[重点]これからのUIの教科書
―ユーザーインターフェース設計入門

[表紙][重点]これからのUIの教科書 ―ユーザーインターフェース設計入門

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A5判/296ページ

定価2,948円(本体2,680円+税10%)

ISBN 978-4-7741-5939-3

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書籍の概要

この本の概要

昨今,プログラムの開発において,UI設計の基本はないがしろにされる傾向があります。デザイン優先,利用者を考えない操作の強要などといった事例が珍しくもありません。アプリの開発スピードが驚くほど短縮され,不具合は発覚してから直すものと開発者でさえ考えるようになった現在でも,一方では真っ当なプログラムが特にビジネスでは依然として必要という切迫した事情があります。利用者はどのようなときに間違えやすいか,どうしたら誤操作を防げるのかなど,本書は,基本に立ち返って「使いやすいUIとは何か」を実例とともに詳細に解説します。

こんな方におすすめ

  • プログラム開発の初心者
  • ある程度の開発経験があってもUI設計には自信がないプログラマー

目次

Introduction これからのUIの教科書 ―ユーザーインターフェース設計入門

  • 前書きに代えて
  • 本書のポリシー

Part1 前 提

  • Chapter1 UIデザインに必要な“デザイナー”とは違うスキル
    • 1.1 デザイナー好みの製品のUIが良いとは限らない
  • Chapter2 UIデザインの“Who”
    • 2.1 UIのデザインは誰が行うべきか?
    • 2.2 UIのデザインは誰のために行うべきか?
    • 2.3 自称“UIデザイナー”への対処

Part2 基 本

  • Chapter1 人は間違う
    • 1.1 間違わないように誘導するUIデザイン
    • 1.2 間違った場合の対処
  • Chapter2 手間の軽減
    • 2.1 「ハイフンの入力は不要」はコピペの邪魔
    • 2.2 IME制御を行うべきか,否か?
    • 2.3 郵便番号から住所を展開すべきか?
    • 2.4 使用できない文字の入力制限は可か不可か?
  • Chapter3 セキュリティ保護の問題
    • 3.1 ログインの扱い
    • 3.2 見せて良い文字,見せてはいけない文字
  • Chapter4 複数アプリの連携UI
    • 4.1 別アプリでファイルを開く
    • 4.2 カット/コピー/ペースト
    • 4.3 動的な連携(DDEやOLEやFRAME)

Part3 シーケンス

  • Chapter1 モードのない操作とある操作
    • 1.1 viとEmacs論争という問題
  • Chapter2 枝分かれするシーケンスと直線のシーケンス
  • Chapter3 長いシーケンスと短いシーケンス
    • 3.1 長いシーケンスで「あと一息」というべきか?
  • Chapter4 いわゆるウィザードの長所と短所
  • Chapter5 本質的にシーケンスになじまないWebの世界
  • Chapter6 キャンセルがない操作とある操作

Part4 視覚表現

  • Chapter1 強 調
    • 1.1 サイズで強調
    • 1.2 色で強調
    • 1.3 アニメーションなどで強調
  • Chapter2 配 置
    • 2.1 どのボタンをどこに置くか?
    • 2.2 押してほしいボタンと押してほしくないボタン
    • 2.3 色
    • 2.4 ボタンを明示するとき,隠すとき
  • Chapter3 ムービー
    • 3.1 TV番組のオープニング的なムービーは“あり”か?
    • 3.2 起動時にロゴを見せて良いか?
  • Chapter4 進 捗
    • 4.1 進捗状況を割合で示す必要性
    • 4.2 進捗状況を数値で示す必要性
  • Chapter5 固定画面UIとマルチウィンドウ
  • Chapter6 マルチモニタの扱い
    • 6.1 複数のモニタをどう使い分けるか?
    • 6.2 警告はどのモニタに出すべきか?
  • Chapter7 ロック画面
    • 7.1 ロック解除の操作
    • 7.2 ロック中の情報表示
    • 7.3 ロック中の操作
  • Chapter8 スクロール
    • 8.1 タッチスクロールの暗黒面
  • Chapter9 ジェスチャー
  • Chapter10 ぬるぬる感
  • Chapter11 ページめくり

