ECオープンプラットフォームとなったEC-CUBEを徹底活用!

第3回カスタマイズなしでここまでできる!プラグインの活用法

前回は、プラグインのダウンロード方法から使用方法まで基本的な部分をお伝えしました。今回はプラグインを使ってどのようなことができるか、現在ダウンロード可能なプラグインを紹介していきながら見ていきたいと思います。

ぜひ今後のECサイト制作の参考にしてください。

現在ダウンロード可能なプラグイン

2012年6月15日現在、EC-CUBEのオフィシャルサイトで配布されているプラグインは54個あります。

まだ最新版のEC-CUBEはリリースされたばかりなので、プラグインの数もこれから増えていくと思われますが、現段階でも目移りするほどさまざまな追加機能や、サービスと連携できるプラグインがリリースされており、今後が非常に楽しみです。

次項よりEC-CUBEのオフィシャルサイトに掲載されているプラグインのカテゴリごとにどのようなプラグインがあるか詳しく見ていきましょう。

オーナーズストアのカテゴリ順に見ていきます
オーナーズストアのカテゴリ順に見ていきます

カテゴリ1:決済

1つ目のカテゴリである「決済」では主に、決済モジュールが配信されています。

ちなみに、EC-CUBEでは機能追加の機構として、モジュールとプラグインという2つの機構が存在します。EC-CUBE2.12.0で新しくリリースされたのは、プラグインの機構の方で、開発や仕様がオープンで、よりライトであるのがモジュールの機構と異なる点です。

決済機能に関しては今後もモジュールという、どちらかというとクローズドな機構により提供がなされるようです。決済機能はセキュリティ面において高クオリティを保つ必要がありますのでユーザーとしては安心して使用できるのではないでしょうか。

その中、決済機能のプラグインとして現状は1つリリースされています。

  • ルミーズ定期購買プラグイン(ルミーズ決済モジュールに定期購買機能を追加)

決済モジュールへの機能追加を行うことができる補助ツールという形式のものがプラグインとして提供されています。

今回唯一提供されている定期購入機能の追加は、EC-CUBE本体ではもちろん実装されていない機能で、昨今非常に要望が高い機能の一つです。決済機能と直接繋がることにより、よりユーザーにとって使いやすいプラグインと言えます。

今後も、購入方法や、決済方法の多様化が進むにつれ、決済モジュールへの機能追加や機能補助という形でプラグインが多々リリースされることが予想されます。

カテゴリ2:集客/ソーシャル

集客サービスやSNS連携といった、主に集客に関するプラグインです。

SNSへの連携というのが昨今のEC業界でも非常に話題ですが、EC-CUBEのプラグインでも現在複数リリースされています。

  • 広告効果測定ツールアドエビスタグ埋め連携プラグイン(広告効果測定ツール『アドエビス』のタグ埋めを簡単に行うことができるプラグイン)
  • ソーシャルゲートウェイ連携プラグイン(Facebook上でECサイトの開設・決済が可能な「ソーシャルゲートウェイ」と連携)
  • ハロー!フェイスブックアシストプラグイン(FacebookページでEC-CUBEを表示)
  • 商品詳細画面Facebookコメント追加プラグイン(商品詳細画面にFacebookコメント欄を追加)
  • OPGタグ挿入プラグイン(FacebookのOPGタグを挿入)
  • Facebookアカウント自動入力プラグイン(Facebookアカウント情報を会員登録時に自動入力)
  • Twitterつぶやきプラグイン(複数のアクションをTwitterに自動投稿)
  • Pinボタン設置プラグイン(商品詳細ページにPinterestのPinボタンを設置)
  • conecoデータ入稿補助プラグイン(価格比較・商品検索サイト coneco.netへのデータ入稿自動化)

やはりというか、現在最も多いのが「Facebook」と連携するためのプラグインです。Facebookでショップサイトを開設ができるアラタナ社のソーシャルゲートウェイのサービスともプラグインで簡単に連携が可能です。

今後も各種SNS連携はもとより、集客サービスのプラグインはリリースされると思われますが、プラグインにより集客手段が増えていくということを考えると、今後EC-CUBEを使うメリットは非常に高いように思います。

