御社のシステム発注は、なぜ「ベンダー選び」で失敗するのか

[表紙]御社のシステム発注は、なぜ「ベンダー選び」で失敗するのか

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四六判/360ページ

定価1,980円(本体1,800円+税10%)

ISBN 978-4-297-12816-6

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書籍の概要

この本の概要

成長戦略という錦の御旗のもと,システム化やDX推進の指示が増大しています。しかし,あわててITプロジェクトを始動したあなたに,次の法則が立ちはだかります。「プロジェクトの半分以上が失敗する」。これは一体なぜでしょうか? 著者によれば,プロジェクトは「上流がにごれば,下流はもっとにごる」もの。ITベンダーが決まるまでの長い道のり「超上流」に問題のほとんどが集約されています。本書は,前著では触れることのできなかったこの問題に焦点を当て,ユーザー企業が安易な選択をしてしまうワナから説き起こします。そして,ベンダー選定の究極ノウハウ「ファネル選定」を提唱します。前著をお読みでない方も,本書を手引きにまずはこの最優先課題に取り組んでください。

こんな方におすすめ

  • システム導入・DXを考えているユーザー企業の担当者,プロジェクトマネージャー
  • 情シス(情報システム部門),IT部門の方
  • CIO,経営層

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本書は,問題に焦点を当て,ユーザー企業が安易な選択をしてしまうワナから説き起こします。そして,ベンダー選定の究極ノウハウ「ファネル選定」を提唱します。

本書のサンプル

本書の一部ページを,PDFで確認することができます。

目次

第1章 選定ミスは終わりの始まり

  • DXを成功させる大前提は「選定」が正しいこと
    • DXをやりたいと言うが
    • ノウハウをためるべき部署
    • DXが機能するための前提
    • 計画とは順番を定義すること
    • レガシーシステムは諸悪の根源
    • 基幹システム選定の状況変化
    • パッケージ導入の落とし穴
    • スクラッチ開発という難題
    • 攻めのITは「けもの道」
    • あるAIプロジェクトの末路
    • 最新技術が正解とはかぎらない
    • すべては「選定」にかかっている
  • ロックイン問題は「選定」の結果である
    • 現行ベンダーへの不満
    • ロックインの元凶
    • 何がリスクなのか
  • プロジェクトの成否は「選定」で決まる
    • プロジェクトからのSOS
    • プロジェクトの成功要因
  • COLUMN ユーザーロックイン

第2章 選定に入る前に方向性を定める

  • 「選定」のための地図を作る
    • 候補がありすぎると途中で探さなくなる
    • 選定プロセスは選定の前から始まっている
    • プロジェクト計画書のよりどころ
    • ボトムアップの問題
    • トップダウンの問題
    • トップダウン? ボトムアップ?
    • 経営層と現場を味方にする
  • パッケージかスクラッチか
    • 経営層のジレンマ
    • パッケージでいけるか見極める方法
    • 消去法を愚直に進める
    • グランドデザインで大きな地図を描く
    • ERPは最初しか選択肢がとれない
    • 手に持っているものがハンマーなら全て釘に見える
    • 「内製」という選択肢
    • グランドデザインは順番をデザインすること
  • COLUMN なぜそのRFPは10億円を超えてしまったのか

第3章 RFIでベンダーを広く浅く収集する

  • RFIとは何か?
    • その選定プロセスは正しいと断言できるか?
    • ファネル選定とは
    • ファネル選定を成立させる重要な技術
    • RFIとRFPの違い
    • RFIの6つのメリット
  • RFIの準備
    • RFIはこう作る
    • ベンダーは何社探せばいいのか?
    • ある出版業システムのリストアップ事例
    • インターネット検索での注意点
    • この時点での現行ベンダーの扱い
    • 現行ベンダーの可能性
  • RFIの手続き
    • RFIでは会わない
    • RFIでは順位を決めるのではない
    • RFIのノックアウトファクター
    • 5社以内に絞りきる
  • COLUMN RFIは悲劇をくり返さないための仕組み
  • トライアルで深掘りする
    • このまま進めてよいか現場の反応を見極める
    • トライアルとは
    • トライアルの目的
    • トライアルは何社で行うべきか
    • トライアルの考え方
    • トライアルが現場の主体性を引き出す
    • 状況をみながらトライアルの有無を判断する
  • COLUMN トライアルにお金を払ってもお釣りがくる

