Software Design plusシリーズSQLの苦手を克服する本 データの操作がイメージできれば誰でもできる
2019年8月26日紙版発売
2019年8月26日電子版発売
生島勘富,開米瑞浩 著
A5判/248ページ
定価2,728円(本体2,480円+税10%)
ISBN 978-4-297-10717-8
書籍の概要
この本の概要
本書は,SQLの文法は学んだもののSQLに苦手意識を持っているITエンジニアのための書籍です。
複雑なSQLを読める/書けるようになるには,データベースの表をカタマリで操作する考え方(集合志向)を理解する必要があります。本書では,「データベースの表をカタマリで操作するイメージ」を持てるように,文法の解説はいったん脇に置き,どのようにイメージすれば良いか,ほかの手続き型言語とどう違うか,というポイントを豊富な図を使って入念に解説します。
また,SQLやデータベースで起こりがちな性能,メンテナンス性,開発効率などの問題を解決するには,データベースのしくみを理解し,アプリケーションとデータベースの役割を適切に分担する必要があります。こちらについても,さまざまな図と例を使って,問題が起きるメカニズムと解決のアイデアを紹介します。
こんな方におすすめ
- SQLの文法を学んだばかりの人
- SQLに苦手意識を持っている人
- データベースのトラブルに苦労している人(性能,メンテナンス性,開発効率)
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本書のサンプル
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目次
第1章 SQL再入門
- エピソード1 SQLは集合指向の言語と心得よう
- 1.1 本番システムの商品一覧画面が遅い!
- 1.2 原因はアプリ側でデータ集計を行っていたこと
- 1.3 なぜアプリ側でSQL発行ループを書こうとしてしまうのか?
- 1.4 SQLは「集合指向」言語です
- 1.5 役割分担が適切にできていない
- エピソード2 SELECT文はカタマリを切り出す形でイメージしよう
- 2.1 SQLで大事なのは「表形式のカタマリを操作する」イメージ
- 2.2 表形式のデータ操作イメージを持つとは
- 2.3 表形式のデータ操作イメージを描く方法
- エピソード3 結合条件と抽出条件の違いとは
- 3.1 ON句の本当の意味が知られていない?
- 3.2 SELECT処理の流れをイメージしよう
- 3.3 結合条件と抽出条件を区別する
- 3.4 OUTER JOINのWHERE句で内部表側のカラムを使っていたら要注意
- 3.5 再び,SQLはイメージで考えよう
- エピソード4 複雑な場合分けロジックもCASE式で一発解決!
- 4.1 月末の会員情報更新処理,どうしよう?
- 4.2 テーブルを全件走査するUPDATEは減らしたい
- 4.3 条件項目更新型UPDATEの分割実行に注意
- 4.4 CASE式とパラメータテーブルを活用する
- 4.5 会員ランク更新処理を実装しよう
- 4.6 集計と更新の一発化はできない?
- 4.7 CASE式はSQLに小回りの効く記述力を与えてくれる
- エピソード5 ExcelでSQL操作のイメージをつかむ法
- 5.1 正しい理解には現実世界のイメージを持つことが大事
- 5.2 複雑な場合分けをパラメータで処理
- 5.3 CASE式にパラメータテーブルを組み合わせる
- 5.4 2万ステップのJavaがたった3つのSQLに?
- 5.5 Excel計算式でSQL感覚をつかむ法
- エピソード6 「INよりEXISTSが速い」神話の真実と相関サブクエリ
- 6.1 INとEXISTSの違いを見極めるポイントとは
- 6.2 選択性の高低を意識してINとEXISTSを使い分けよう
- 6.3 INとEXISTSの処理の流れをつかもう
- 6.4 しくみを理解して相関サブクエリも使いこなそう
第2章 SQLとデータベースのしくみ再入門
- エピソード7 データベースがSQLを処理する流れを理解する
- 7.1 「ループ」が引き起こす3つの問題
- 7.2 DBとAPの役割分担を考えるための見取り図
- エピソード8 実行計画で実際のアルゴリズムを把握しよう
- 8.1 ぐるぐる系SQL,使っていませんか?
