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決算書とりわけ財務3表は経営の成果を表す「経営の通信簿」ですが,経営者の考え方や経営手腕を表した「経営を映す鏡」でもあります。
もちろん企業のすべてを詳細に表すことは不可能ですが,企業の実態が反映されており,経営の改善,改革すべき内容のエキスが決算書の財務3表に表れています。決算書は経営戦略における企業の現状を把握するうえでの貴重な資料です。だからこそ決算書を読めない経営者は失格の烙印を押されても仕方ないのです。
決算書とりわけ財務3表の数値は経営戦略を策定するうえで,現状分析の欠かせない資料となり,これに基づいてビジョン,目標に向かって戦略計画を立てる貴重な材料となります。
経営戦略の基本は,「自社の得意な技術等をいかに外部経営環境に応じて活かして使っていくか」にあるので,自社の強み,弱みを把握することが大事です。この考えをSWOT分析といいます。SWOTは「Strength(強み)」,「Weakness(弱み)」,「Opportunity(機会),「Threat(脅威)」のそれぞれ頭文字をとったものです。「強み」と「弱み」は会社内部の資源に伴うものであり,「機会」と「脅威」は外部環境に依存します。
財務分析によって自社の「強み」と「弱み」を定量的に発見して,「機会」と「強み」を活かした積極攻勢策,「機会」と「弱み」を組み合わせた改善・改革策,「脅威」と「強み」を組み合わせた差別化策,あるいは「脅威」と「弱み」を組み合わせた防衛・撤退策に分類して企業に適した対策を講じることが大切です。