うまくいくチーム開発のツール戦略

第13回もっとJIRAを活用しよう! いろいろな業務で使ってみる(前編)

Atlassian社のJIRAシリーズとは

今回は基本に戻り、Atlassian社が開発するJIRAシリーズを紹介します。JIRA製品の利用目的の約3割が技術系業務以外であることはご存じですか? その一例を紹介しながら、JIRA製品の可能性を追求してみます。

JIRAはAtlassian社が開発するソフトウェアです。Atlassian社は、オープンソースプロジェクトを支援するために自社ソフトウェアの無償利用を認めているので、オープンソースソフトウェア業界の方はJIRAを利用することも多いのではないでしょうか。

オープンソースソフトウェアの開発では、世界中の技術者が時間や場所に関係なく機能拡張やバグ修正をしています。これらの作業はJIRAにより「誰が」⁠何を」⁠いつまでに」を明確にすることができるため、最近の「ワークスタイルの変革」「新しい働き方」などにも活用する動きが活発になっています。

JIRAは2015年11月に利用形態ごとにJIRA CoreJIRA SoftwareJIRA Service Deskという3つのライセンスに分かれ、アドオンとして提供されていたアジャイル開発・スクラム開発に利用する機能がJIRA Softwareの標準機能となりました。旧JIRAの機能をそのまま継承しているのはJIRA Softwareとなります。

基本的な機能を持つJIRA Coreは、営業やマーケティングや総務部門、人事部門などの非技術系の業務プロセスを見える化することで生産性の向上が見込めます。

JIRA Softwareは、⁠かんばん」⁠スクラム」などの機能でアジャイル開発にも対応し、Bitbucket Server(Git)やSubversion(SVN⁠⁠、CIツールであるBambooJenkinsなどと連携させて開発プロセスの生産性の向上や構成管理/変更管理/バグトラッキングなどに活用できます。JIRA Service Deskは、ITIL準拠認定「PinkVERIFY」を取得したITサービスマネジメント(ITSM)ソフトウェアです。ほかのITSMソフトウェアと比べて特徴的なのは、問い合わせ画面のカスタマイズ、Confluenceと連携した強力なFAQシステムの構築、問い合わせ側のワークフローやグループ化など、問い合わせ側に対する機能が充実している点です。当然、SLAによるサービスレベルの管理機能やインシデントの管理機能などもあります。3つのライセンスの違いは表1のとおりです。

表1 各ライセンスの機能の違い
機能JIRA CoreJIRA SoftwareJIRA Service Desk
基本ビジネスプロジェクト
ワークフロー編集
強力な課題検索
ダッシュボード
基本レポート
アジャイルボード
バックログ計画
アジャイルレポート
開発ツール連携
リリースハブ
キュー
SLA
Confluence KB連携
詳細なサービス指標
問い合わせ画面のカスタマイズ

開発系以外にも使えるJIRAのプロセス管理機能

JIRAシリーズの用途はおもにソフトウェア開発業務系だと思われがちですが、そうではありません。2014年に開発元のAtlassian社が行った調査では、JIRAを利用している企業の約30%がソフトウェア開発業務以外で利用しているという結果が出ました。人事部門、マーケティング部門、財務部門、法務部門などさまざまな業務部門でJIRAが活用されています。ソフトウェア開発業務以外でJIRAを利用する事例は日本国内にもあります。その1つを紹介しましょう。

セミナーやイベント開催のタスク管理に

JIRAはプロジェクト管理ツールとして活用されることが多く、セミナーやイベントの企画から開催/報告までのプロセスを管理できます。ここで紹介する例では、JIRA SoftwareとWBSガントチャートfor JIRAを組み合わせ、セミナーの開催におけるWBS(Work Breakdown Structure)をテンプレート化して登録しています。

親タスクの「FY17 セミナー・イベント」の位置でコンテキストメニューを開き、テンプレート内の「無料セミナー業務」を選択すると図1⁠、テンプレートから自動的にタスクが生成されます。

図1 JIRAを利用したタスク管理画面
図1 JIRAを利用したタスク管理画面

生成されたタスクの名称や期間を修正したり、テンプレートにないタスクを追加したりできます。図2のようにガントチャートとして全体スケジュールを作成し、計画時のスケジュールをベースライン化すると、タスクの遅延なども確認できます。

図2 JIRAを利用したガントチャート
図2 JIRAを利用したガントチャート

JIRA Softwareのバージョン機能を利用すれば、四半期ごとのタスク数と作業にかかった時間(工数)を集計できます。WBSガントチャートfor JIRAにある四半期表示も利用できますが、この例では四半期ごとのタスク数と工数を集計するためにバージョン機能を利用しています。この方法は、チラシやカタログの作成、ホームページの開設やサイトの更新など多くの業務に応用できます。また、このガントチャートはExcelに出力できるので、JIRA Softwareのアカウント以外でもスケジュールを共有できます。

ソフトウェア開発以外でのJIRAの活用例はいかがだったでしょうか。後編では、開発業務プロセスを網羅するAtlassianの製品群との組み合わせやアドオンを紹介します。

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米国Atlassianから、2年連続で「Top new business APAC」を受賞。Atlassianセールスパートナーとしてアジアパシフィックで1位の証

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