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令和7年度大学入学共通テストより,新たに出題科目「情報Ⅰ」が追加されました。受験生の皆さんにとってはかなりの負担になっているかもしれません。
「情報Ⅰ」の出題範囲の中でも,特に「共通テスト用プログラム表記」(以下,「プログラム表記」という)が苦手ですという声をよく聞きます。
その理由の一つに,各教科書では「プログラム表記」の記述がなく,プログラム実習の授業においても使用されるプログラム言語がPythonやJavaScript,VBA,またスクラッチなどと様々な形式で実施されていることが挙げられます。授業で使用するプログラム言語による有利不利はないと考えますが,これらのプログラム言語と「プログラム表記」では表記(文法)が異なるところもあり,別途共通テスト対策が必要であると考えます。
一方で,「問題をよく読めば解ける」という声も聞きます。確かに問題を読み解く国語力が必要であることは確かですが,プログラミングの経験が少ない受験生の皆さんにとっては難しく感じているのではないでしょうか。
そこで本書は,主に次のような受験生を想定して執筆しました。
- 「プログラム表記」の見方がわからない,または解けない。
- プログラミングの経験が少ない。
- 他教科の勉強に追われ,「情報Ⅰ」にはそれほど時間をかけられない。
このような受験生の皆さんが短期間で理解するには,どのような構成にすればよいのか非常に悩みました。「この問題はこのようになっているよ」と解説するだけで,果たして別の問題が解けるようになるのだろうかと…。
プログラミングにはよく使う鉄則(パターン)があります。鉄則はプログラミングを経験していく過程で自然と身につくものですが,本書では鉄則をあえて段階的に明示し,できる限りイメージしやすいように読み物風にしています。さらには,プログラミング経験の少ない受験生の皆さんが「プログラム表記」のフローを追跡できるように,目の動き・頭の中での展開の順序などに重点を置いています。
「情報Ⅰ」を単なる受験科目に終わらせることなく,これを契機に今後も引き続き研鑽され,これからの情報社会でご活躍されるスタートになることを願っています。