いま,見ておきたいウェブサイト

第165回 Apple Fitness+,Playco,Ruffle

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激動とも言える2020年もいよいよ終わりということで,来年に向けた計画を立てている今日このごろ,皆様いかがお過ごしでしょうか。今回も個人的に感じた,素晴らしいウェブサイトの特徴をいくつかお話したいと思います。

デバイスの組み合わせが生み出す,新しい体験

Apple Fitness+ - Apple

Appleが開始したフィットネスのサブスクリプションサービス,⁠Apple Fitness+」のウェブサイトです。

図1 ⁠Apple Watch」の使用を前提としたAppleの新しいフィットネスサービス「Apple Fitness+」

図1 「Apple Watch」の使用を前提としたAppleの新しいフィットネスサービス「Apple Fitness+」

「Apple Fitness+」は,ユーザーが身に着けた「Apple Watch」から得られる測定値を利用するフィットネスサービスです。心拍数や消費カロリーなどの数値は,ワークアウトを行っている画面にリアルタイムで表示されます。測定値はワークアウトの進行に合わせて,表示の大きさが変化したり,アニメーションによる演出が加えられます。

「Apple Fitness+」のサービス内容を説明した動画

ワークアウトは有名なアーティストの曲と共に提供され,内容もヨガやストレッチ,高強度インターバルトレーニングや筋力トレーニングなど,ユーザーのレベルに合わせた多くのレッスンが用意されています。

「Apple Fitness+」の利用料金は,月額9.99USドル(約1,000円⁠⁠,または年額79.99USドル(約8,300円)で,⁠Apple Watch」を購入したユーザーには3カ月間無料(期間限定)で提供されます。現在,オーストラリア,カナダ,アイルランド,ニュージーランド,イギリス,アメリカで利用できます(日本でのサービス開始時期は未定⁠⁠。

サービスの質が問われ始めた,拡大するフィットネス業界

コロナウイルスの感染拡大によって,非接触型のオンラインサービスが注目されています。中でも,すでに多くのサービスが存在しているフィットネス業界は,非常に競争の激しい業界です。

今年の企業決算では,NikeやIululemon athleticaなど,フィットネス業界の周辺企業もその恩恵を受けていますが,ユーザーを⁠強烈に引きつけるような特徴⁠がなければ,持続的な利益を得るのは非常に難しい業界でもあります。そうした業界で,現在大きく利益を伸ばしているのが,Pelotonです。

図2 自宅でジムと同様のレッスンが受けられるフィットネスサービス,Pelotonのウェブサイト

図2 自宅でジムと同様のレッスンが受けられるフィットネスサービス,Pelotonのウェブサイト

2012年に創業したPelotonは,フィットネスジムにいるのと同じ設備と環境を提供することで,顧客を増やしているフィットネスサービスです。ユーザーはPelotonが開発した2,000USドル(約21万円)以上する高額なエクササイズ・バイクやトレッドミルを購入して,有料のアプリからインストラクターのレッスンに参加します。

通常,フィットネスサービスでは離脱者も多いものです。Pelotonは動画配信やイベントを行い,顧客同士の交流やコミュニティに重点を置くことで,フィットネスでの孤独感を軽減しています。直近の四半期決算でも毎月の平均解約率は0.65%と,顧客にとって満足度の高いサービスであることが伺えます。

Pelotonの「Peloton Bike+」を使ったワークアウトを紹介する動画

今回紹介した「Apple Fitness+」も,自社製品を利用しなければ体験できない⁠独自のサービス⁠として提供されており,ワークアウトの内容を見ても,Pelotonのビジネスモデルの良い部分をかなり取り込んでいる感じがします。

今月にはウェアラブル企業FitbitのGoogle買収がEUの欧州委員会で承認されるなど,いよいよ大企業が本格的に参入する流れとなっています。フィットネス業界の売上は年々拡大しており,今後も新しいサービスが次々と登場するでしょう。規模だけではなく,サービスの質が問われ始めることで,いよいよ戦国時代となりそうな業界の動きにも要注目です。

著者プロフィール

Lançamento(ランサメント)

国内外のウェブサイトを日々紹介する Blog『Lançamento』を運営する,自称“フリーランスという名の無職”。目指すは“エクスペリエンスデザイナー”(O'REILLY『Web情報アーキテクチャ』11ページ参照)。2008年の“ジェフの奇跡的な残留”を目の前で見たサッカー好き。