図解即戦力
図解即戦力
外食産業のしくみとビジネスがこれ1冊でしっかりわかる教科書
- 齋藤訓之 著
- 定価
- 1,980円(本体1,800円+税10%)
- 発売日
- 2025.12.18
- 判型
- A5
- 頁数
- 224ページ
- ISBN
- 978-4-297-15291-8 978-4-297-15292-5
サポート情報
概要
食事という行為に必要なものを多彩に総合的に提供し、対価を得るフードサービス。令和5年度の外食産業の市場規模はおおよそ24兆円(日本フードサービス協会)で、料理品小売業を加えると32兆円程度となります。インバウンド需要の増加を主な背景に、市場はコロナ禍以前までに回復しつつあります。飲食店経営へ新規参入する企業は多い一方、退場する企業も多いことが特徴です。また、コロナ禍で外食DXは進みましたが、物価高による原材料の高騰、人材不足による人件費高騰、衛生の向上や風評被害への対策などのコスト増加や少子高齢社会への対策など、課題の多い業界です。本書は資本の大きなチェーンストアのビジネスモデルだけでなく、商品開発や店舗経営についても解説しています。転職希望者や就活生はもちろん、新たなビジネスチャンスを探している人にも、気になる業界のしくみと最新動向がわかる内容となっています。
こんな方にオススメ
- 大手外食チェーンに就職、転職を希望する人
- 複数店舗の経営を視野に入れている飲食業起業家
- 外食チェーンのフランチャイジーを目指す人
- 食品製造や流通、飲食店経営コンサルなど周辺業界の人
目次
Chapter 1 外食産業の最新動向
- 01 外食産業とは何か——この本が扱うビジネスの概観
- 02 世界の外食巨大企業
- 03 外食業のM&A
- 04 新規参入も多いが撤退も多い外食産業
- 05 話題になりながら失速する飲食店
- 06 百貨店のもう一つの顔「デパ地下」を担う外食業
- 07 外食産業は食品小売業と競合関係にある
- 08 飲食店のデリバリーを請け負うMRDS
- 09 キャッシュレスと顔認証で進む外食のDX
- 10 新型コロナの影響と外食産業のこれから
- 業界マップ:ファミリーレストラン
Chapter 2 日本の外食市場の移り変わり
- 01 江戸時代に発達した日本の外食文化
- 02 戦後における外食文化の復興
- 03 外食業の経営近代化の波のなか そば店も様変わり
- 04 国民所得倍増計画発表から外食産業研究がスタート
- 05 昭和のすし再発明
- 06 1970年=外食元年と呼ばれた年
- 07 中食市場の拡大とコンビニ多店化の衝撃
- 08 ファミレスブームの行き詰まりとガストの登場
- 09 1980年代の居酒屋ブーム/1990年代の居酒屋市場の二極化
- 10 回転ずし人気とファミレス凋落
- 業界マップ:カフェ チェーン
Chapter 3 押さえておきたい外食産業の基礎知識
- 01 外食産業の市場規模を知る
- 02 外食産業の種類を知る
- 03 利用動機ごとに業態を分類する
- 04 気軽に利用できる外食「アフォーダブルプライス」
- 05 月に数回、足を運ぶ店「ロワ―・ポピュラープライス」
- 06 お店の個性を発揮しやすい「ミドル・ポピュラープライス」
- 07 年に数回、計画をたてて楽しむ外食「アッパー・ポピュラープライス」
- 08 記念日に楽しむ外食「ベタープライス」
- 09 人生の大きなイベントで利用する「ベストプライス、プレスティッジ」
- 10 チェーンストアの基本的な仕組み
- 11 ポピュラープライス戦略の小商圏ビジネス
- 12 コントラクト・フードサービスとオペレーターズ
- 業界マップ:麺類 チェーン
Chapter 4 外食企業の各部門の役割と仕事
- 01 外食企業の組織
- 02 店長が担う2つの業務
- 03 多様化する店長、スーパーバイザー業務
- 04 出店企画
