達人が教えるWebパフォーマンスチューニング
ISUCONから学ぶ高速化の実践

[表紙]達人が教えるWebパフォーマンスチューニング 〜ISUCONから学ぶ高速化の実践

紙版発売
電子版発売

B5変形判/360ページ

定価3,278円(本体2,980円+税10%)

ISBN 978-4-297-12846-3

電子版

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書籍の概要

この本の概要

LINE株式会社が主催するWebサービスのパフォーマンスチューニングコンテスト,ISUCON(Iikanjini Speed Up Contest)で技術を競い合ってきた著者がWebサービス高速化のための考え方とノウハウをわかりやすく解説。

本書では,お題となるWebサービスをひとつ用意して,手を動かしながら高速化手法を学んでいきます。Webサービスがどのくらいの負荷に耐えられるか,どのくらいの負荷で不具合が起こるかを検証し,不具合が起こる原因を突き止め,改善していきます。また,負荷に対応する方法だけでなく,負荷を発生させる方法(ベンチマーカーの作成方法)も紹介します。

本書を読んで,Webサービス高速化について理解を深め,性能を向上させましょう。

こんな方におすすめ

  • Webサービス・アプリケーションの動作が重くて困っている方
  • ISUCONに出場してみたい方
  • ISUCONに出場したことはあるが,良い成績を収められなかった方

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本書のサンプル

本書の一部ページを,PDFで確認することができます。

目次

Chapter1 チューニングの基礎知識

  • 1-1 “高速であること”は現代のWebサービスの必須要件
  • 1-2 高速なWebサービスとは
  • 1-3 Webサービスの負荷
  • 1-4 必要十分なキャパシティを用意するには
  • 1-5 パフォーマンスチューニング“きほんのき”
  • 1-6 パフォーマンスチューニング“きほんのほ”
  • 1-7 パフォーマンスチューニング“きほんのん”
  • 1-8 まとめ

Chapter2 モニタリング

  • 2-1 モニタリングとは - インフラにおけるテスト
  • 2-2 モニタリングに対する考え方
  • 2-3 モニタリングの種類
  • 2-4 手動でのモニタリング
  • 2-5 モニタリングツール
  • 2-6 モニタリングツールのアーキテクチャ
  • 2-7 実際にモニタリングを行う
  • 2-8 モニタリングの注意点
  • 2-9 ログに対するモニタリング
  • 2-10 まとめ

Chapter3 基礎的な負荷試験

  • 3-1 本書で扱うWebサービス private-isu
  • 3-2 負荷試験の準備
  • 3-3 ベンチマーカーによる負荷試験の実行
  • 3-4 パフォーマンスチューニング 最初の一歩
  • 3-5 ベンチマーカーの並列度
  • 3-6 まとめ

Chapter4 シナリオを持った負荷試験

  • 4-1 負荷試験ツール k6
  • 4-2 k6による単純な負荷試験
  • 4-3 k6でシナリオを記述する
  • 4-4 複数のシナリオを組み合わせた統合シナリオを実行する
  • 4-5 負荷試験で得られたアクセスログを解析する
  • 4-6 まとめ

Chapter5 データベースのチューニング

  • 5-1 データベースの種類と選択
  • 5-2 データベースの負荷を測る
  • 5-3 インデックスでデータベースを速くする
  • 5-4 N+1とは
  • 5-5 データベースとリソースを効率的に利用する
  • 5-6 まとめ

Chapter6 リバースプロキシの利用

  • 6-1 アプリケーションとプロセス・スレッド
  • 6-2 リバースプロキシを利用するメリット
  • 6-3 nginxとは
  • 6-4 nginxのアーキテクチャ
  • 6-5 nginxによる転送時のデータ圧縮
  • 6-6 nginxによるリクエスト・レスポンスのバッファリング
  • 6-7 nginxとアップストリームサーバーのコネクション管理
  • 6-8 nginxのTLS通信を高速にする
  • 6-9 まとめ

