メカトロニクスのモーター技術
2020年3月27日紙版発売
2020年3月27日電子版発売
見城尚志,佐渡友茂 著
A5判/576ページ
定価5,478円(本体4,980円+税10%)
ISBN 978-4-297-11295-0
書籍の概要
この本の概要
本当に必要なモーターの専門知識を的確に提供することを目的とした,今までにないモーターの技術専門書である。
現代は,高度な進化を遂げたメカトロニクス社会。
メカトロニクスを駆使する上で必須知識の一つが,モーターである。
ほとんどのメカトロニクス制御はモーター技術で行われている,といっても過言ではないだろう。
高度成長期の時代,技術者は大学を卒業してそのまま実務に就くこともありえた。
しかし,現代の高度工業社会では,工学部のカリキュラムだけでモーターを理解するのは難しい。
その一方で,メカトロニクス製品開発競争は世界的に激化。
モーター知識をそなえた人材のフォローアップは待ったなしの状況である。
そうしたニーズに応えるべく誕生したのが,本書『メカトロニクスのモーター技術』。
メカトロニクスの最前線で50年以上活躍を続ける著者が,「モーター技術において本当に必要な知識とな何なのか?」を見つめ直し,内容を徹底吟味。
「豊富でわかりやすいイラスト」と「懇切丁寧な説明」で,読者の理解が進むように最大限の創意工夫をほどこした。
さらに,従来の技術書で語られなかった知識も盛り込んでいるので,モーター知識をより深化させる一助にもなるだろう。
one and onlyのモータ教科書として,一度手にとっていただければ幸甚である。
こんな方におすすめ
- モーター技術を必要とするメカトロニクスのエンジニア
- 電気工学系,メカトロニクス系の大学生&大学院生
- モーターを使用する技術営業の方
本書のサンプル
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目次
Chapter 1 モータユビキタス時代へ
- 1.1 モータは身近な存在
- 1.2 モータ時代の夜明け前
- 1.3 エレクトロニクス時代のモータ
- 1.4 ブラシレスモータの用途拡大
- 1.5 ステッピングモータ
- 1.6 モータユビキタス時代の技術的課題
Chapter 2 DCモータの基本構造と機能
- 2.1 DCモータの構造
- 2.2 コンパクトな最新構造に潜む電磁現象
- 2.3 トルクの発生とフレミングの左手の法則
- 2.4 発電機のはたらきとフレミングの右手の法則
- 2.5 トルクと逆起電力定数の関係
- 2.6 トルクと速度の関係
- 2.7 回生モード
- 2.8 制動機モード
- 2.9 3つの動作モード
Chapter 3 モータ構造とトルク理論
- 3.1 電磁石界磁方式から
- 3.2 永久磁石界磁の場合
- 3.3 永久磁石の種類
- 3.4 永久磁石方式での空隙の磁界生成
- 3.5 電機子反作用とそれに伴う不可逆減磁
- 3.6 面力表現とロータ体積によるトルク式
- 3.7 ティアのトルク理論
- 3.8 損失の種類とトルクむら
- 3.9 応答性に関する事柄
Chapter 4 等価回路とパラメータ測定
- 4.1 等価回路とパラメータ
- 4.2 パラメータの測定
- 4.3 定常特性の描画
- 4.4 電気・機械エネルギー変換
- 4.5 等価回路を使った動的挙動の解析
- 4.6 減速機構やリニアへの変換の扱い
- 4.7 コギングトルク
- 4.8 ダイナミック測定
Chapter 5 DCモータを使う速度と位置の制御
- 5.1 モータの回転の制御へ
- 5.2 印加電圧の制御
- 5.3 伝統的な速度制御
- 5.4 ダイナミック応答と不安定現象の抑制
- 5.5 位置の制御
- 5.6 制御系を安定にするための数学的ツール ―線形理論と非線形要素―
- 5.7 過電流検出による簡単な位置制御
- 5.8 本章に続く勉強の指針
Chapter 6 ブラシレスDCモータ
- 6.1 ブラシ付きとの対応関係と相違
- 6.2 導通角と基本結線
- 6.3 スロット数・極数・巻線トポロジー
- 6.4 種々の巻線と結線
- 6.5 位置センサ
- 6.6 駆動回路と運転方式
- 6.7 等価DCモータ
Chapter 7 ブラシレスDCモータの詳しい扱い方
- 7.1 Δ結線からY結線へ
- 7.2 高調波の影響
- 7.3 インバータを含む交流モータとしての計算
- 7.4 ダイオードの役割とi-v特性
- 7.5 運動方程式の扱いかた
- 7.6 計算例
- 7.7 センサレス駆動
Chapter 8 ベクトル制御のペンタゴン理論
- 8.1 他励DCモータを出発点とする二軸理論
- 8.2 リラクタンスモータ
- 8.3 永久磁石と凸極の併用とIPM
- 8.4 電圧方程式導出の準備
- 8.5 凸極構造を考慮した電圧方程式
- 8.6 ベクトル線図での考察と解析
- 8.7 ペンタゴンによる考察と理論の形成
- 8.8 速度範囲の拡大に関する事柄
Chapter 9 体格と選定 395
- 9.1 はじめに:考え方の提案
- 9.2 モータの性能指数 ―永久磁石の減磁限界―
- 9.3 そのほかの要素
- 9.4 温度上昇と冷却
- 9.5 モータの選定
- 9.6 モータと負荷との結合
- 9.7 減速機による締結
- 9.8 モータ利用の展望
Chapter 10 電気力学の起源から行方
- 10.1 電気力学の起源からモータの発見的発明まで
- 10.2 1870年代の胎動
- 10.3 マクスウェルの登場
- 10.4 アインシュタインの電気力学
- 10.5 電気・機械エネルギー変換
- 10.6 ヒステリシス現象に注目した導出
- 10.7 発想の飛躍―すべてのモータへ適用
- 10.8 次世代の工学へのさらなる考察
- 10.9 次のステップのために
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