[演習]アカデミックスキルとしてのICT活用
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木野富士男 著
高橋尚子 監修 - 定価
- 2,178円(本体1,980円+税10%)
- 発売日
- 2020.2.22[在庫なし] 2020.3.6
- 判型
- B5
- 頁数
- 208ページ
- ISBN
- 978-4-297-11053-6 978-4-297-11054-3
概要
板書からスライド形式の授業へ、手書きから文書ファイルでのレポート提出へ。
学修環境の変化にともなって大学生の必須スキルとなったWord・Excel・PowerPointの基本操作、インターネットの活用法などをまとめました。
演習を中心とした構成で半期(15回)の授業に最適な作りとなっており、大学1年次の基礎科目で用いる教科書としておすすめです。
こんな方にオススメ
- 大学1年次の基礎科目、情報リテラシーの授業で教科書として使いたい先生
- 大学生活で必要となる基礎的なICTスキルを身に付けたい学生
目次
1章 コンピューターの基礎とインターネットの活用
- 1-1 大学生活とコンピューターの関わり
- 演習1-1-1 パスワードを変更しよう
- 1-2 日本語入力
- 演習1-2-1 半角英数の文章入力をしよう
- 演習1-2-2 ひらがな・カタカナ・記号の文章入力をしよう
- 演習1-2-3 文章入力をしよう
- 1-3 ブラウザー
- 演習1-3-1 所属する大学の図書館サイトで本を探そう
- 演習1-3-2 国立国会図書館の蔵書検索システムで本を探そう
- 1-4 電子メール
- 演習1-4-1 電子メールの署名を作成しよう
- 演習1-4-2 先生に電子メールを送信しよう
- 1-5 SNS
- 演習1-5-1 大学からの情報発信をフォローしよう
- 1-6 セキュリティモラル
- 演習1-6-1 セキュリティ・モラルに関するWebサイトを見よう
- 1-7 データの管理
- 演習1-7-1 いつも使っているメディアを確認しよう
2章 文書作成の基本
- 2-1 基本の操作
- 演習2-1-1 Wordを起動して基本操作を確認しよう
- 演習2-1-2 書体の設定をし、ファイルを保存しよう
- 演習2-1-3 書式の設定をしよう
- 演習2-1-4 文字列の配置をしよう
- 演習2-1-5 インデントと箇条書き・段落番号の設定をしよう
- 演習2-1-6 形式的な文書を作成しよう(通知文書)
- 演習2-1-7 レジュメを作成しよう
- 演習2-1-8 あいさつ文を作成しよう
- 2-2 表作成
- 演習2-2-1 段落に罫線を引こう
- 演習2-2-2 罫線を引いて表を作成しよう(申込書作成)
- 演習2-2-3 表を挿入しよう
- 演習2-2-4 いろいろな表を作成しよう
- 演習2-2-5 表のある文章を作成しよう(案内文書作成)
- 2-3 図形操作
- 演習2-3-1 基本図形を利用しよう
- 演習2-3-2 図形で地図を作成しよう
- 演習2-3-3 チラシを作成しよう
- 2-4 複数ページの文書作成と印刷
- 演習2-4-1 ヘッダー・フッターの設定をしよう
- 演習2-4-2 複数ページの文書を作成しよう(レーポート作成)
3章 表計算
- 3-1 基本の操作と計算式
- 演習3-1-1 基本の操作を確認しよう
- 演習3-1-2 表にデータを入力しよう
- 演習3-1-3 表に計算式を入力しよう
- 演習3-1-4 計算式の参照先を固定しよう
- 演習3-1-5 表の書式を整えよう
- 演習3-1-6 表の印刷をしよう
- 3-2 基本の関数1
- 演習3-2-1 合計・平均を求めよう
- 演習3-2-2 最大値・最小値を求めよう
- 演習3-2-3 ある数値の個数を求めよう
- 3-3 基本の関数2
- 演習3-3-1 あるデータの個数を求めよう
- 演習3-3-2 数値の順位を求めよう
- 演習3-3-3 条件に応じて処理を変えよう
- 演習3-3-4 条件に合うデータの個数を求めよう
- 3-4 グラフ
- 演習3-4-1 棒グラフを作成しよう
- 演習3-4-2 折れ線グラフを作成しよう
- 演習3-4-3 円グラフを作成しよう
- 演習3-4-4 積み上げ棒グラフを作成しよう
- 演習3-4-5 ドーナツグラフを作成しよう
- 3-5 データ処理
- 演習3-5-1 並べ替えをしよう
- 演習3-5-2 テキストデータの抽出をしよう
- 演習3-5-3 数値データの抽出をしよう
4章 プレゼンテーション
- 4-1 基本の操作
- 演習4-1-1 PowerPoint を起動して基本の操作を確認しよう
- 4-2 スライドの作成
- 演習4-2-1 プレゼンテーションスライドを作成しよう
- 演習4-2-2 プレゼンテーションスライドに発表原稿を追加しよう
- 演習4-2-3 プレゼンテーションを発表しよう
- 演習4-2-4 プレゼンテーションの配布資料を作成しよう
- 演習4-2-5 プレゼンテーションスライドのデザインを変更しよう
- 演習4-2-6 プレゼンテーションスライドの配色を変更しよう
- 演習4-2-7 スマートアートを挿入しよう
- 4-3 ポスター・展示用データの作成
- 演習4-3-1 展示用のポスターを作成しよう
5章 文書作成の応用操作
- 5-1 表や罫線で情報を整理する文書の形式
- 演習5-1-1 企画書・提案書を作成しよう
- 5-2 印刷レイアウトを意識した文書の形式
- 演習5-2-1 計画書を作成しよう
- 演習5-2-2 履歴書を作成しよう
- 5-3 論文の形式
- 演習5-3-1 論文形式の文書を作成しよう
- 5-4 その他の形式 縦書き、英文
