Excelでできる 不動産投資「資産管理」のすべて
2023年6月14日紙版発売
2023年6月14日電子版発売
玉川陽介 著
A5判/400ページ
定価2,640円(本体2,400円+税10%)
ISBN 978-4-297-13563-8
書籍の概要
この本の概要
事業規模の不動産投資家を目指す方のためのテキストです。
不動産購入のための融資を獲得するには,その仕組みについて研究する必要があります。
賃貸資産のポテンシャルを引き出すにはIT管理による効率化が不可欠です。
また,税金は不動産投資の最大の経費であり,所得税,法人税のみならず消費税を理解する必要があります。
不動産の保有拡大には金融機関から評価される財務資料の開示が必要です。本書では,全国の金融機関で好評を博す財務資料ひな形を特典としています。
100億投資家が伝授する資産運用に必須の知識,Excelを活用した財務資料の開示手法。本書を読み込むことで,不動産投資の成功を支える「数字」と「論理」による管理のすべてが分かります。
読者特典【財務資料Excelシート】
- 全国の金融機関で好評の書式を,そのまま使える
- 金融機関への財務開示のすべてを凝縮
- 収益指標や税金を精緻に計算。将来の資産価値も計算できる
こんな方におすすめ
- 不動産投資家の方
- 事業レベルの規模で賃貸資産を築きたい方
- 100億投資家に学びたい方
本書のサンプル
本書の紙面イメージは次のとおりです。画像をクリックすることで拡大して確認することができます。
目次
序章 「資産管理」のすべてを紐解く
資産管理で必要な5つの要素
- 1.融資の仕組みを理解する
- 2.税と会計の専門性を身につける
- 3.金融機関に評価される開示資料作成
- 4.先進的な取り組みで管理能力の高さを証明する
- 5.自身の資産への理解を深める
1 「融資の仕組み」編
1-1 金融機関の基本理解
- 不動産に貸したい金融機関
- 不動産に貸せない金融庁
- 不良債権と引当金
- 貸出金の担保別内訳
- 信用金庫と信用組合の違い
- 信金信組の出資金
1-2 融資審査の流れ
- 融資審査の形式に従う重要性
- 融資実務フローチャート
1-3 入口の議論
- 営業エリア
- 法人の活動実態
- 過去の実績による評価
- 金融機関側の受入体制
- 不動産業の判定基準
- 実質的支配者と株主
- 資金の出どころ
- 資金使途
- 融資金額の上限
- 定性面の評価
1-4 債務者格付け
- 債務者区分
- 債務償還年数
- 金融庁による旧金融検査
- 金融検査マニュアル廃止後
1-5 不動産購入資金
- 一棟収益物件の担保評価
- 区分収益物件の担保評価
- カバーとアンカバー
- 貸出金表面利回り
- 共同担保設定
- 返済原資
1-6 融資期間
- 耐用年数の考え方
- 耐用年数超過に対する規制
- 外部鑑定と認証
- 融資期間延長と貸出条件緩和債権
- 超長期融資と不動産バブル
- 借入期間と返済ピッチ
1-7 金利
- 変動金利と固定金利
- 短プラと長プラ
- 金利スワップ
- 元利均等と元金均等
- アップフロントと解約ペナルティ
1-8 高度な不動産融資契約
- リコースとノンリコース
- 借り換えによる融資額増加
- コベナンツ付きストラクチャード融資
- シンジケートローン
- 融資条件ヒアリングシートを作る
1-9 運転修繕資金
- 運転資金の必要性
- 運転資金のメニュー
- 修繕資金
- 抵当権と根抵当権
1-10 ノンバンク融資
- ノンバンク保証
- リース会社の支払委託契約
1-11 公的融資
- 信用保証協会保証の利用
- 信用保証協会の仕組み
- 日本政策金融公庫
- 資本性劣後ローン
- 元金返済猶予型融資
1-12 賃貸業における長期資金計画
- 賃貸業の成長モデル
- 賃貸資産の選定
- 融資条件の調整
- 運転資金の調達
- 新規金融機関の開拓
- 残債を減らす
- 売却と再レバレッジ効果
- 融資審査ロジックの分析
2 「IT活用」編
2-1 チームでの情報共有
- レッドマインのすすめ
- FAXソフトを活用
2-2 社内事務の効率化
- 自然言語解析で紙書類を仕分ける
- ネットバンキング端末の仮想化
2-3 経理処理の自動化
- 入出金管理の自動化設計
- 賃貸売上を会計ソフトへ自動入力
- 支出処理の自動化
- 修繕履歴の自動作成
2-4 賃貸資産へのIoT導入
- 築古物件をオートロック化する
- Column 賃貸業における規模のメリット
- 大規模化のメリット
- 大規模化後の課題
3 「税知識」編
3-1 減価償却の要点
- 賃貸業における減価償却の要点
- 減価償却の理解
