マンガ・イラスト・ゲームを面白くする異世界設定のつくり方

[表紙]マンガ・イラスト・ゲームを面白くする異世界設定のつくり方

紙版発売

A5判/256ページ

定価1,848円(本体1,680円+税10%)

ISBN 978-4-297-12098-6

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書籍の概要

この本の概要

創作活動における「世界設定のつくり方」を解説する本です。
創作全般において「その世界をどこまでイメージできるか(≒設定がどこまで整っているか)」は重要な要素であり,世界観の設定がしっかりしていればストーリーやキャラクターにも説得力が生まれ,作者の個性も活かすことができます。反面,練り込みが甘かったり致命的な矛盾が生じていたりすると作品全体の魅力が損なわれ,「ありがち」の域を抜け出せなくなってしまう難しい要素でもあると言えるでしょう。
本書は創作において常に最大の人気ジャンルである「異世界」を題材に,設定として固めるべきキーポイントや破綻なくまとめるためのコツ,およびテーマに基づいた設定の詰め方を順を追って解説しました。
本書を読めば「オリジナルの作品がつくれない」「創作のイメージがまとまらない」読者でも個性のある魅力的な作品をつくれるようになり,より創作活動を楽しむことができるでしょう。

こんな方におすすめ

  • 漫画家・作家・イラストレーター・ゲームクリエイターなどの創作系志望者
  • 趣味で漫画や小説を描いている人

本書のサンプル

本書の一部ページを,PDFで確認することができます。

目次

1章 面白い作品を作るために

  • なぜ魅力的な作品が作れないのか
  • 魅力的な作品には魅力的な設定がある
  • くらしや日常の積み重ねが世界設定をつくる
  • 史実や現実の「掘り下げ」も立派な世界作り
  • コラム どこまで世界を作り込むのか

2章 世界設定を作るプロセス

  • おおよその舞台を決める
  • 要素を配置し,世界を作る
  • 人々の生活や社会形態を創造する
  • 設定の矛盾を整える
  • コラム 設定は"小出し"に

3章 自然環境の設定を考える

  • ゲーム的世界観との向き合い方
  • 地図が正確とは限らない
  • 「未知の地」の危険と魅力
  • 気候・地形・植生
  • 風土と価値観
  • 鉱物資源と文化
  • 海はどこまで続くのか
  • コラム 資料の重要性

4章 魔法の設定を考える

  • 魔法とは?
  • 魔法のメカニズム
  • 魔法で治療できる世界で薬草は売れるのか
  • 魔法が生み出す社会問題,トラブル,犯罪
  • 魔法と化学
  • 魔法と宗教
  • コラム 世界観に合わない描写とは

5章 モンスターの設定を考える

  • 狼や虎がモンスターだったころ
  • モンスターの作る生態系
  • モンスターのいる日常
  • 治世のあるモンスター
  • 人間との距離・利害が敵味方を決める
  • コラム 固有名詞をどのくらい使うか

6章 人々のくらしを設定する

  • "どこにいるか"で変わるくらし
  • 文化レベル,技術レベルで変わるくらし
  • エネルギー資源は?
  • 文化の違いを出すには
  • 特殊な環境とくらし
  • 異存在との関わり
  • 遺跡・オーパーツと古代文明
  • コラム センシティブな問題はあえて無視する

7章 社会形態を設定する

  • 政治と国家の思想
  • 社会のあり方と人々のくらし
  • 地域スケール,世界スケールで見る
  • 異世界,別世界における職業
  • 異世界の社会問題
  • コラム いかにハッタリを効かせるか

8章 設定の矛盾を解消する

  • 設定と設定は矛盾する
  • キャラクターの視点で考える
  • 地図と年表
  • 「あえて矛盾してもよし」という勇気
  • コラム 「歴史学者の視点」で未来から見る

9章 コンセプトから設定を組み上げる

  • この章の構成
  • かつて高度な文明があったファンタジー世界
  • サンプル「託宣のある世界」
  • 巨獣世界
  • サンプル「巨獣と兵器」
  • 文明が破滅した世界
  • サンプル「電子の神とレンジャー」
  • 空を飛べる世界
  • サンプル「大いなる翼の遺産」
  • 水に沈んだ世界
  • サンプル「三つの種族」
  • 複数の次元
  • サンプル「流れの果ての世界」

付録 異世界チェックシート

著者プロフィール

榎本秋(えのもとあき)

文芸評論家。各所で講師を務める一方,作家事務所を経営。主な著作に『ライトノベル新人賞の獲り方』(総合科学出版),『エンタメ小説を書きたい人のための正しい日本語』(DB ジャパン)など。本名(福原俊彦)名義で時代小説も執筆。