昨今、政府による様々なスタートアップ支援策の実施や独立系VC・CVCの増加、スタートアップ企業への就職・転職の一般化などにより、日本におけるスタートアップ企業の設立が増加しており、様々な新しいサービスがスタートアップ企業により提供されている。また、ブロックチェーンやAI、5Gなどの技術の進歩に伴い、スタートアップのサービスを支える技術も、より複雑なものへと変化してきている。
本書は、そのような時代の流れの中で、今後、あらゆるサービスのインフラとなり得る可能性を持っているブロックチェーン技術をその核とするWeb3のビジネスについて法務の観点から解説を行うものである。
本書では、既に明確化された法規制について簡潔にまとめるとともに、未だ法的な解釈が定まっておらず、今後、法規制がなされるであろう点についても取り上げ、現状における議論の状況を整理することで、新しくWeb3ビジネスを始めようとする方や既にWeb3ビジネスを行っている方などの一助になればと思っている。ただし、本書ではあくまでもWeb3ビジネスに関する一般論を述べているに過ぎない点についてはご留意いただきたい。
本書が、Web3に携わる方々の業務に役立ち、Web3の健全な発展に寄与することを願っている。