- 建物償却と土地の非償却
- 建物CAPEXの減価償却
3-2 法人税等の要点
- 賃貸業における法人税等 10の要点
- 法人税率の計算
- 事業税調整の計算
3-3 消費税の概要
- 賃貸業における消費税 18の要点
- 国家財政と消費税
- 消費税のパススルー納税と特例
- 還付と損金計上の違い
3-4 消費税の要点
- 免税事業者
- 課税事業者と還付
- 課税事業者ステータスの変更時期
- 課税売上と非課税売上
- 個別対応方式と一括比例配分方式
- 課税売上割合と還付率
- 不還付損の計上
- 消費税の還付計算例
- 雑損失と繰延消費税
- 不還付消費税フローチャート
- 賃貸資産購入と消費税還付
- 資産取得による原則課税継続の縛り
- 住居用建物への高額なCAPEX
- 住居物件の3年以内売却
- 課税売上割合が著しく変動したときの調整
- インボイス制度
3-5 賃貸資産の売買時における税
- 賃貸資産購入時の消費税計算
- 賃貸資産売却時の利益計算
- 税計算の前提条件と細則
3-6 グループ法人税制の要点
- 賃貸業におけるグループ法人税制
- グループ内での物件売買
- グループ子会社間での資金移動
- グループ法人税制のデメリット
4 「試算表作成」編
4-1 損益計算書の作成
- 税務会計と管理会計を統合する
- 損益計算書の勘定科目
- 売上を細分化して実態把握
- 雑収入の内訳理解
- 販売管理費の勘定科目
- 営業外費用と雑損失
- 損益計算書の仕上げポイント
- NOIの計算
- スプレッドの計算
- DSCRの計算
4-2 貸借対照表の作成
- 貸借対照表の勘定科目
- 預金と借入金
- 償却資産と繰延消費税
- 未収入金と未払金
- 消費税と法人税等
- 仮払金と仮受金
- 預り金
- 貸借対照表の仕上げポイント
4-3 グループ間取引の計上
- グループ間取引の計上方法
- グループ連結の試算表
4-4 試算表作成のタイミング
- 決算期はいつにすべきか
- 3カ月ごとに作成する
4-5 個人資産の開示
- 個人の収入
- 個人の資産
5 「財務資料作成」編
5-1 財務資料の全体像
- 特典・財務資料Excelのダウンロード
- 財務資料の全体像とリレーション
5-2 グループ概要の説明
- 法人と関係個人の一覧
5-3 グループ連結の財務諸表
- グループ連結財務諸表の要点
- グループ連結B/S
- グループ連結P/L
- グループ連結C/F
5-4 借入一覧と集計
- 借入一覧
- 借入金の整合性検証
- 借入金集計
5-5 減価償却一覧と集計
- 減価償却内訳表の要点
- 減価償却内訳表
- 減価償却表
5-6 賃料一覧と集計
- 賃料内訳表の要点
- 賃料内訳表
- 賃料集計表
5-7 BM費用の集計
- BM費用集計表
- BM費用明細
5-8 筆一覧と固定資産税
- 土地建物の筆一覧
5-9 一般設定
- settingsシート
- 名称マスタ
- 基本設定
- 整合性ベリファイ
5-10 物件情報の設定
- 賃貸資産の入力
- 物件設定
- 物件概要
- 主たる借入
- 借入返済
- 評価額
- 収益指標(参考値)
- 賃貸設定
- 印刷欄外
5-11 物件一覧の自動生成
- 物件一覧
- 既存集計値の転記項目
- 収益指標参考値(年換算)
- 売却済み物件の管理
5-12 借入金の長期分析
- 複数融資を合成して試算
- ローンアグリゲーションExcelシートの使い方
- 返済額の推移を分析
- 将来時点での解散価値を分析
5-13 補足説明資料
- 財務資料を解説する補足資料
- 補足説明資料の形式
- 財務説明はプレゼンの場
6 「Excel データ分析」編
6-1 財務データ作成の5原則
- 1.データインテグリティ
- 2.集計値のブレイクダウンを確認できる
- 3.データベースの発想で作る
- 4.Once-Only
- 5.時系列で記録する
6-2 データリストの作り方
- データの作り方
- データリストの設計
- データ入力の作法
- レイアウト
6-3 ピボットテーブルによる集計
- ピボットテーブルの活用
- ピボットテーブルの要点
6-4 関数によるデータ集計
- ピボット関数
- 集計表のレイアウト設計
- 関数で集計表を作る
- Excel関数を使いこなす
6-5 論理的な整合性の確認
- ベリファイして確認
- 閲覧者の環境に合わせる
この本に関連する書籍
-
Excelでできる 不動産投資「収益計算」のすべて
不動産投資は,これまでに数多くの人が取り組んできた成熟した投資手法です。落とし穴となるリスクや,利益を最大化するパラメータはすでに洗い出されており,それは数...