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UXからWebの世界を広げるLIFFの可能性

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インタビュイー

LINE株式会社 京都開発室 UIT1チーム 岡本拓也(左)
LINE株式会社 フロントエンド開発センター UIT1室 Front-end Dev7チーム 佐藤信吾(右)

LINE株式会社 京都開発室 UIT1チーム 岡本拓也(左)/LINE株式会社 フロントエンド開発センター UIT1室 Front-end Dev7チーム 佐藤信吾(右)

LINEはWebアプリのプラットフォームとして,⁠LIFF」⁠LINE Front-end Framework)を提供しています。このLIFFはLINE社内での開発に利用されているほか,外部の開発者にもSDKが提供されており,これを利用することで自身で開発したアプリからLINEプラットフォームの機能にアクセスすることが可能になります。このLIFFの概要や開発者にもたらすベネフィットなどについて,フロントエンド開発組織においてLIFF開発に携わる岡本氏と佐藤氏にお話を伺いました。

LINEミニアプリの基盤としても使われるLIFF

――LINEが提供している「LIFF」とはどういったものでしょうか。

岡本:LIFFは「LINE Front-end Framework」の略で,LINE上で動作するWebアプリケーションを開発するためのプラットフォームです。Webアプリケーションを対象としているため,HTMLやCSS,JavaScriptといったWebのスタンダードな技術で開発することが可能になっています。またLINEプラットフォーム上の情報,あるいはLINEアプリと連携した機能をJS SDKを通じて扱うことが可能になっています。

LIFFを使用したシステム例

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引用:https://lineapiusecase.com/ja/usecase/reservation.html

LIFFを使用したシステム例

LIFFを使用したシステム例

引用:https://lineapiusecase.com/ja/usecase/reservation.html

LIFF SDKページ
https://developers.line.biz/ja/docs/liff/

LINE社内における開発では,すでにLINE上で動作するほぼすべてのWebアプリケーションがLIFFを利用しています。また,LINEのプラットフォーム上でアプリを提供できる,LINEミニアプリの基盤としても使われています。

さらにLIFFアプリはLINEに依存しない形で開発することが可能です。LINE上で動くWebアプリケーションを開発するためのSDKではありますが,ターゲットはLINEプラットフォームだけではなく,Google ChromeやSafariなど,一般のWebブラウザでも動作します。PCとスマートフォンのいずれであっても,同様の体験を提供できることを目指しています。

ユーザが必要な機能を最短距離で提供するために

――LINEでは,LIFFの提供を通じてどのような課題を解決したいと考えているのでしょうか。

岡本:LINEにはどのような生活にも寄り添うことを目指す,⁠Life on LINE」というビジョンがあります。当然,LIFFも同じビジョンを共有していて,サービス開発者がそのユーザに対して必要な機能を最短距離で提供できるようにサポートしていきたいと考えています。

その代表的な例がLINEミニアプリです。アプリをダウンロードしたりインストールしたりすることなく,ユーザが使いたいときに最短距離で利用することができる,ユーザが実現したいことをすばやく実現できることがLINEミニアプリであり,それを支えているのがLIFFになります。

さらにLINEとの連携も可能であり,LIFF SDKで開発したサービスをタッチポイントにしつつ,その中でLINEのさまざまな機能をサービス提供者側に提供することで,ユーザの体験を高めていく。たとえばLIFFで開発したLINEミニアプリでは,LINEのユーザアカウントを使って認証・認可が可能なほか,LINE公式アカウントとも友だち登録ができます。また,LINEミニアプリはWeb技術ですので,作成したサービスにGoogle Analyticsなどのアクセス解析ツールを導入すれば,データをトラッキングすることも容易にできます。そのデータに基づいてLINE公式アカウントを経由しメッセージを送るといったことも可能です。このようにLIFF SDKとWebブラウザだけに閉じた世界にするのではなく,LINE全体として価値を生み出すことを意識しています。

また,スマートフォンの世界を見た場合,AndroidとiOSで大きな違いがあります。この両者をブリッジする役割を担うことも,LINEに期待されていることの1つだと感じています。LINEは両方のプラットフォームで幅広く使われていて,さらにLIFFを使えばOSのギャップを最小限に抑えてLINEミニアプリを開発することが可能です。このように,プラットフォームのギャップを減らして簡単にミニアプリを実装できることは,LIFFが提供しているベネフィットの1つだと考えています。

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著者プロフィール

川添貴生(かわぞえたかお)

株式会社インサイトイメージ代表取締役。企業サイトの構築及び運用支援のほか、エンタープライズ領域を中心に執筆活動を展開している。

メール:mail@insightimage.jp


馮富久(ふぉんとみひさ)

株式会社技術評論社クロスメディア事業室室長。

1975年生まれ。横浜市出身。1999年4月株式会社技術評論社に入社。入社後から『Software Design』編集部に配属され,2004年1月に編集長へ就任。同2004年9月に『Web Site Expert』を立ち上げ,同誌編集長に就任,現在に至る。その後,2008年9月に設立したクロスメディア事業部(現クロスメディア事業室)に配属。現在,社外活動として電子書籍を考える出版社の会の代表幹事やWebSig 24/7のモデレーター,TechLIONプロデューサーなども務める。過去にIPAオープンソースデータベースワーキンググループ委員やアックゼロヨン・アワード他各賞審査員などの経験を持つ。

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