売却益と節税を最大化 収益不動産「売却」バイブル

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著者
萱谷有香かやたにゆか 著
定価
2,420円(本体2,200円+税10%)
発売日
2024.6.22
判型
A5
頁数
240ページ
ISBN
978-4-297-14226-1 978-4-297-14227-8

概要

不動産価格の高騰が続いています。収益不動産をお持ちの方なら誰しも「今が売り時か」と頭に浮かんだことがあるはずです。収益不動産の最終的な損益は売却に大きく左右されるため、売却は最重要事項です。

とはいえ不動産の売却は未経験、あるいは購入に比べると知識不足……という方も少なくないでしょう。「この千載一遇のチャンスをしっかり活かして利益を膨らませたい」「売却は一度きりだから絶対に失敗したくない」――本書はそんな不動産投資家の方のための書籍です。

著者は、不動産専門税理士&不動産投資家として売却を何度もこなし、知識と経験を蓄積してきた萱谷有香氏。

売却と税務の基本、売却判断のための指標、節税対策、スキーム活用と、基礎の整理から先端税務手法まで、売却益と節税額を最大化したい方の期待にお応えします。巻末には、売却を終えてから後悔しないための「売却前の要チェック項目リスト」付き。

こんな方にオススメ

  • 不動産投資家
  • 売買仲介をする不動産会社にお勤めの方
  • 不動産価格高騰の機会を活かしたい方

目次

導入編

第1章 売却の税務の基本

  • 1-1 個人のマイホームを売却したときの売却損益
    • 意外に知らない譲渡損益の計算方法
    • 手を動かして計算してみる
    • 譲渡所得にかかってくる税率
  • 1-2 個人で収益不動産を売却したときの売却損益
    • 個人の収益不動産も譲渡所得になる
    • 個人の収益不動産の譲渡所得を計算する
    • 取得費の有利判定の考え方
    • 譲渡所得にかかる税金を計算する
  • 1-3 法人で収益不動産を売却したときの売却損益
    • 法人と個人の大きな違い
    • 収益不動産の売却による所得を計算する
    • 売却による所得にかかる税金を計算する
  • 1-4 売却損益とCFの関係
    • 売却益とCFはイコールではない
    • 個人がマイホームを売却した場合のCF
    • 個人・法人が収益不動産を売却した場合のCF
  • Column 中古木造アパートは2000年以降のものを購入しよう

基礎編

第2章 売却判断の基本

  • 2-1 今すぐ売却した場合のCFで判断する
    • 売却のタイミングを判断する指標
    • 何年分のCFを前倒しで得られるか
    • 築年数と売却利回りの相関図
  • 2-2 次の買主の立場から売却時期を考える
    • 次の買主の立場とは
    • 買主にとっての融資の借入期間
    • 借入期間の長短により変わるCF
    • 買い手の購入後のCFと、売り手の売却時期
  • 2-3 大規模修繕を計算に入れて判断する(新築木造)
    • 修繕せずに売却するか、修繕して所有し続けるか
    • 大規模修繕の時期と費用
    • 指標を組み合わせた売却時期の判断
  • 2-4 大規模修繕を計算に入れて判断する(新築RC)
    • 指標を組み合わせた売却時期の判断
  • 2-5 物件の売却価額帯と売却利回りの関係性
    • 価額帯が高いほど売却利回りが低くなる理由
    • 価額帯、利回りに築年数を加味する
  • Column 借り換えシミュレーション