アラタナ社のソーシャルゲートウェイも簡単連携
アラタナ社のソーシャルゲートウェイも簡単連携

カテゴリ3:顧客管理/販促/分析

販売促進、顧客管理、分析まで、主にサイト内で売り上げUPを行うために必要な機能に関するプラグインです。

メルマガ、レコメンド、分析ツールとの連携等、さまざまな角度での売上UPをプラグインを入れることにより容易に実現することができます。

販促、分析系サービスはサイト構築時の必須機能でない場合が多く、導入が先送りになるケース(もしくは導入しないケース)が多くありますが、プラグインとして容易に機能追加・サービス連携ができますので、今後EC-CUBEでサイト構築する際は是非積極的に取り入れて売上UPを目指したいところです。

  • PostCarrier for EC-CUBEメルマガ配信連携プラグイン(メルマガ配信サービス「PostCarrier」連携)
  • MCKitメルマガ配信連携プラグイン(HTMLメルマガ補助ツール)
  • レコメンドエンジンEC-Cooper連携プラグイン(Amazonのレコメンドエンジンと連携)
  • FractaRE レコメンドエンジンプラグイン(FractaRE レコメンドエンジンとの連携)
  • 売れ筋商品プラグイン(購入履歴上位4つの商品を表示)
  • IPアドレス記録プラグイン(クライアントのIPアドレスを記録)
  • 会員へのお知らせ欄対応プラグイン(Myページに会員へのお知らせ情報を表示⁠
  • のし対応プラグイン(贈答品販売用の「のし」を設定)
  • 販売期間設定プラグイン(商品の販売期間を設定)
  • まとめ買いプラグイン(まとめ買い割引機能)
  • Google Analytics非同期Eコマースタグ対応プラグイン(Google Analytics連携)
  • PAMELA optimized for EC-CUBEプラグイン(スマートフォンアプリ作成サービス「PAMELA」との連携)
  • Evernote対応プラグイン EverCube Clipper(Evernoteのクリップボタンを商品詳細画面に設置)
EC連携ではまだまだ珍しいEvernote。クリップすると後日の購入率がUPする?
EC連携ではまだまだ珍しいEvernote。クリップすると後日の購入率がUPする?

カテゴリ4:物流/在庫管理

モールとの複数店舗運営時の在庫連携や、受注後の商品発送時作業を便利にするためのバックヤード支援のプラグイン。

既にモールでの店舗運営している場合でも、将来的には独自ドメインサイトを持ちたいと思われている方は多いはず。そのような場合に役立つのが、在庫連携システムです。上手く活用すれば、販売網の拡大が低コストで実現するはずです。

また、各種物流会社のシステムとの連携システムはECのバックヤード機能としては昨今必須とも言える機能です。EC-CUBEでは今までカスタマイズしなければいけなかった物流連携も、今はプラグインで容易に付けることができます。

  • らくらく在庫連携プラグイン(在庫管理システム「らくらく在庫」とを連携)
  • ネクストエンジン連携プラグイン(受注・在庫管理システム「ネクストエンジン」との連携)
  • モール連動プラグインRobot-in(複数モールに出店しながら、受注・在庫・価格管理を一元化)
  • はぴロジASIMS連携プラグイン(ショップと倉庫の自動連携物流サービス「ASIMS」との連携)
  • 佐川急便e飛伝Ⅱ連携プラグイン(佐川急便e飛伝Ⅱ用CSVをダウンロード)
  • クロネコヤマト送り状発行ソフトB2対応プラグイン(クロネコヤマトB2用CSVをダウンロード)
ストラップヤネクスト社が提供するネクストエンジン連携プラグイン
ストラップヤネクスト社が提供するネクストエンジン連携プラグイン
佐川急便社が提供する佐川急便e飛伝Ⅱ連携プラグイン
佐川急便社が提供する佐川急便e飛伝Ⅱ連携プラグイン

