Kirin 990は,2Gから5Gに対応するモデム,8コアCPU,16コアGPU,省電力コアが追加されたNPU,オーディオ処理プロセッサ,4K HDR対応の映像処理プロセッサ,LPDDR 4xメモリ,UFS3.0などがワンチップに収められています。製造は7nm+EUVプロセスで行われます。
HUAWEIは,端末のAIとクラウドのAIが非同期で動作していた状態を「Mobile AI 1.0」時代と言い,Kirin 990では,端末上のAIリソースだけでなく,5Gモデムの速度を活かしてクラウド上のAIリソースもリアルタイムで活用できるので,Mobile AI 2.0の時代になると宣言しています。また,SoCに5Gモデムを統合しているので,Snapdragon 855と5Gモデムの組み合わせと比較して,5G通信時の消費電力が44%抑えられているのも特徴です。
Mateシリーズは,例年であれば10月に発表されますが,今回は1ヵ月前倒しして発表されました。これは,Mate 30にはGoogle Mobile Services(GMS)が搭載されておらず,HUAWEI独自のHUAWEI Mobile Services(HMS)が搭載されているので,アプリデベロッパに対してHMSへの参加を呼びかけるのと,ユーザへの周知期間と考えているようです。
また,HMSへ参加するデベロッパ向けには,総額で10億ドルもの支援を行うとしています。金額で判断するのは浅はかですが,HMSへにかける意気込みは読み取れます。