Chapter7 キャッシュの活用

  • 7-1 キャッシュデータ保存に利用されるミドルウェア
  • 7-2 キャッシュをKVSに保存する際の注意点
  • 7-3 いつキャッシュを利用するか
  • 7-4 具体的なキャッシュ実装方法
  • 7-5 キャッシュを監視する
  • 7-6 まとめ

Chapter8 押さえておきたい高速化手法

  • 8-1 外部コマンド実行ではなく,ライブラリを利用する
  • 8-2 開発用の設定で冗長なログを出力しない
  • 8-3 HTTPクライアントの使い方
  • 8-4 静的ファイル配信をリバースプロキシから直接配信する
  • 8-5 HTTPヘッダーを活用してクライアント側にキャッシュさせる
  • 8-6 CDN上にHTTPレスポンスをキャッシュする
  • 8-7 まとめ

Chapter9 OSの基礎知識とチューニング

  • 9-1 流れを見極める
  • 9-2 Linux Kernelの基礎知識
  • 9-3 Linuxのプロセス管理
  • 9-4 Linuxのネットワーク
  • 9-5 LinuxのディスクI/O
  • 9-6 CPU利用率
  • 9-7 Linuxにおける効率的なシステム設定
  • 9-8 Linuxカーネルパラメータ
  • 9-9 MTU(Maximum Transmission Unit)
  • 9-10 まとめ

付録

A private-isuの攻略実践

  • A-1 用意した競技用環境
  • A-2 ベンチマーカーの実行方法
  • A-3 各章の技法を適用する
  • A-4 まとめ

B ベンチマーカーの実装

  • B-1 ISUCONのベンチマーカーは何をするのか
  • B-2 ベンチマーカーに頻出する実装パターン
  • B-3 private-isuを対象としたベンチマーカーの実装
  • B-4 まとめ

著者プロフィール

藤原俊一郎(ふじわらしゅんいちろう)

2011年より面白法人カヤック。SREチーム所属。ISUCON優勝4回,出題3回。最近の趣味はマネージドサービスの隙間を埋める隙間家具のようなツールを作ってOSSにすること。著書に『みんなのGo言語[現場で使える実践テクニック]』(共著,技術評論社)。


馬場俊彰(ばばとしあき)

株式会社X-Tech 5取締役CTO,株式会社iCARE技術顧問。ISUCON第一回にプロジェクターを持ち込んで参加しSELinux=Enforcingで入賞。本選に進出したり,遠巻きに運営の手伝いをしたりしています。


中西建登(なかにしけんと)

株式会社サイバーエージェント 2019年新卒入社。CloudMakerとしてプライベートクラウドの開発運用に従事。ISUCON8にて史上初の学生総合優勝,ISUCON10にて史上初のプライベートクラウドチームによるインフラ提供を主導。インターネットコミュニティだいすき。


長野雅広(ながの まさひろ)

さくらインターネット株式会社所属。ミクシィ,livedoor,LINE,メルカリでWebサービスの運用に携わり2021年より現職。ISUCON1,ISUCON2,ISUCON9予選で問題作成。参加者として優勝も予選落ちも経験。


金子達哉(かねこたつや)

株式会社PR TIMES開発本部長CTO。ピクシブ・メルカリを経て現職。ISUCON9予選・ISUCON6本選出題。ISUCON9予選では問題・ベンチマーカーを実装。高速なWebサービスの作り方に関する情報やISUCONのベンチマーカーに関する資料を複数公開している。


草野翔(くさのしょう)

宇宙海賊合同会社代表,株式会社ハンマーキットCTO,株式会社 Tech Consiglie CTO,プロモータル株式会社相談役,IPTech特許業務法人技術顧問。ISUCON9優勝,ISUCON4とISUCON10出題。ISUCONベンチマーカーが大好き。