図解即戦力シリーズ図解即戦力
化粧品業界のしくみと仕事がこれ1冊でしっかりわかる教科書

書籍の概要

この本の概要

「図解即戦力」シリーズから化粧品業界を特集した書籍の登場です。化粧品業界は,就活市場でも華やかなイメージを持たれ,人気の業界です。また,国内の手堅い需要だけでなく,近年では海外での日本製の化粧品の需要も大きく伸びており,これからも様々な展開が期待されます。
その一方で,環境や国際情勢への配慮や,トレンドをキャッチすることも重要であり,化粧品メーカー各社の商品開発やブランディングの手法は日々変わっていっています。
本書では,そういった日本の化粧品メーカーの動向やビジネスの仕組みを中心に,化粧品製造・販売に関わる法規制,さらに今後の海外戦略,イノベーションなどを丁寧に解説します。

こんな方におすすめ

  • 化粧品業界への就職を目指す就活生,転職を目指す人,化粧品業界の最新動向やビジネスチャンスを知りたい社会人

著者の一言

本書が想定している読者は,化粧品業界の第一線で働く方々に加え,広告代理店・デジタルマーケティング・コンサルティングなどの支援会社にお勤めのビジネスパーソン,そして化粧品会社への就職を目指す学生や社会人の皆さんです。
筆者は,化粧品メーカー各社とブランド戦略や商品企画の仕事を行っていますが,人材育成にも力を入れています。その中で,業界についてビジネス視点で体系的にまとめられている本が無いことに大変不便を感じていました。そこで本書では,化粧品業界独自の経営やマーケティングの基礎まで,豊富な図表と平易な文章で出来るだけわかりやすい解説をすることに注力しました。
また,デジタル化や社会環境の変化により,化粧品業界も不確実性の高い状況になっています。そのため,新市場・中国戦略・イノベーションなどの新しい動きについても多くのページを使って解説しています。ただし,この本を読むだけでは足りません。日々,化粧品業界は変化しています。この本を土台に業界専門情報やSNSの観測などで最新の情報を更新していただくことが重要です。
課題が次々と押し寄せる現場で,デスクの傍に置いて頭の整理にご活用いただければ幸いです。

本書のサンプル

本書の一部ページを,PDFで確認することができます。

目次

プロローグ 化粧品業界の最新トピックス

  • 新型コロナウイルスを機に変化し始めた化粧品業界
  • 少子高齢化による化粧品業界への影響とは
  • 化粧品業界でEC化が進みにくい理由
  • 新興企業が大手化粧品会社を脅かす時代に
  • 化粧品業界におけるサステナビリティの実現とは

第1章 化粧品業界の基礎知識

  • 化粧品を分類するときの基準
  • 化粧品には他商材と大きく異なる3つの特徴がある
  • 化粧品の価格は安定している
  • 化粧品の流通経路(チャネル)は大きく7つに分かれている
  • 値崩れさせないための制度品システム
  • 高級化粧品を取り扱う「百貨店」
  • 低価格?中価格を扱う「一般品」
  • 新興企業が進出しやすい市場となった「通信販売」
  • 人と人とのつながりを大切にした「訪問販売」
  • 独自の世界観を構築した「メーカー直営店」

第2章 化粧品業界の事情と特色

  • 販売店ごとにお客様のニーズは異なる
  • 消費者ニーズとチャネルの変化
  • 独自の強みを生かしてメーカー化するドラッグストア
  • 「緊急購買」から脱したいコンビニエンスストア
  • テレビ放送は今後も有力なチャネルであり続ける
  • ECモールで化粧品が買いやすくなった
  • 新規参入が多いわりに成功する企業は少ない
  • 新規参入企業にとって重要なOEM・ODM企業の選び方
  • 効能の範囲を逸脱した表現は「薬機法」違反になる
  • 虚偽や誇大広告で消費者に誤認させると「景表法」に違反する

第3章 化粧品会社の組織と部門

  • メンバーシップ型雇用からジョブ型雇用への移行
  • 化粧品会社における組織の構成
  • 「商品開発部」は化粧品会社の中枢
  • 「研究所」への就職は狭き門
  • 「PR部門」は会社やブランドの顔

