米国では昨年10月のWindows 8の登場とともに、専用タブレットのSurface Pro/Surface RTが発表され注目を集めました。その後、日本での登場も待たれていた端末が、10日ほど前の3月25日、Windows RT日本語版として発売されました。
今回は、Surface RTの機能を紹介しながら、これから考えられるユーザ体験と開発者の心構えについてお話します。
Surface RTの基本機能
詳細は以下の公式サイトで紹介されていますが、その中で、知っておきたい基本機能を紹介します。
Windows 8と同等のWindows RTを搭載
Surface RTに搭載されているOSはWindows RTです。これは、Windows 8のARM向けのOSで、ほぼWindows 8と同等の機能となっています。オフィススィートの最新版「Office 2013 RT」が搭載されているのが特徴の1つです。
タッチパネルを利用したModern UIをはじめ、Windows ストアアプリでさまざまな用途で利用可能です。
工夫された筐体とキーボード
Surface RTは、筐体とキーボードにも特徴があります。10.6インチClearType HDディスプレイで筐体の薄さは9ミリ。そして、キックスタンドと呼ばれるパーツが用意されており、ハンズフリーやテーブルに置いたうえでの操作ができます。
また、入力装置として2種類のキーボードがあります。感圧式キーボードの「タッチカバー」と、打鍵感のあるタイピングが可能なキーボードを備えた「タイプカバー」です。
他にもさまざまな特徴を備えたSurface RTは、Microsoft初のPC型デバイスとして期待され登場しました。
ノートPCの代替機となるか?
さて、ここ日本での状況を見ると、タブレットについては先行して発売されているAppleのiPad/iPad miniや、各メーカが提供するAndroidタブレットのユーザが増えており、Surface RTの入る余地があるのかどうか、市場として注目を集めています。
Windowsの機能+タッチUIの融合
こうした中、MicrosoftはノートPCのセカンドマシンの位置付けとして、とくにビジネスユースとしての展開を狙っていると思われます。その理由の1つは、先ほども紹介したOffice 2013 RTを標準搭載している点です。
これにより、従来のタブレットでは「メール+Webブラウジングぐらいまでかな」と思っていたユーザ層に向けて、大きなアドバンテージを提供できます。また、後述しますが、そもそもタッチUIを意識したアプリケーションであるため、デバイスとの親和性が高くなっているのです。
Surface RTの展望
開発者の狙いどころはWindows ストアアプリ
ビジネスユース、Windowsマシンとの互換といった強みを持つSurface RTにとって、今一番足りていないのは、その他のアプリケーションです。iOSやAndroidに比べて、後発ということもあり、アプリ開発者数は少なく、結果として、アプリ数もまだまだこれからと言えます。
言い換えれば、新しいアプリを投入するチャンスが広がっており、アプリ開発者にとっては狙いどころとも言えます。過去4回で、Windows 8のUXについて紹介してきましたが、そうしたポイントを押さえながら、タッチUI/タブレットならではのアプリを開発することで、たくさんのユーザを獲得できるアプリケーションを開発できるのではないでしょうか。
次回最終回では、Windows 8登場後の半年を振り返りながら、これからのWindows 8およびWindows ストアアプリの開発およびデザインのポイントをまとめてみたいと思います。
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