Part5 聴覚表現

  • Chapter1 単音とサイン波
  • Chapter2 美しいメロディーは“あり”か?
    • 2.1 目覚ましの音と操作中の警告音
    • 2.2 ジングル
  • Chapter3 聞こえないという問題
  • Chapter4 画面効果を併用する注意喚起音
  • Chapter5 アプリの起動中にBGMを流すか?
  • Chapter6 バックグラウンドのときに音を出すべきか?
  • Chapter7 音声UIは“あり”か?
  • Chapter8 音量制御UI
  • Chapter9 音楽ポーズ問題
  • Chapter10 整理分類のUIの問題

Part6 入力デバイス

  • Chapter1 マウス
    • 1.1 マウスの長所と短所
    • 1.2 ボタンの数と操作性の問題
    • 1.3 マウス操作に期待してよい精度
    • 1.4 ホイールは活用すべきか?
    • 1.5 クリック/ダブルクリック/ドラッグ
    • 1.6 マウスレコーダ
    • 1.7 マウスを使うべきとき
  • Chapter2 タッチ
    • 2.1 タッチの長所と短所
    • 2.2 タッチ操作に期待してよい精度
    • 2.3 操作すると汚れるという問題
    • 2.4 多少のずれは容認するという方法論
    • 2.5 タッチを使った文字入力の問題
    • 2.6 タッチを使うべきとき
    • 2.7 複数箇所同時タッチで行うさまざまな操作
    • 2.8 見落とされやすいタッチ操作
    • 2.9 画面解像度の解釈の相違
  • Chapter3 ペン(スタイラス)
    • 3.1 ペンの長所と短所
  • Chapter4 ペンタブレット
    • 4.1 ペンタブレットの長所と短所
  • Chapter5 液晶ペンタブレット
    • 5.1 液晶ペンタブレットの長所と短所
  • Chapter6 トラックボール
    • 6.1 トラックボールの長所と短所
    • 6.2 トラックボールの歴史
    • 6.3 トラックボール操作に期待してよい精度
    • 6.4 トラックボールを使うべきとき
  • Chapter7 キーボード
    • 7.1 キーボードの長所と短所
    • 7.2 キーボード操作に期待してよい精度
    • 7.3 ミスの少ないキー配置とミスの多いキー配置
    • 7.4 連想しやすいキー配置とミスの少ないキー配置
    • 7.5 [Ctrl]+[Z]/[X]/[C]/[V]は良いのか悪いのか?
    • 7.6 [Windows]キーは活用すべきか?
    • 7.7 [Ctrl]キーはどこにあるべきか?
    • 7.8 Dvorak配列は“あり”か?
    • 7.9 キーボードを使うべきとき
    • 7.10 キーの間隔の問題
    • 7.11 手の役割分担の問題
    • 7.12 3個以上のキーで動作する場合
    • 7.13 ホームポジションのマーク
    • 7.14 同じキーが2個ある場合の使い分け
    • 7.15 [NumLock]キーの問題
    • 7.16 もう1つの[NumLock]キーの問題
  • Chapter8 傾きセンサー
    • 8.1 傾きセンサーの長所と短所
    • 8.2 縦横切り替えの問題点
    • 8.3 レイアウト変更による機能の違いの問題
    • 8.4 傾きと見やすさの問題
    • 8.5 水平面設定の問題
    • 8.6 センターに戻す問題
    • 8.7 写真のファインダーでの利用に有効
    • 8.8 傾きセンサーの使い方
  • Chapter9 位置センサー
    • 9.1 位置センサーの長所と短所
    • 9.2 位置センサーの概要
    • 9.3 精度の問題-その1
    • 9.4 精度の問題-その2
    • 9.5 精度の問題-その3
    • 9.6 プライバシーの問題
    • 9.7 位置センサーの使い方
  • Chapter10 方位センサー
    • 10.1 方位センサーの長所と短所
    • 10.2 地図の向きの同期
  • Chapter11 指紋センサー
    • 11.1 指紋センサーの長所と短所
    • 11.2 指紋は認証に使用できる
    • 11.3 指紋は認証に使用できないかもしれない
    • 11.4 指紋は変更できない
  • Chapter12 カメラ
    • 12.1 カメラの長所と短所
    • 12.2 UIとしてのカメラ
    • 12.3 QRコードなどの入力
    • 12.4 3Dカメラ
    • 12.5 自分撮りの問題
    • 12.6 カメラの限界
  • Chapter13 モーションキャプチャ
    • 13.1 モーションキャプチャの長所と短所
    • 13.2 踊るCGキャラの問題
    • 13.3 限界はどこにあるか?
    • 13.4 センサーによる限界
    • 13.5 Kinectという別選択肢
  • Chapter14 イメージスキャナ
    • 14.1 イメージスキャナの長所と短所
    • 14.2 紙されど紙
    • 14.3 いわゆる「自炊」の問題
    • 14.4 本などの解体の問題
    • 14.5 将来性の問題
  • Chapter15 OCR
    • 15.1 OCRの長所と短所
    • 15.2 文字検索の問題とOCR
    • 15.3 OCRの問題
    • 15.4 OCRをどう使うか?
  • Chapter16 音声認識
    • 16.1 音声認識の長所と短所
    • 16.2 音声認識とは何か?
    • 16.3 歴史はとても長い
    • 16.4 ならば使いどころはどこか?

