この記事を読むのに必要な時間:およそ 1 分
普段,インターネットでいろいろなサービスを利用しているときに,パスワードの設定を求められることは多いと思います。自分で設定したパスワードを忘れてしまっては元も子もないと思い,単純なパスワードを設定してしまうことも多いでしょう。しかし,単純なパスワードは,かんたんに攻撃されてしまい,最悪の場合は,パソコンやアカウントを乗っ取られてしまうこともあります。
総当たり攻撃とは?
パソコンやアカウントを乗っ取るための攻撃として,いちばん単純な攻撃は,すべてのパスワードを入力してみる総当たりの攻撃です。ブルートフォース攻撃や辞書攻撃と呼ばれています。設定されているパスワードを予測してリストを作成し,1つずつ試していきます。たとえば,パスワードが3桁の数値だった場合は,0から9の組み合わせなので,10×10×10で,たった1,000通りしかありません。現代のコンピュータなら,それこそ一瞬で試してみることができます。
人気のパスワードとは?
また,単純なパスワードやよく使われているパスワードも試されることが多いので危険です。ソリトンシステムの調査によると,日本人がよく使っているパスワードのランキングは,以下のようになっています。
よく使われているパスワード
順位 | パスワード |
1位 | 123456 |
2位 | password |
3位 | asdfghjk |
4位 | 12345678 |
5位 | 123456789 |
6位 | asdasd456 |
7位 | 111111 |
8位 | 1qaz2wsx |
9位 | 19980621 |
10位 | 123123 |
※出典:ソリトンシステムズ「日本人のパスワードランキング2020」
これらのパスワードを使っている人がいたら,とっても危険です。すぐに変更するようにしましょう。
長い文字が設定できるパスコード
短いパスワードが攻撃されてしまうリスクが高いのなら,長くしてしまえということで登場したのがパスフレーズです。フレーズ(Phrase)」とある通り,複数の単語を組み合わせたフレーズを利用することができます。通常のパスワードが8文字くらいの長さなのに対して,パスフレーズは,数十文字程度の文字で設定できます。ただし,「Iloveyouverymuch」のように簡単に推測できるフレーズは,やはり避けるべきでしょう。一般的には,長くなれば長くなるほど,安全性が高まることが知られているので,「zukaisokusenryokuangoutoninshyounosikumitorirongasikkariwakarukyo
ukasyo」みたいにしておくと安全性が高まります。一説によると,これくらいの長さだと,現在のコンピューターの性能だと,解読するのに何百年もかかるそうです。
2段階認証とは
さらに安全性を高めるなら,パスワードやパスフレーズとは,別の仕組みを利用することです。最近では,2段階認証というのがよく利用されています。Webサービスなどで,パスワードやパスコードを利用してログインすると,自動的にスマートフォンなどにコードが送信され,そのコードを入力しなければログインできないようになっています。万が一,パスワードがパスコードが漏洩しても,2段階認証を利用していれば,最悪の事態を避けることができる可能性もあります。
図1 Googleの2段階認証プロセス