新・標準プログラマーズライブラリシリーズ新・標準プログラマーズライブラリ
C言語 ポインタ完全制覇
2017年12月7日紙版発売
2017年12月7日電子版発売
前橋和弥 著
B5変形判/368ページ
定価2,728円(本体2,480円+税10%)
ISBN 978-4-7741-9381-6
書籍の概要
この本の概要
2001年発売以来,多くの方にご支持いただいてきたロングセラー『C言語 ポインタ完全制覇』が装いも新たに登場! 新版では,ISO-C99・C11での扱いを追加したほか,64bitのOSを想定し現状に合わせ全面的に内容を見直し,加筆・修正を加えました。
C言語で「難しくてよくわからない!」とつまずく人続出なのがポインタ。「Cのポインタがわからないのは,あなたが悪いわけじゃなく,単に,Cの文法がクソなだけだよ!!」第一線で活躍する筆者がCの宣言まわりの混乱した奇っ怪な文法を解き明かし,真のポインタの使い方を教授します。ポインタのみならずCへの理解が一層深まる一冊です。
こんな方におすすめ
- C言語のポインタでつまずいた方,実は理解が曖昧な方
- C言語の自習者、再入門者
目次
第0章 本書の狙いと対象読者―イントロダクション
0-1 本書の狙い
0-2 対象読者と構成
第1章 まずは基礎から―予備知識と復習
1-1 Cはどんな言語なのか
- 1-1-1 Cの生い立ち
- 【補足】アセンブリ言語? アセンブラ?
- 【補足】Bってどんな言語?
- 1-1-2 文法上の不備・不統一
- 1-1-3 Cのバイブル―K&R
- 1-1-4 ANSI C以前のC
- 1-1-5 ANSI C(C89/90)
- 1-1-6 C95
- 1-1-7 C99
- 1-1-8 C11
- 1-1-9 Cの理念
- 1-1-10 C言語の本体とは
- 1-1-11 Cは,スカラしか扱えない言語だった
1-2 メモリとアドレス
- 1-2-1 メモリとアドレス
- 1-2-2 メモリと変数
- 【補足】size_t型
- 1-2-3 メモリとプログラムの実行
1-3 ポインタについて
- 1-3-1 そもそも,悪名高いポインタとは何か
- 1-3-2 ポインタに触れてみよう
- 1-3-3 アドレス演算子,間接演算子,添字演算子
- 【補足】本書に載っているアドレスの値について―16進表記
- 【補足】宣言にまつわる混乱―どうすれば自然に読めるか?
- 【補足】hogeって何だ?
- 1-3-4 ポインタとアドレスの微妙な関係
- 【補足】実行時には,型の情報も変数名も,ない
- 1-3-5 ポインタ演算
- 1-3-6 ヌルポインタとは何か?
- 【補足】NULLと0と''と
- 1-3-7 実践―関数から複数の値を返してもらう
1-4 配列について
- 1-4-1 配列を使う
- 【補足】Cの配列はゼロから始まる
- 1-4-2 配列とポインタの微妙な関係
- 1-4-3 添字演算子[]は,配列とは無関係だ!
- 【補足】シンタックスシュガー
- 1-4-4 ポインタ演算という妙な機能はなぜあるのか?
- 1-4-5 ポインタ演算なんか使うのはやめてしまおう
- 【補足】引数を変更してよいのか?
- 1-4-6 関数の引数として配列を渡す(つもり)
- 【補足】配列を値渡しするなら
- 1-4-7 関数の仮引数の宣言の書き方
- 【補足】なぜCは,配列の範囲チェックをしてくれないのか?