第4章 化粧品会社の経営とリスク

  • 化粧品の売上の構造と増収のために必要なこと
  • 化粧品の原価率が低い理由とは
  • 5フォース分析で化粧品業界の推移を見る
  • 新規参入企業の戦略は経営資源や時代性で決まる
  • 化粧品事業を行う上で想定されるリスク
  • 知的財産権の侵害による訴訟リスク
  • 健康被害による訴訟リスク
  • 企業価値向上のために海外基準を導入

第5章 化粧品業界のマーケティング

  • 化粧品ビジネスのマーケティング
  • 顧客の隠れたニーズを見つけ出す
  • 顧客を細分化するSTP
  • 右脳と左脳をつかってターゲットにする市場を決める
  • ブランドは企業にとって重要な無形資産のひとつ
  • ブランディングは顧客を媒介していく
  • 自社の名前を表に出さないアウトオブブランド
  • 競合会社との差別化を図るためポジショニングマップを作成する
  • 製品が販売されてから衰退するまでのサイクル
  • 化粧品業界が近年注力しているオンライン広告
  • 化粧品広告における人物起用の役割とは
  • 化粧品業界を大きく変えたInstagramの登場
  • インフルエンサーの発信する情報への取締りが厳しくなる
  • 進化の過程にある化粧品のアフィリエイト広告

第6章 化粧品の商品開発

  • 化粧品の販売には許可が必要
  • 化粧品が出荷されるまでの5つのステップ
  • ヒットする化粧品企画は2つの発想の融合で生まれる
  • 化粧品の名称は売上に大きく影響する
  • 新しいアイデアを生み出すときに意識するべきこと
  • ものづくりとしての化粧品はバルク開発から
  • 安心安全な化粧品に必要なプロセス
  • 容器の選定,製造を経て出荷を行う
  • 成分に神秘性を持たせるオリジナルネーミング
  • 日本の化粧品研究は世界で高く評価されている

第7章 化粧品業界の新市場

  • 天然由来成分をコンセプトに右肩上がりで伸びている
  • 肌にも地球にもやさしい新機軸の化粧品
  • 化粧品の成分と危険性に関する国民性
  • 男性の美容意識が変化してきた
  • 多様性の時代に対応するため化粧品の売り方も変わってくる
  • 通常のルート以外で流通される化粧品
  • 世界のエイジングケア市場をリードしていく日本
  • 女性特有の悩みを解決する化粧品市場が盛り上がっている
  • 人やメディアを起点として誕生したブランドが増えている
  • 貧困層へのビジネスで市場を広げる
  • 環境に配慮した化粧品や容器が社会から求められている

第8章 化粧品業界の中国戦略

  • 中国の情勢に影響を受ける日本メーカー
  • 化粧品はトラベルリテールで最も人気が高い商品
  • 進んだEC化と越境ECの日本人気
  • 中国最大のSNSをきっかけにヒットする商品
  • キャンペーン成功の鍵はライブコマース
  • 中国の化粧品市場で売れるブランドが変化してきている
  • 中国の化粧品市場におけるマーケティングと規制の変化

第9章 化粧品業界のイノベーション

  • ベンチャー企業への出資で独自技術を自社に取り込む
  • 新興企業への支援と異業種企業との共同開発
  • 対面接客が難しくなり加速した非接触接客
  • 新しい形態の店舗で顧客体験を向上させる
  • 韓国とフランスの革新的なイノベーション

著者プロフィール

廣瀬知砂子(ひろせちさこ)

女性潮流研究所所長。 株式会社 KikakuBrain 代表取締役社長。
1993年株式会社コーセー入社。低価格帯ブランドからラグジュアリーブランドまでの幅広い業務を担当。
独立後は女性ターゲットの企画コンサルティングサービスを行う女性潮流研究所を設立。以降,化粧品・アパレル・家電・製薬・食品・百貨店などの商品企画やブランド戦略,企画人材育成などの課題解決業務を行っている。
「週刊粧業」「繊研新聞」「流行色(JAFCA)」など,業界紙を中心に女性のトレンド分析やビジネス解説に関するコラム寄稿,講演,企業研修なども多数。
著書に「売れる企画はマイクロヒット戦略で考えなさい!」(かんき出版)「意匠性を高める顔料技術(共著:サイエンス&テクノロジーー)」がある。
早稲田大学大学院経営管理研究科 専門職学位課程。産業能率大学非常勤講師。