Part7 人間心理の問題

  • Chapter1 思い込みの問題
    • 1.1 過去バージョンからの慣性
    • 1.2 暗に想定した操作と実際の挙動の食い違い
    • 1.3 騙されやすい心理
    • 1.4 クリックとダブルクリックが使い分けられない心理
    • 1.5 背後のウィンドウと閉じたウィンドウを区別できない心理
    • 1.6 モードを忘れる心理
    • 1.7 モードを覚えている心理
  • Chapter2 直接的なUIと間接的なUI
    • 2.1 直接反応があるUIと実行してから反応があるUI
    • 2.2 直接反応があるUIがいつもベストではない
  • Chapter3 標準的なUIと独創的なUI,どちらが良いか?
    • 3.1 独創的UIの成功例
    • 3.2 独創的UIの失敗例

Part8 ネットの問題

  • Chapter1 候補の問題
    • 1.1 検索エンジンの検索ワードをIMEに使って良いか?
    • 1.2 お勧め商品,お勧め動画はなぜ間違うか?
    • 1.3 Wikipediaに項目があれば意味のある用語か?
    • 1.4 Wikipediaに項目がなければ無視できる用語か?
    • 1.5 ネットスラングと新語はどう違うのか?
    • 1.6 ネットはどこまで頼れるのか?
  • Chapter2 正しさの問題
    • 2.1 正しい日本語はつねに正しいか?
    • 2.2 ネットで通用する用語は社会でも通用するか?
    • 2.3 パソコンの専門用語はどこまで使って良いのか?
  • Chapter3 リモート管理の問題

Part9 言語の問題

  • Chapter1 UIをどこまで英語で書けるか?
    • 1.1 UIの英語使用はローカライズ不完全と見なす審査
  • Chapter2 UIの翻訳問題
    • 2.1 文として正しい翻訳が文脈に合わない問題
    • 2.2 文として正しい翻訳が実際の操作に合わない問題
    • 2.3 部分としては正しいが文が成立しない翻訳の問題
    • 2.4 翻訳の問題は非常に歴史が古い問題
  • Chapter3 UIと言語の使い分けの問題
    • 3.1 日本語でわかりやすい言葉と英語で検索しやすい言葉
    • 3.2 日英両言語のドキュメントを参照する心理

Conclusion 最終的なまとめ

  • 正解がないUIのデザイン
  • 歴然として存在する良くないUIデザイン
  • 後書きに代えて

Appendix UIデザインで考えたこと

  • 1 エディタのUIデザインで考えたこと
    • 1.1 キーアサインの問題
    • 1.2 ラベルへのジャンプの問題
    • 1.3 連続実行の問題
    • 1.4 ミニツールの問題
    • 1.5 可視の先行入力の問題
    • 1.6 評価
  • 2 「りすと亭」のUIデザインで考えたこと
    • 2.1 残念な結末
  • 3 「MagSite2」のUIデザインで考えたこと
    • 3.1 階層化表紙
    • 3.2 サイクリック表紙
  • 4 「Plotier002」のUIデザインで考えたこと

著者プロフィール

川俣晶(かわまたあきら)

1964年東京生まれ。東京農工大学工学部卒。1980年頃に,操作体系の些細な違い1つで効率が歴然と変化することに気づき,UIデザインを意識的に行うようになる。その後,マイクロソフト株式会社にてWindows 2.1~3.0の日本語化に従事後,技術解説に転進。Visual C# MVP。