- 1-4-8 C99の可変長配列―VLA
第2章 実験してみよう―Cはメモリをどう使うのか
2-1 仮想アドレス
- 【補足】scanf()について
- 【補足】未定義,未既定,処理系定義
2-2 Cのメモリの使い方
- 2-2-1 Cにおける変数の種類
- 【補足】記憶域クラス指定子
- 2-2-2 アドレスを表示させてみよう
2-3 関数と文字列リテラル
- 2-3-1 書き込み禁止領域
- 2-3-2 関数へのポインタ
2-4 静的変数
- 2-4-1 静的変数とは
- 2-4-2 分割コンパイルとリンク
2-5 自動変数(スタック)
- 2-5-1 領域の「使い回し」
- 2-5-2 関数呼び出しで何が起きるか?
- 【補足】呼び出し規約―Calling Convention
- 2-5-3 自動変数をどのように参照するのか
- 【補足】自動変数の領域は,関数を抜けたら解放される!
- 2-5-4 典型的なセキュリティホール―バッファオーバーフロー脆弱性
- 【補足】OSによるバッファオーバーフロー脆弱性対策
- 2-5-5 可変長引数
- 【補足】assert()
- 【補足】デバッグライト用の関数を作ってみよう
- 2-5-6 再帰呼び出し
- 2-5-7 C99の可変長配列(VLA)におけるスタック
2-6 malloc( )による動的な領域確保(ヒープ)
- 2-6-1 malloc( )の基礎
- 【補足】malloc( )の戻り値をキャストするべきか
- 2-6-2 malloc( )は「システムコール」か?
- 2-6-3 malloc( )で何が起きるのか?
- 2-6-4 free( )したあと,その領域はどうなるのか?
- 【補足】Valgrind
- 2-6-5 フラグメンテーション
- 2-6-6 malloc( )以外の動的メモリ確保関数
- 【補足】サイズが0でmalloc( )
- 【補足】malloc( )の戻り値チェック
- 【補足】プログラムの終了時にもfree( )しなければいけないか?
2-7 アラインメント
- 【補足】構造体のメンバ名も,実行時には,ない
2-8 バイトオーダー
2-9 言語仕様と実装について―ごめんなさい,ここまでの内容はかなりウソです
第3章 Cの文法を解き明かす―結局のところ,どういうことなのか?
3-1 Cの宣言を解読する
- 3-1-1 英語で読め
- 3-1-2 Cの宣言を解読する
- 【補足】最近の言語だと,型は後置のものが多い
- 3-1-3 型名
- 【補足】せめて,間接演算子*が後置になっていれば……
3-2 Cの型モデル
- 3-2-1 基本型と派生型
- 3-2-2 ポインタ型派生
- 3-2-3 配列型派生
- 3-2-4 「配列へのポインタ」とは何か?
- 3-2-5 C言語には,多次元配列は存在しない!
- 3-2-6 関数型派生
- 3-2-7 型のサイズを計算する
- 3-2-8 基本型
- 3-2-9 構造体と共用体
- 3-2-10 不完全型
3-3 式
- 3-3-1 式とデータ型
- 【補足】「式」に対するsizeof
- 3-3-2 左辺値とは何か―変数の2つの顔
- 【補足】左辺値という言葉の由来は?
- 3-3-3 配列→ポインタの読み替え
- 3-3-4 配列とポインタに関係する演算子
- 3-3-5 多次元配列
- 【補足】演算子の優先順位
3-4 続・Cの宣言を解読する
- 3-4-1 const修飾子
- 3-4-2 constをどう使うか?どこまで使えるか?
- 【補足】constは#defineの代わりになるか?
- 3-4-3 typedef
3-5 その他
- 3-5-1 関数の仮引数の宣言(ANSI C版)
- 【補足】関数の仮引数の宣言に関するK&Rでの説明
- 3-5-2 関数の仮引数の宣言(C99版)
- 3-5-3 空の[ ]について
- 【補足】定義と宣言
- 3-5-4 文字列リテラル
- 【補足】文字列リテラルは,charの「配列」だ
- 3-5-5 関数へのポインタにおける混乱
- 3-5-6 キャスト
- 3-5-7 練習―複雑な宣言を読んでみよう
3-6 頭に叩き込んでおくべきこと―配列とポインタは別物だ!!
