概要
空気調和設備は,一般住居からオフィス,病院,公共施設,工場に至るまで,広範な施設における室内環境の調整をするための建築設備です。本書は,空調設備を理解するためのさまざまな事柄を現場目線で解説します。前段では,空調の基本的な事柄,空調設備のさまざまな方式,空調に必要な構成機器など,いわば空調を理解するための前提となる基礎知識を解説しています。後段では,空調システムの選定,セントラル空調や個別分散型空調におけるシステム設計や施工方法のポイント,家庭・店舗用のエアコン,換気,維持・管理などの実務的な事柄について現場目線で解説をしています。
こんな方におすすめ
- 空調設備の仕事に携わる人,空調設備士の資格を取得しようとしている人,ビルやマンション管理,建築関連の仕事に携わっている人
目次
1章 空気調和の基礎
- 1 空気調和と空気
- 2 空気調和を実現する4要素
- 3 気流と室内環境
- 4 炭酸ガス(二酸化炭素)による人体への影響
- 5 浮遊粉塵
- 6 保険空調と産業空調
- 7 快適性の環境指標
2章 空調設備の種類と特徴
- 1 空調方式と暖房方式
- 2 セントラル空調と個別分散型空調
- 3 全空気方式
- 4 水・空気方式
- 5 空調に用いられる冷凍機
- 6 空調に用いられる熱サイクル―蒸気圧縮式冷凍機―
- 7 空調に用いられる熱サイクル―ターボ冷凍機―
- 8 空調に用いられる熱サイクル―吸収式冷凍機―
- 9 いろいろな冷凍機
- 10 デシカント空調
3章 空調設備に必要な基本構成
- 1 主要な構成機器
- 2 熱交換器
- 3 冷却塔(クーリングタワー)
- 4 弁
- 5 圧縮機
- 6 送風機
- 7 除湿装置と加湿装置
- 8 フィルタ
- 9 冷媒
- 10 配管・ポンプ・インバータ
4章 空調システムを選ぶ
- 1 規模による空調方式の比較
- 2 機器の性能と性能表示
- 3 耐用年数,更新性
- 4 費用と地球温暖化対策
- 5 建物の調和と振動・騒音対策
- 6 LCAと地球環境防止
- 7 資源の有効活用と化学物質管理
- 8 空調機器に関連する法規
5章 セントラル空調
- 1 システム設計のポイント
- 2 計装設計について
- 3 周辺スペースの確保
- 4 一般的な施工手順
- 5 機器の設置(施工)方法
- 6 配管工事
- 7 ダクト工事
- 8 計装工事
- 9 試運転調整
- 10 維持・管理
6章 個別分散型空調
- 1 システム設計のポイント
- 2 機器選定時の留意点
- 3 能力補正について
- 4 外気処理
- 5 集中コントローラー
- 6 一般的な施工手順
- 7 据付け(施工)時の留意点
- 8 振動・騒音対策
- 9 試運転
- 10 日常点検と定期点検
7章 エアコン(家庭用,店舗用)
- 1 空調面積と簡易負荷計算
- 2 機器の選定
- 3 据付け工事の一般的なプロセス
- 4 手始めはカタログの見方から
- 5 性能検定
8章 空調設備における換気
- 1 換気の必要性
- 2 室内空気の汚染
- 3 換気回数と必要換気量
- 4 換気の方式
- 5 換気経路と圧力損失計算
- 6 換気と還気
- 7 換気の住宅と非住宅における考え方の違い
- 8 外気冷房
9章 空調設備の維持・管理
- 1 室内の温度と湿度の計測
- 2 冷暖房能力と風量の測定
- 3 結露とその対策
- 4 設備の診断と経年劣化
- 5 清掃・メンテナンス
- 6 さび止め塗装
サポート
正誤表
本書の以下の部分に誤りがありました。ここに訂正するとともに,ご迷惑をおかけしたことを深くお詫び申し上げます。
(2018年12月4日最終更新)
P.159 図8-1-2 4行目~5行目
誤 |
下宿、工場、倉庫、自動車車庫、危険物の貯蔵場、と畜場、火葬場、戸建住宅、事務所などは特殊建築物に含まない。
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正 |
下宿、工場、倉庫、自動車車庫、危険物の貯蔵場、と畜場、火葬場、汚物処理場その他これらに類する用途に供する建築物」。戸建住宅、事務所などは特殊建築物に含まない。
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