第4章 RFPで自社要求を明確にする

  • RFPに取り組む姿勢
    • RFPはムズカシイ?
    • RFPを出さない理由がない
    • RFPのフォーマットは悩まない
    • 要求機能一覧はRFPの「心臓部」
  • RFPで押さえるべきポイント
    • RFPの書き方が変わってきた
    • そのパッケージRFPの失敗は必然
    • パッケージRFPはベンダーにアイデアを求める
    • パッケージTo-Beを評価する
    • パッケージvsスクラッチという異種格闘技戦
    • RFPを市場にアジャストさせる
    • そもそもRFPは誰が作るべきか
    • IT部門の一番の強みとは
    • RFPにおけるIT部門の役割
  • COLUMN 情シスロックイン
  • RFPでベンダーに提案を依頼する
    • まずはお会いしたい
    • RFPの前にNDAを交わす
    • NDAのフォーマットはどちらに合わせるべきか?
    • ベンダーへの期限設定
    • ベンダーの質問には公平に対応する
  • COLUMN A社のパッケージングと金太郎アメ

第5章 ベンダーを評価し,選定する

  • 提案書を自社のフレームで評価する
    • 提案の5大評価ポイント
    • スコアリングに責任を持つ
    • システム機能はサブシステム単位できっちり評価する
    • FIT率「60%」をどう考えるか
    • 費用は5年トータルで考える
    • 実績は数と質の両方をみる
    • プロジェクト計画は,ベンダーの力量をはかるモノサシ
    • その他の評価で補完し,バランスをとる
    • プレゼンテーションの前に評価を完成させる
  • 提案書でみえない部分をプレゼンで評価する
    • プレゼンで特に確認しておきたいポイント
    • プロジェクトメンバーの当事者意識の醸成
    • プレゼンのアジェンダをベンダーに提示する
    • プロジェクトマネージャーにどんな質問をするか
    • その質疑応答は誰が答えているのか
    • ベンダーのエース人材を見分ける方法
    • 質問はバリエーションが大事
  • COLUMN ダメPMの見分け方 ~なぜPMにこだわるのか~
  • 最終選考
    • 進め方は3パターンに分かれる
    • 最後の最後に心理的な恐怖は大きくなる
    • 唯一の背中を押してくれる存在とは
    • 導入先という「希望」に会いに行く
    • 現状維持という最大のハードルを越えるために
    • 現行システムは現状のままではいられない
    • ちゃぶ台返しをさせない
    • プロジェクトマネージャーが責任をもって全社承認をとりつける
  • COLUMN 圧倒的に安すぎると,人は選べなくなる
  • 契約締結まで油断しない
    • ベンダー決定が遅れてしまう
    • ベンダー決定を遅らせるとどんな不都合が生じるのか
    • 発注するベンダーは決まったが決まっていない
    • 内定をだしても確定はださない

第6章 最適なベンダーとサービスは未来を明るくする

  • 選定後のプロジェクト処方箋
    • 苦境のないプロジェクトはプロジェクトではない
    • ベンダーチェンジは有効なのか?
    • 対処方法① ベンダーPMチェンジ
    • 対処方法② ユーザーチェンジ
    • どのカードを切るのが正解なのか
  • ベンダーは共に歩むパートナー
    • 最適なベンダーは黙っていても導いてくれる
    • ベンダーを信じるということ
    • 「ファネル選定」でDX時代を切り拓く

著者プロフィール

田村昇平(たむらしょうへい)

情シスコンサルティング株式会社 代表取締役。
ITプロジェクトを推進するIT部門,情報システム部門を支援する情シスコンサルタント。支援したIT部門は20社以上,プロジェクト数は60以上に及ぶ。
ITベンダー側で10年,ユーザー企業側で13年のITプロジェクト経験を経て,プロジェクトの全工程に精通した。その経験をもとに業界初のノウハウ集「システム発注から導入までを成功させる90の鉄則」を上梓,好評を得る。同書は多くのIT部門で研修教材にもなっている。
プロジェクトの膨大な課題を悶絶しながらさばいていくうちに,失敗する原因は上流工程にあるとの結論にたどり着く。そのため,「ファネル選定」などの超上流ノウハウを深化させ,IT部門にインストールするようになる。「IT部門が会社を強くする」という信念のもと,IT部門の現場で日々奮闘している。