ちなみに、EC-CUBEプラグインの特徴として、個人ではなく、サービス提供企業が提供しているプラグインが多いことがあげられます。

サポートも含め、ユーザーとしては安心して使用できるのはもちろん、EC-CUBEに対する企業からの注目度も非常に高いということが伺い知れます。

カテゴリ5:サイト構築補助ツール

主にショップサイト上への機能追加や変更を行うプラグインです。

多くは、EC関連サービスとの連携ではなく、今までサイト内でカスタマイズを行っていたような、機能の追加や変更全般のカテゴリです。

  • メンテナンス切り替え機能プラグイン(メンテナンスモードに切り替え)
  • メンテナンスモードプラグイン(メンテナンスモードに設定)
  • 規格ごとの価格表示プラグイン(規格ごとの価格を一覧表示)
  • 管理画面権限設定プラグイン(管理画面の閲覧/操作権限を細かく設定)
  • 管理画面表示制御プラグイン(管理者権限による閲覧制限設定)
  • テンプレートおきにめすままプラグイン(カテゴリー別・商品別に独自テンプレートを設定)
  • 売れている商品ブロック追加プラグイン(購入数ランキングブロックを追加)
  • 商品詳細ページでのマトリクス表示プラグイン(商品の規格をマトリクス表示)
  • 最近購入された商品ブロック追加プラグイン(サイト全体の購入履歴を表示するブロックを追加)
  • カテゴリ別MV枠追加プラグイン(カテゴリごとに異なる説明文を表示)
  • カテゴリコンテンツプラグイン(カテゴリごとの説明文を表示)
  • パンくずプラグイン(商品ページにパンクズを挿入)
  • ヘルプ機能プラグイン(FAQページを追加)
  • テンプレート編集履歴プラグイン(テンプレートの編集履歴を閲覧)
  • WordPress連携プラグイン(WordPressの投稿、固定ページのポスト内容を表示)

メンテナンス切り替え機能や管理画面の権限設定変更機能は要望が高く、すでにプラグインとしても2種類ずつ提供されています。地味ですが、あると嬉しい機能です。

また、WordPress連携プラグインというのもリリースされています。EC-CUBEもCMSアプリケーションですから他のCMSとの連携はNGではと思いましたが、CMS機能はWorPressで行いたいという要望が多いのも確かで、その要望に答えるためリリースされたものと思われます。まさにオープンプラットフォームを象徴するプラグインの1つではないでしょうか。

CMS機能としてWordpressを使われたいかたは必見!
CMS機能としてWordpressを使われたいかたは必見!

カテゴリ6:その他

その他カテゴリは、今までのカテゴリに収まらない、非常にユニークなプラグインがリリースされてます。

テスト補助やMicrosoftのAzure対応、EC-CUBE自体のサポートをするプラグインなんてのもあります。

  • クローズドサイトプラグイン(商品閲覧にログインが必要なクローズドサイトに一発設定)
  • ajaxzip3連携プラグイン(郵便番号検索API「ajaxzip3」と連携)
  • CIサーバープラグイン(カスタマイズしたEC-CUBEの自動リグレッションテストを行うテスト補助ツール連携)
  • Dynamic Pdfプラグイン(PDFによる電子書籍販売を可能に)
  • 商品ステータスCSS化プラグイン(ステータス画像をCSS3化)
  • TitleColorChanges タイトル画像CSS3化プラグイン(汎用タイトル画像をCSS3化)
  • Microsoft Windows Azure プラグイン(Microsoft Windows Azure上でEC-CUBEを動作させる)
  • 会員限定カテゴリプラグイン(会員限定のカテゴリを作成)
  • 動画変換配信MOTIONS連携プラグイン(動画投稿・配信機能を追加しビデオコマースサイトへ)
  • EC-CUBE.PRO サポートサービスプラグイン(管理画面からEC-CUBE関連のサポートサービスへ問い合わせ)

まとめ

いかがだったでしょうか。

今回は、さまざまなプラグインをこれでもかというぐらい紹介いたしました。よく使われる便利機能から、ロングテールな要望にも応える特殊な機能までさまざまなプラグインがありました。

EC-CUBEは非常に人気のあるOSSアプリケーションであり、プラットフォームですから今後も多種多様なプラグインがリリースされるものと思います。

つまり、EC-CUBEを使えば非常に低コストで拡充性や独自性の高いECサイトが構築できるということが言えます。

日本発のECプラットフォームとして、大いに発展してもらいたいものです。

次回予告

今回でプラグインの基本的な紹介は終わりです。

次回からは、こうしたプラグインを実際に作成するために必要な仕様や情報といった技術的な部分を紐解いていきたいと思います。

今回ご紹介したプラグインに欲しい機能がなく、是非自分で作ってみたいと思われた方、必見です。

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