伝説のアーケードゲームを支えた技術

[表紙]伝説のアーケードゲームを支えた技術

紙版発売
電子版発売

四六判/400ページ

定価2,178円(本体1,980円+税10%)

ISBN 978-4-297-11554-8

電子版

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書籍の概要

この本の概要

“匠の技術”で振り返るビデオゲーム年代記 1971-1989!

本書「はじめに」より

本書は,1970年代と1980年代のアーケードビデオゲームを支える,さまざまな技術を紹介します。ゲームの内容にも触れますが,ゲームデザインに関する議論や,ゲームの攻略情報については踏み込みません。アーケードゲームのハードウェアとソフトウェアに関して,仕組みが面白い技術,ゲームの世界に進化をもたらした技術の中から,いくつかを選んで取り上げて解説しました。そして,その技術を使っているゲームを紹介しています。

人気やプレイヤー評価ではなく技術面から掲載作品を絞り込んだため,やや通好みのゲームも掲載することになり,意外なゲームのラインナップになっているかもしれません。どんな時代背景が各ゲームを生んだのかイメージしやすいように,発売年ごとにゲームを紹介し,さらにその年に起こったできごとも掲載しました。

博物館に鉄道車両や飛行機などを見に行くとき,背景知識がなくても楽しむことができますが,内部の構造や鍵となる技術について知っていれば,もっと楽しめます。本書を読んでからゲームを遊んだときに,「なるほど,この仕組みだから,こんな遊びが生まれるのか!」という発見をしていただけたら幸いです。(中略)

本書が,レトロゲーム,そして全てのゲームをより楽しむきっかけになることを願っています。

こんな方におすすめ

  • レトロゲームを鑑賞の対象とする若いライトユーザー
  • 古の技術を懐かしがりたいオールドゲーマー

本書のサンプル

本書の紙面イメージは次のとおりです。画像をクリックすることで拡大して確認することができます。

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目次

第1部 “侵略者”が街にやってきた(1971-1978)

  • 1971年 「コンピュータスペース」キャラクターの形を作り出すダイオードマトリックスの技術
  • 1972年 「ポン」プレイヤーの操作を画面に反映させる電子回路の技術
  • 1973年 「サッカー」黎明期の日本製ビデオゲームを支えた「ポン」の技術
  • 1974年 「スピードレース」臨場感を盛り上げるハンドルとペダルの技術
  • 1975年 「ガンファイト」ついにアーケードゲームに投入されたCPUの技術
  • 1976年 「ブレイクアウト」一人で遊べるポンを支えたRAMの技術
  • 1977年 「スペースウォーズ」精細な宇宙空間を描くベクタースキャンの技術
  • 1978年 「スペースインベーダー」処理速度の遅さを逆手にとる技術

第2部 画面を飛び回る“妖精”たちの物語(1979-1984)

  • 1979年 「ギャラクシアン」数々の名作ゲームを生み出すスプライトとタイルマップの技術
  • 1980年 「パックマン」単純なロジックで知能を感じさせる技術
  • 1981年 「ギャラガ」スピード感あふれる動きを支えるマルチCPUの技術
  •  「クイックス」ユニークなゲーム性を実現する塗りつぶしの技術
  • 1982年 「ポールポジション」サーキットを再現するラスタースクロールの技術
  • 1983年 「ゼビウス」立体感と浮遊要塞を実現するグラフィックスの技術
  •  「リブルラブル」新感覚のゲームを支える少し変わった塗りつぶしの技術
  • 1984年 「マーブルマッドネス」起伏に満ちた世界を描き出すレイトレーシングの技術

第3部 リアルな“体感”を支えた技術(1985-1989)

  • 1985年 「ハングオン」「スペースハリアー」体感ゲームを支える進化したスプライトの技術
  •  「タイムギャル」レーザーディスクの映像をゲームに融合させる技術
  • 1986年 「ダライアス」難攻不落のゲームを攻略する連射の技術
  • 1987年 「アフターバーナー」「A-JAX」「ミッドナイトランディング」各社が工夫を凝らす3D表現の技術
  •  「オペレーションウルフ」撃った場所を検出する光線銃の技術
  • 1988年 「ウイニングラン」「トップランディング」本格的な3Dゲームを実現するポリゴンの技術
  • 1989年 「キャメルトライ」2Dゲームで流行した回転の技術

著者プロフィール

松浦健一郎(まつうらけんいちろう)

東京大学工学系研究科電子工学専攻修士課程修了。研究所において並列コンピューティングの研究に従事した後,フリーのプログラマ&ライター&講師として活動中。企業や研究機関向けのソフトウェア,ゲーム,ライブラリ等を受注開発している。司 ゆきと共著でプログラミングやゲームに関する著書多数(本書で32冊目)。


司ゆき(つかさゆき)

東京大学理学系研究科情報科学専攻修士課程修了。大学で人工知能(自然言語処理)を学び,フリーランスとなる。研究機関や企業向けのソフトウェア開発や研究支援,ゲーム開発,書籍や研修用テキストの執筆,論文や技術記事の翻訳,学校におけるプログラミングの講師を行う。