- 05 設計建築と不動産管理
- 06 商品を企画し原料調達を行うマーチャンダイザー
- 07 商品の評価と改善もマーチャンダイザーの業務
- 08 広告・プロモーションの基本
- 09 広報とブランディング
- 10 食の資格と仕事
- 業界マップ:肉系 チェーン
Chapter 5 店舗経営の基礎知識
- 01 フードサービスの立地戦略
- 02 基本設計と運営の工夫
- 03 提供方法と会計方法の組み合わせ
- 04 人と物の動線デザインで生産性を上げる
- 05 厨房と客席の組織と役割
- 06 セントラルキッチンの意義
- 07 店舗外観と看板類
- 08 テイクアウト専業店、デリバリー対応、ゴーストレストラン、屋台、キッチンカ― など
- 09 店舗の初期投資額を抑える方法
- 10 飲食店を開業するための許認可について
- 業界マップ:すし チェーン
Chapter 6 商品開発と衛生管理の基礎知識
- 01 来店動機を高める商品。魅力ある商品は家にないもの
- 02 事業に関する2つのモード/延期と投機
- 03 マーチャンダイジングと5right
- 04 TT管理の基本
- 05 F/Lコストから考える商品作り
- 06 無理のないアイテム拡大は量り売りとトッピングで
- 07 商品価値の考え方
- 08 食材によって異なるフードコストの捉え方
- 09 食材の温度管理
- 10 食品の安全・衛生管理の基本
- 11 業務改善につながる管理法HACCP
- 12 安全な仕入れと規格
- 業界マップ:ファストフード
Chapter 7 外食産業を支えるバイプレイヤー
- 01 設計・建築・インテリア・看板
- 02 機械メーカー
- 03 食器・調理器具メーカー
- 04 食品問屋と専門卸・商社
- 05 食品メーカー
- 06 クレンリネスとペストコントロール
- 07 ユニフォームとクリーニング
- 08 求人広告・人材紹介・派遣
- 09 広告宣伝・販促
- 10 売上金管理と決済
- 業界マップ:居酒屋 チェーン
Chapter 8 外食産業の将来—展望と課題
- 01 人口減少が突きつける外食の危機
- 02 少子高齢化と少人数世帯増加がもたらす外食需要の変化
- 03 三重苦と社会的要請が重なるコストの時代
- 04 省力化の進展と非正規スタッフへの依存
- 05 DXと自働化が変える外食の風景/小売業との競合が強まる
- 06 来店予測の高度化とICT依存のリスク
- 07 インバウンド需要獲得の功罪
- 08 外国人スタッフをどう活かすか
- 09 海外進出の夢と現実
- 10 働く環境をどう改善するか
- 11 高度化する内食・中食にどう立ち向かうか
- 12 人のいる場での食事の効用
- 13 人が主役である価値
- 業界マップ:コントラクト・フードサービス
プロフィール
齋藤訓之
株式会社香雪社代表取締役
1988年中央大学卒業。柴田書店「喫茶店経営」「月刊食堂」編集者、日経BP社「日経レストラン」記者、「ブランド・ジャパン」プロジェクト責任者、農業技術通信社取締役「農業経営者」副編集長兼出版部長等を経て独立。2010年10月株式会社香雪社を設立。公益財団法人流通経済研究所特任研究員。戸板女子短期大学食物栄養科非常勤講師。亜細亜大学経営学部ホスピタリティ・マネジメント学科非常勤講師。日本フードサービス学会、日本マーケティング学会会員。著書に『有機野菜はウソをつく』(SBクリエイティブ)、『食品業界のしくみ』『外食業界のしくみ』(ともにナツメ社)、『農業成功マニュアル―「農家になる!」夢を現実に』(翔泳社)、共著・監修に「創発する営業」(上原征彦編著ほか、丸善出版)、『創発するマーケティング』(井関利明・上原征彦著ほか、日経BPコンサルティング)、『農業をはじめたい人の本 ―作物別にはじめ方が全部わかる就農完全ガイド』(監修、成美堂出版)など。