- 3-6-1 なぜ混乱してしまうのか
- 3-6-2 式の中では
- 3-6-3 宣言では
第4章 定石集―配列とポインタのよくある使い方
4-1 基本的な使い方
- 4-1-1 戻り値以外の方法で値を返してもらう
- 4-1-2 配列を関数の引数として渡す
- 4-1-3 動的配列―malloc( )による可変長の配列
- 【補足】他言語の配列
4-2 組み合わせて使う
- 4-2-1 動的配列の配列
- 【補足】ワイド文字
- 4-2-2 動的配列の動的配列
- 4-2-3 コマンド行引数
- 4-2-4 引数経由でポインタを返してもらう
- 【補足】「ダブルポインタ」って何?
- 4-2-5 多次元配列を関数の引数として渡す
- 4-2-6 多次元配列を関数の引数として渡す(VLA版)
- 4-2-7 縦横可変の2次元配列をmalloc( )で確保する(C99)
- 【補足】Cの多次元配列は「行優先」だ
- 【補足】ANSI Cで縦横可変の2次元配列を実現する
- 【補足】JavaやC#の多次元配列
- 4-2-8 配列の動的配列
- 4-2-9 変に凝る前に,構造体の使用を考えよう
- 4-2-10 可変長構造体(ANSI C版)
- 【補足】可変長構造体確保時のサイズ指定について
- 4-2-11 フレキシブル配列メンバ(C99)
- 【補足】ポインタは,配列の最後の要素の次の要素まで向けられる
第5章 データ構造―ポインタの真の使い方
5-1 ケーススタディ1:単語の使用頻度を数える
- 5-1-1 例題の仕様について
- 【補足】各種言語における「ポインタ」の呼び方
- 【補足】参照渡し
- 5-1-2 設計
- 【補足】ヘッダファイルの書き方について
- 5-1-3 配列版
- 5-1-4 連結リスト版
- 【補足】ヘッダファイルのパブリックとプライベート
- 【補足】同時に複数のデータを扱えるようにするには
- 【補足】イテレータ
- 5-1-5 検索機能の追加
- 【補足】倍々ゲーム
- 5-1-6 その他のデータ構造
5-2 ケーススタディ2:ドローツールのデータ構造
- 5-2-1 例題の仕様について
- 5-2-2 各種の図形を表現する
- 【補足】座標系の話
- 5-2-3 Shape型
- 5-2-4 検討―他の方法は考えられないか
- 【補足】なんでも入る連結リスト
- 5-2-5 図形のグループ化
- 5-2-6 関数へのポインタの配列で処理を振り分ける
- 5-2-7 継承とポリモルフィズムへの道
- 【補足】本当に,draw( )をShapeに入れていいのか?
- 5-2-8 ポインタの怖さ
- 5-2-9 で,結局ポインタってのは何なのか?
第6章 その他―落ち穂拾い
6-1 新しい関数群
- 6-1-1 範囲チェックが追加された関数(C11)
- 【補足】restrictキーワード
- 6-1-2 静的な領域を使わないようにした関数(C11)
6-2 落とし穴
- 6-2-1 整数拡張
- 6-2-2 「古い」Cでfloat型の引数を使ったら
- 6-2-3 printf( )とscanf( )
- 6-2-4 プロトタイプ宣言の光と影
6-3 イディオム
- 6-3-1 構造体宣言
- 6-3-2 自己参照構造体
- 6-3-3 構造体の相互参照
- 6-3-4 構造体のネスティング
- 6-3-5 共用体
- 6-3-6 無名構造体/共用体(C11)
- 6-3-7 配列の初期化
- 6-3-8 charへのポインタの配列の初期化
- 6-3-9 構造体の初期化
- 6-3-10 共用体の初期化
- 6-3-11 要素指示子付きの初期化(C99)
- 6-3-12 複合リテラル(C99)
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