ちょっと前まで、個人でも会社でも、仕事で必要なデザイン作業は専門のデザイン会社や印刷会社にお願いしていることがほとんどでした。けれども、最近では、デザインを外注ではなく社内で制作したり、個人がイベントなどの告知用に簡単なデザインを作ったりすることも多くなってきていると思います。
本書では、印刷物をデザインする上で必要なAdobeのアプリケーション、IllustratorとPhotoshopを触ったことがなく、デザインもしたことがない人でも、基本的な操作方法、レイアウトの方法が学べるように書かれています。
メインの作例制作では、Illustratorの基本操作やレイアウトのベースになる新規書類の作り方、テキストや画像のレイアウトの方法、Photoshopの基本操作や画像の補正、切り抜きの方法を学びます。
バリエーションと応用では、メインの制作物の別のレイアウトと、それを制作する上で必要な機能を参照することができます。
はじめは本書を通しで読んでも、すべての機能を覚えて自由にパーツを作ったり、思った通りにレイアウトすることは難しいかもしれません。ですが、バリエーションのここはどうやって作っているんだろう?と考えたり、この機能を使ったらこんなパーツができそうだと試してみたり、このレイアウトはこっちの制作物で使ってもよさそうだな、といった思考や作業を繰り返しているうちに、アプリケーションの機能だけにとらわれない、あなた自身の発想でいろいろな要素を組み合わせることができるようになるはずです。
また、バリエーションは日常のさまざまな場所、街中の広告やポスター、駅やお店のパンフレットなどに溢れていますし、そういった商業グラフィックやデザインを専門に扱った書籍も多数あります。最近はインターネットでもこういったグラフィックやデザインを見ることができるので、気に入ったものを日々集めて実際に真似してどんどん作ってみると、今度はアプリケーションの機能にフォーカスした情報や書籍がほしくなるかもしれません。
本書は初心者向けに作られているため、すべての情報を伝えることはできません。それでも、本書を手に取った方がはじめてのデザインをスタートする際の手助けに、少しでもなれれば幸いです。