- 8.2 しくみを理解せずに使えば一発系も遅くなる
- 8.3 実行計画の確認はSQLチューニングの基本!
- エピソード9 インデックスが効くときと効かないときの違いとは?
- 9.1 自分が教える側になれば一番よく勉強できる
- 9.2 インデックスがない検索はなぜ遅い?
- 9.3 インデックスが効くと無駄なページを読まずに済む
- 9.4 「しくみ」がわかっていないと真の応用は利かない
- エピソード10 JOINのアルゴリズムを理解する
- 10.1 SQLから「逃げる」ほど問題は悪化する
- 10.2 3種類のJOINアルゴリズム
- 10.3 SQLはしくみを理解して使うことが重要
- 10.4 回避できるデメリットはデメリットではない
- 10.5 JOINを使うと高コストになる?
第3章 アプリケーションとデータベースの役割分担
- エピソード11 データベースで集計するほうが低負荷になる
- 11.1 SQLで集計をすると処理を分散できない?
- 11.2 DBで集計したほうが低負荷になる理由とは
- 11.3 負荷はピークではなく面積で考える
- 11.4 低い階層の動作イメージを持つことが重要
- エピソード12 「スケールアウトしにくいからJOIN禁止」という間違った考え方
- 12.1 開発元がギブアップしたシステムの改修依頼
- 12.2 バッファプールが「ぐるぐる系」に影響しない理由とは?
- 12.3 スケールアウトしにくいからJOINを禁止する?
- 12.4 マスタ系データをコピーする方法
- 12.5 JOIN禁止はかえって負荷を増やす
- エピソード13 NoSQLはRDBのサブセット?
- 13.1 大は小を兼ねる……わけではない
- 13.2 RDBが登場した理由
- 13.3 NoSQLが登場した理由
- 13.4 RDBとNoSQLの使い分け
第4章 間違ったデータベース設計とそれを修正するアイデア
- エピソード14 インジェクション対策のためにもSQL動的組み立ては避けよう
- 14.1 任意条件の検索機能を作りたい
- 14.2 SQLの動的組み立てはSQLインジェクションに弱い
- 14.3 パラメータクエリでインジェクション回避
- エピソード15 Entity-Attribute-Value手法はやめよう
- 15.1 使い物になる技術知見の広め方
- 15.2 根強く使われているEAVアンチパターン
- 15.3 EAVを使いたくなる3パターン
- 15.4 RDBの得意分野を正しく理解して使おう
- エピソード16 EAVや非正規形のテーブル設計を少しずつ修正する方法
- 16.1 EAVのコードはメンテナンスしづらい
- 16.2 EAVの名称マスタを少しずつ移行する方法
- 16.3 非正規形のテーブルを正規化したい
第5章 開発を効率よく進めるためのアイデア
- エピソード17 SQLのための仕様書は書くだけムダ
- 17.1 書類を増やしたからといって役に立つとは限らない
- 17.2 SQLは人間が現実世界で使う言語に近い
- 17.3 SQLは「要求」レベルを記述する言語
- 17.4 SQL自体が仕様書のようなもの
- エピソード18 O/Rマッパーを使うべきか・使わないべきか
- 18.1 O/Rマッパーで起きがちなN+1問題とは
- 18.2 O/Rマッパーを使っていいとき・悪いとき
- 18.3 SQLは考え方さえわかれば簡単な言語
- 18.4 インピーダンス・ミスマッチとは?
- 18.5 SQLを理解してO/Rマッパーを使うなら問題はないが
- エピソード19 テーブル設計の変更で大きな手戻りを発生させない方法
- 19.1 新規開発やりますよ!
- 19.2 「テーブル設計は後まわし」の真意とは?
- 19.3 インターフェース仕様書を書いてスタブ自動生成
- 19.4 DBアクセスをAPI化する「APIファースト開発」
- エピソード20 データベース担当とアプリ担当は分けたほうが良い
- 20.1 ベテランSEでも意外にRDBとSQLのことは理解できていない?
- 20.2 プログラマは交換可能な部品扱いだった
- 20.3 DB担当とAP担当は分けたほうがいい
- 20.4 担当を分けてAPIファースト開発を!
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