いま,見ておきたいウェブサイト

第163回 サザンオールスターズ 特別ライブ 2020,ドミノ・ピザの選べる受け取り方法, Zoom

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散歩をすれば鈴虫の鳴き声が聞こえ,朝晩の肌寒さに布団に厚めの毛布を追加した今日このごろ,皆様いかがお過ごしでしょうか。今回も個人的に感じた,素晴らしいウェブサイトの特徴をいくつかお話したいと思います。

無観客でも,いつもと同じライブ

サザンオールスターズ 特別ライブ 2020「Keep Smilin’~皆さん,ありがとうございます!!~」

デビューから42周年の記念日にあたる2020年6月25日に開催された,サザンオールスターズの無観客配信ライブ「Keep Smilin⁠~皆さん,ありがとうございます!!~」のウェブサイトです。

図1 デビュー42周年の記念日に開催された,サザンオールスターズの無観客配信ライブ「Keep Smilin⁠~皆さん,ありがとうございます!!~」のウェブサイト

図1 デビュー42周年の記念日に開催された,サザンオールスターズの無観客配信ライブ「Keep Smilin’~皆さん,ありがとうございます!!~」のウェブサイト

新型コロナウイルス感染拡大の影響で通常のライブ開催が難しい中,2時間で22曲が演奏されたバンド史上初の無観客オンライン配信ライブは,400人を超えるスタッフと40台のカメラが使用され,有料視聴可能なライブとして8つのメディアで同時配信が行われました。

主催者側の発表によれば,3,600円のチケットを購入した人が約18万人,TVなどを通じて視聴した人は約50万人と推計されるということです。この無観客ライブの収益の一部は,新型コロナウイルス感染症の治療や研究開発のために募金されます。

横浜アリーナの最大収容人数は1万7,000人です。昨年,横浜アリーナで開催された「LIVE TOUR 2019」のチケット代は一人9,500円ですから,満員で約1億6,000万円の売上です。今回の無観客ライブは,チケット代が一人3,600円かつ18万人の購入ということで,総売上は約6億4,800万円となり,昨年と比較すると約4倍の収入となります。

コロナの制限から生まれる,新しいクリエイティブ

新型コロナウイルスの感染が拡大することで,様々な業界が影響を受けてきました。特に旅行業界や航空業界,そしてエンターテインメント業界は,人と人との接触が避けられないことから大きな影響が出ています。

近年,アーティストの主な収入源は,ライブ活動となっています。ライブのチケットや公演のグッズ販売などから得た収入で楽曲を制作し,新たな楽曲を基盤とした全国ツアーを開催するというサイクルが活動の基本となるだけに,コロナ禍によるライブ活動の停止は大きな痛手となりました。

それでも,⁠アーティストのみで活動が完結する⁠のであれば,まだ影響は少なくて済みました。しかし,アーティストの活動は多くのスタッフや関係者に支えられています。このためエンターテインメント業界では,アーティストの活動に携わる関係者全員が,コロナ禍以前の生活を継続できる方法を模索しています。

図2 多くのアーティストが初のオンライン無観客ライブを開催(左上から,B'z,Little Glee Monster,BUCK-TICK,back number,Official髭男dism,松田聖子)

図2 多くのアーティストが初のオンライン無観客ライブを開催(左上から,B'z,Little Glee Monster,BUCK-TICK,back number,Official髭男dism,松田聖子)

最も多い事例は,新型コロナウイルスの感染拡大前と同じように,会場を使ったライブを開催することです。会場内に観客を入れることは難しいため,無観客でライブを行って,その様子をオンラインで配信します。上記で紹介したサザンオールスターズの場合もですが,無観客のライブであってもパフォーマンスの規模は変えないアーティストが多いようです。

ステージを囲む360度の巨大ビジョンを使った演出を行った,長渕剛のオンライン無観客ライブ。ライブ中に画面の向こう側のファンとのやり取りもあった

コロナ禍であることを逆手に取って,大胆に誰もいない屋外を使って開催されたGLAYのフリーライブ

こうした状況下で,新たな取り組みも始まっています。オンライン配信が前提であるため,会場の映像を後加工して配信したり,視聴者の参加や複数視点からの映像が選べたりと,今までにない形式のライブパフォーマンスに挑戦するアーティストも登場しています。

経済への影響が非常に大きいため,今後も新型コロナウイルスの感染者数と経済回復のバランスを見極めながら,人々が集まるイベントが再開されます。各種イベントが以前と同じように再開されたとき,そこにはコロナ禍から考え出されたアイデアが加えられたイベントやエンターテインメントが登場してくるはずです。その中から,コロナウイルス後のスタンダードとなる,新たな事例が生まれるかもしれません。

著者プロフィール

Lançamento(ランサメント)

国内外のウェブサイトを日々紹介する Blog『Lançamento』を運営する,自称“フリーランスという名の無職”。目指すは“エクスペリエンスデザイナー”(O'REILLY『Web情報アーキテクチャ』11ページ参照)。2008年の“ジェフの奇跡的な残留”を目の前で見たサッカー好き。