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ゲームプログラマのためのリーディング(読書)技術

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プログラマであれば,多かれ少なかれ技術書を読む機会があると思います。技術書を読む方法にもコツがあります。本稿では,技術書を読みなれていない学生や新入社員を対象に「技術書を読む技術」を紹介します。

技術書を読む目的を考える

その技術書から何を得たいのか目的を明確にしてから読むようにします。技術書は,最初のページから1ページずつ丁寧に読むものではありません。わからない部分に時間をかけ過ぎずに,読み進めるのも読み方のコツになります。必要な知識が得られれば全文を読む必要はありません。

はじめに下読みする

精読する前に本全体の下読みを必ずしてください。流し読みでよいので最初から最後まで一気に目を通します。早めに本の全体像を把握することが重要です。役に立ちそうな部分や理解できそうな部分から優先的に読むようにすると,効率よく必要な知識を身に付けることができます。

技術書を小説のように読んではいけません。前半だけ読んで,後半はまったく読んでいないとなると,非常にもったいないです。下読みが上手になると,書店で本を選ぶときにも失敗がなくなります。

著者の視点で精読する

精読する段階では,著者の視点を意識するようにします。著者が何を伝えたいのか考えるのが重要です。プログラミングの本であれば,サンプルコードを先に読んだ方が,説明を読むよりも早く理解できることがあります。早めに文章から結論を見つけ出して読み進められるようになると,読む速度を上げることができます。

複数冊同時に読む

同一テーマの本を複数冊同時に読むのも効果的です。上級者向けの難しい本にいきなり挑戦するのは無謀です。入門書を読んで早めに要点を押さえて置いたほうが結果的に時間の短縮になります。

著者によっては,簡単なことを難しく解説している場合もあります。正しい理解をするためにも複数冊同時に読み進めることをお勧めします。

時間を置いて繰り返し読む

理解が難しい部分は,少し時間を置いてから繰り返し読むようにします。技術書は長時間かけて精読するよりも,短時間で繰り返し読んだほうが理解できるようになります。難易度が高すぎる場合には,入門書を読んでから再挑戦しましょう。

名著と呼ばれる本は,読むたびに新しい発見があります。数年前に読んだ本を読み直すと,自分の成長を感じられます。理解したいと思い続ければ,必ず理解できるようになります。あきらめずに繰り返し読み続けましょう。難しい本を乗り越えてこそ成長があります。

良い技術書は人生を変える

時代遅れの非常識な習慣にとらわれることがないように,多くの技術書を読むようにしてください。自分の周りの環境だけがすべてではありません。⁠井の中の蛙」にならないように注意してください。普段使うことがないプログラミング言語の本を読んで視野を広げましょう。古典的名著は時代を超えて大切なことを教えてくれます。

技術書を読んで新たな知識を身に付ければ,自分を変えることができます。自分を変えれば人生も変わります。

ちなみに筆者の人生を変えた技術書は,Steve McConnell氏の『CODE COMPLETE』です。プログラマであれば,必ずは読んでおいて欲しい名著です。良い技術書は人生を豊かにする機会を与えてくれます。