- 演習5-4-1 英文の文書を作成しよう
- 演習5-4-2 縦書きの文書を作成しよう
6章 表計算の応用操作
- 6-1 応用の関数
- 演習6-1-1 条件にあうデータを取り出そう
- 演習6-1-2 条件にあうセルの値を合計しよう
- 演習6-1-3 文字列の文字数を取得しよう
- 演習6-1-4 文字列の一部を取り出そう
- 演習6-1-5 統計学的な計算をしよう
- 演習6-1-6 標準偏差を求めよう
- 演習6-1-7 分散を求めよう
- 演習6-1-8 数学的な計算をしてみよう
- 演習6-1-9 絶対値の計算をしてみよう
- 演習6-1-10 財務的な計算をしてみよう
- 6-2 応用のグラフ
- 演習6-2-1 散布図を作成しよう
- 演習6-2-2 レーダーチャートを作成しよう
- 演習6-2-3 株価チャートを作成しよう
- 演習6-2-4 複合グラフを作成しよう
- 演習6-2-5 パレート図を作成しよう
- 6-3 データ操作の応用
- 演習6-3-1 アウトライン集計をしてみよう
- 演習6-3-2 ピボットテーブルを利用してみよう
- 演習6-3-3 入力規則を設定しよう
- 6-4 Word との連携操作
- 演習6-4-1 Excel の表をWord に貼り付けよう
- 演習6-4-2 グラフをWord に貼り付けよう
- 索引
- キーボード・ローマ字
プロフィール
木野富士男
著者
1993年國學院大學文学部文学科卒業。異業種から情報システム業界に転身。企業内のシステム開発を経て、インターネットを利用したシステム提案と開発・サーバー運用、携帯電話向けサービスの開発・運用などを行う。独立後、株式会社B.B.C設立。コンピューター教育とシステム開発に携わる。現在、國學院大學などにて講師。
高橋尚子
監修者
1980年東京女子大学文理学部数理学科卒業。在学中に女子大初のマイコンクラブを結成。卒業後、女性SE第1期生として富士通入社、その後アスキーでのビジネスパソコンスクール開校、OAインストラクター、テクニカルライターなどを経てナウハウス(有)として独立。1995年から大学でのPCスキルの非常勤講師を始め、2007年から國學院大學経済学部で情報教育に携わる。Office系アプリケーションや情報リテラシー、IT系資格検定、マニュアル制作に関する著書多数。2019年から情報処理学会教育担当理事。
著者の一言
監修者はじめにより
大学が多様化し、学修環境が変化し、大学で学ぶ方法や技術も大きく変わってきました。授業は板書からスライド表示による講義になり、レポートは手書きから文書ファイルでの提出に代わりました。課題や研究には何よりも情報収集が重要になり、ICT を活用して幅広く、効率よく資料を収集しなくてはいけません。高校までの授業で習得した、教科書を使った勉強方法とは大きく異なります。大学の講義・実習・演習ごとに、適切な学修方法や学びの技術が必要です。これらを、一般的に「アカデミックスキル」とよんでいます。とくに、ツールとしてICT 技術を活用するスキルを「アカデミックICTスキル(あるいはリテラシー)」ともいいます。
本書は、情報処理学会が公開した情報教育におけるカリキュラム標準J17[1] のうち、共通教育や教養教育で扱う内容『一般情報教育の知識体系 GEBOK2017.1』の「アカデミックICT リテラシー」のトピックスを参考に作成しました。これは、その前に公開されたカリキュラム標準J07-GE で補習として扱われた「コンピュータリテラシー」が、他の分野と組み合わせて取り扱う内容として設けられたものです。つまり、大学での学術的な情報活用のためのツールとして、コンピュータや情報ネットワークを不自由なく扱えるスキルと能力を身に付けることを求めています。セキュリティ対策も含め、大学入学後、できる限り速やかに教養教育と関連して修得することを推奨しています。
この背景には、社会の変化や要請と学校教育とのすれ違いがあります。昭和の終わり、オフィスにワープロやパソコンが入り、文書作成や表計算ソフトの操作が必須技能となりました。以後30 数年、平成を経ても、ビジネス現場にパソコンがある風景は変わりません。中学の技術家庭の改訂、高校の情報科設置と学校教育も社会の変化に対応してきました。ところが、ワープロ・表計算の技能教育に流れたことが、情報科でプログラミング教育が浸透しなかったとして、実習は減らされます。大学では、中高で習っただろうから科目にはならないと、学生のスキルを見切るところもでてきました。世の中はスマートフォンさえあれば、生活のほとんどのことが賄える時代になりました。
ところが、大学では学修支援システムが強化され、授業を始めとする学生生活はパソコンなしではいられません。資料検索、情報整理、レポート、発表用レジュメ、論文作成など、大学での学修・研究活動はスマートフォンだけでは間に合いません。2016 年に文部科学省が実施した全大学への情報教育の調査[2] では、回答した530 大学(751 大学中)で何らかの一般情報教育がなされ「コンピュータリテラシー」が1 位となっていました。そこで、あらためて、情報教育のカリキュラム標準の知識体系の一つとして設けられました。
本書は、大学の授業で講義と実習をすること、教員による概説や実演を前提に、すべて例題と演習で組み立てています。本書の前身『コンピューター入門演習』(文化書房博文社発行)を基に、長年大学でICT リテラシーの授業を実践してきた講師陣が、作り直しました。1 章から4 章までは、半期の授業で修得しやすいように構成してあります。残りの5 章、6 章は、文書作成やデータ処理などに応用できるような例題と実習を掲載しています。授業外の課題や、評価試験の課題等に活用してください。
監修:高橋尚子(國學院大學)