実践編

第3章 高く売却するテクニック、売却CFを増やすテクニック

  • 3-1 売却による消費税を軽くする
    • 売買契約書の記載で変わる消費税
    • 売主と買主の真逆の立場
    • 売主の対処方法と有利選択
  • 3-2 売却による譲渡費用を軽くする
    • 知っていれば簡単に削減できる譲渡費用
    • 知っていれば簡単に確認でき、過払いを防げる譲渡費用
  • 3-3 火災保険の引き継ぎでCFを増やす
    • 収益不動産購入時の火災保険の引き継ぎ
    • 火災保険の引き継ぎを価格交渉の材料にする
  • 3-4 個人が使える特別控除で所得税を軽くする
    • 特別控除を使う場合の計算方法
    • ① マイホーム(居住用財産)を売った場合の特例
    • ② 被相続人の居住用財産(空き家)を売った場合の特例
    • ③ 2009年、2010年に取得した土地を譲渡した場合の特例
    • ④ 低未利用土地等を売った場合の特例
  • 3-5 オペレーティングリースで売却益を圧縮する
    • オペレーティングリースの仕組み
    • オペレーティングリースの収益構造
    • 最新のオペレーティングリース
    • メリット・デメリット、活用方法をおさえる
  • 3-6 売却益を圧縮するテクニック
    • 物件売却時に決算期を変更する
    • 物件売却時に経営セーフティ共済を導入する
    • 物件売却時に退職金を活用する
  • Column 不動産投資をするなら株式会社? 合同会社?

上級編

第4章 売却視点からの消費税

  • 4-1 消費税の基礎知識と仕組み
    • 消費税に関する事業者の区分
    • 3種類の事業者
  • 4-2 個人・法人での課税事業者、免税事業者の判定
    • 消費税を預かる売上、預からない売上
    • 個人の基準期間、法人の基準期間
    • 簡易課税を選択できるかどうかの判定
    • 売却するなら消費税を十分意識しなければいけない
  • 4-3 高額特定資産を知らないままでは足をすくわれる
    • 高額特定資産と3年縛り
    • 2つの例外と法人のための特殊例
    • 収益不動産の売却と高額特定資産の購入の注意点
  • 4-4 売却視点からのインボイス制度
    • インボイス制度の基礎知識
    • 収益不動産の売却とインボイス
    • 免税事業者・居住用
    • 課税事業者・居住用
    • 課税事業者・事務所/店舗
    • 免税事業者・事務所/店舗
    • 税抜1,000万円以上の居住用賃貸建物の消費税は差し引けない
  • Column 売買契約書なしで取得費を求める方法

応用編

第5章 M&Aで不動産所有法人ごと売却する

  • 5-1 不動産所有法人を売買する意味とは?
    • M&Aで法人が持つ物件のオーナーに
    • 買主・売主の税務メリット
  • 5-2 M&Aの進め方と法人の株価算定方法
    • M&Aを滞りなく進めるステップ
    • 法人の株価算定方法
    • M&A実行に向けて最終精算を行う
  • 5-3 CFの差はどれほどか?
    • 会社清算方式でのCF
    • 不動産所有法人のM&A方式でのCF
  • Column 人口減少の進み方と不動産投資家ができること
  • 売却前の要チェック項目リスト

プロフィール

萱谷有香かやたにゆか

叶税理士法人 副代表。不動産投資専門の税理士。

不動産投資に特化した税理士事務所で働きながら収益不動産について税務と投資の面で多くの知識を得られたことを活かし、自らも不動産投資を手がける。

不動産投資の中で購入と同じくらい重要な「売却」について徹底的に掘り下げて考えている。適切な売却時期を見極めることにより、売却時に1円でも多くお金が残るよう、投資家・税理士の立場からアドバイス・コンサルティングを行う。大手管理会社、ハウスメーカーや賃貸フェアなどでの講演実績があり、記事執筆も行う。

不動産投資の規模を拡大していくために、なくてはならない金融機関からの融資についても積極的に紹介やアドバイスを行う。金融機関から融資を引きやすい、または金利交渉をしやすい決算書の作成を得意とする。

物件購入前、物件保有中、物件売却時、相続時、どの時点で相談を受けても必ず投資家にプラスになるアドバイスを心がけている。

著書に『不動産投資の税金を最適化 「減価償却」節税バイブル』(技術評論社)。