかなる道を歩んできたか?―誰も知らなかった世界史の真実を,いまこそ公開しよう!
島国に住んでいる私たちが肌で感じることはできない,広大なユーラシアの大平原。日本人のルーツもそこにあるはずのこの大平原で,古来,様々な民族の興亡が繰り広げられてきました。

目次

はじめに 歴史の真実を知りたい人のために

第1章 始まった栄光と苦難の道

  • 文明なのか,文化なのか
  • 人類の文明はメソポタミアに始まる,だがその前にも
  • バビロニアとシュメール(スメル)の突出
  • 謎の東イラン高原
  • シュメール文化の基軸
  • 経済(対外交易)の発展 ―― アッカド王朝その他
  • やっと生き抜いたアッシリア
  • 経済の誕生
  • メソポタミア文明の源エネルギー,移動,衝突,融合,展開

第2章 移動と遊牧と宇宙観と文明の本当の始まり

  • 「草原の道」ではない本当の草原の道
  • 「シルクロード」など存在しなかった
  • 現生人類が最初に行った土地,南シベリア
  • 中心となるチュー川流域
  • 要はミヌシンスク文明
  • 三期のミヌシンスク文明
  • 移動と金属を人類史に持ち込んだ南シベリア文明
  • 7000年前から始まるスキト・シベリア「文化」

第3章 世界史の柱・西ヨーロッパ

  • アレクサンドロスは日本をめざした
  • ミトラの国パルティア(=アスカ)が西ヨーロッパを作った
  • 歴史を動かした大帝国パルティアとその陰にいたゲルマン
  • キリスト教もこのため西へ向かった
  • パルティアがヨーロッパ方面にもたらした二つの影響
  • 根拠薄き正統と根拠強き異端との対立
  • 敵対勢力を打倒するエネルギーとなった「内部の二重構造」

第4章 「遅れていた」地域・西ヨーロッパ

  • 100年もたなかった「西ローマ帝国」
  • ヨーロッパ原住の人びととゲルマン人
  • フランク族台頭の民族的意味
  • キリスト教とヨーロッパ
  • 全ての基礎となるヨーロッパ文化の二重性
  • 二重性の存在が社会の「発展」のカギ
  • ケルト人の歴史
  • ゲルマン人が得た正統性
  • 4世紀の激動は東西を繋いでいる
  • フランク王国から10世紀のヨーロッパへ
  • ゲルマン人の「イスラム撃退」の真相
  • 「聖俗諸侯」がキリスト教を作った
  • 西ヨーロッパの本当の成立――ヨーロッパ都市
  • 西ヨーロッパの本当の成立――十字軍のインパクト
  • 十字軍からルネサンスが生まれた
  • 重商主義と絶対王政の展開
  • 日本の「重商主義」の特色
  • 海外交易の進展から近,現代へ

第5章 アジアの共生的「発展」

  • 中アジア北部の草原の文化がアジア,ヨーロッパに伝播
  • 地球上の最重要地域を見逃してきた歴史学の愚かさ
  • 大国の興亡の舞台となったセミレチエ
  • 鮮卑(柔然)からチュルク(突厥)へ
  • 七つの王国の連合帝国――謎のキメク
  • カザールとヨーロッパ,そしてユダヤ教の展開
  • 北から始まるアジア文明
  • 匈奴帝国の正体は「騎馬民族」の連合体である
  • アジアの孤立という誤解
  • アジアもヨーロッパも北から文化が生まれた
  • 古代三大文明とアジア
  • 北(モンゴル高原及び満州)から発展していったアジア
  • 丁零,匈奴,鮮卑,扶余
  • 「コーカサス系」の月氏とは誰であったか
  • 漢の登場とモンゴル,北満州
  • 重要遊牧民族鮮卑の歴史的役割
  • 満州,南シベリア,興安嶺に発する文化と国家
  • 満州から西へ
  • 満州から始まる清朝への道
  • 西北満州からモンゴル高原へと広がる歴史
  • まとめ・東洋と西洋の歴史を根底から捉え直す

著者プロフィール

栗本慎一郎(くりもとしんいちろう)

1941年,東京生まれ。慶應義塾大学大学院経済学研究科博士課程修了。奈良県立短期大学,ノースウエスタン大学客員教授,明治大学法学部教授を経て衆議院議員を二期務める。1999年,脳梗塞に倒れるも復帰し,東京農業大学教授を経て,現在有明教育芸術短期大学学長。著書に『経済人類学』(東洋経済新報社),『幻想としての経済』(青土社),『パンツをはいたサル』(光文社),歴史に関する近著として『パンツを脱いだサル』(現代書館),『シリウスの都飛鳥』(たちばな出版)『シルクロードの経済人類学』(東京農業大学出版会)など。