うまくいくチーム開発のツール戦略

第25回Atlassian製品とTableauを連携させて、いろいろと分析してみよう(前編)

はじめに

DevOpsやITIL、ソフトウェアのアジャイル開発などで多くの企業で活用されているAtlassian製品ですが、非技術系の用途でも使われています。たとえば、マーケティング、営業、総務、法務、人事、経理、庶務などです。

業務プロセスを効率化するのが得意なAtlassian製品には、業務プロセスに関する情報(データ)が蓄積されています。この蓄積されたデータを、いま流行りのビジュアル分析ツールTableau(タブロー)を使って分析できたらおもしろいですよね。今回はそれをしてみようと思います。ビジュアル分析ツールTableauとプロジェクト管理ツールJiraのデータを連携させる方法を紹介します。

JIRAに蓄積されたプロジェクト管理、タスク管理、工数管理などのデータを活用したい場合、標準機能ではダッシュボードの各種レポート機能を使用します。しかし、それだけでは意図した仕様の集計を実現できないという経験をされた方も多いのではないかと思います。

JIRAの標準のレポートは、あくまでも定形レポートであるため、会社それぞれの様式に合わせた柔軟なデータ出力にまで対応しきれない場合があります。また、現時点での最新データを参照するので、時系列でデータの変化をとらえることができません。

Tableauは、ほかの業務システムのデータとも連携した多様なデータを、Excelのピボットテーブルのように簡単に誰でも分析できるツールです。多種多様なデータを使って自由な発想で分析できるため、これまで見えなかった「気づき」「発見」を得ることができる優れた分析ツールといえます。

検証シナリオ

プロジェクト管理やタスク管理に使われるAtlassian製品「JIRA」に蓄積されたデータをTableau Desktopで参照して分析レポートを作成し、Tableau Serverを使って関係者と共有するというシナリオを考えます。

今回検証するプロジェクト管理ツール「JIRA」とビジュアル分析ツール「Tableau」とのデータの連携は、次の環境で行いました。

検証環境
  • JIRA Software 7.5
  • PostgreSQL 9.6
  • Tableau Desktop 10.4.0
  • Tableau Server 10.4.0

手順

JIRAとTableauの連携方式について

JIRAとTableauを連携させるには、次の方法があります。

  • JIRAにAll-In-One Tableau Connector for JIRAなどのアドオンをインストールする
  • JIRAのデータからETLなどで分析用のデータベース(キューブのようなもの)を作成する
  • JIRAのデータベースにTableauを直接アクセスさせる

実際には用途や状況などの要件に応じて、3つの方法のどれかを選択します。本記事は検証が目的なので、JIRAのデータベース(PostgreSQL)に直接アクセスしてTableauで分析する方法を説明します。

ただし、Tableauからのデータ参照の複雑さや頻度によってはJIRAのデータベースの負荷増加が懸念されるので、実環境に実装する場合は十分な検証・評価を行ってください。

TableauからJIRAのデータベースを参照する

Tableau Desktopを起動して、接続するデータベースを指定してください。Tableau Serverも利用される方は、Tableau ServerからもJIRAのデータベースにアクセスする必要があります(最新データでレポートを更新するため⁠⁠。

データソースの準備

JIRAのER図は、Atlassian社より開発者向け資料の一部として公開されています。必要に応じて参照してください。

各テーブルの概要は表1のとおりです。集計の仕様に応じて必要なテーブルを結合してください。

表1 各テーブルの概要
テーブル名称概要
Jiraissueチケット情報全般
Worklog作業工数
cwd_userユーザ情報
Projectプロジェクトマスタ
Issuetype課題タイプマスタ
Priority優先度マスタ
Resolution解決状況マスタ
Issuestatus課題ステータスマスタ
Fileattachment添付ファイル情報
Customfieldカスタムフィールドマスタ
customfieldvalueカスタムフィールド入力値
Changegroupチケット変更履歴(ヘッダ)
Changeitemチケット変更履歴(ボディ)

なお、Jiraissueに保持される各種チケット属性情報は現時点のものです。過去の時系列における設定値の変化をとらえるためには、changegroup、changeitemを経由して照会する必要があります。

Tableau DesktopからJIRAのデータソースに接続する

データベースへの接続が確立されたら、Tableauから読み込むオブジェクト(データソース)を選択します図1⁠。

図1 Tableau Desktopデータソース選択画面
図1 Tableau Desktopデータソース選択画面

これでTableauを使う準備ができました。後編ではビジュアライズされたサンプルを見ながら、分析のポイントをいくつか紹介します。

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