第3のスマートフォンの追撃やいかに―HTC Trophyレビュ―

第4回HTC Trophyに迫る「アプリ編」

ひとまず最終回です

前回は、OS編と称してWindows Phone 7のシステム周りのご紹介しました。

ご紹介したように、コピー・ペーストとマルチタスクは実装されていませんが、2011年の早い段階でメジャーアップデート(Windows Phone OS 7.5)が予定されていると噂され、これで実装されるだろうとされています。

コピー・ペーストは予想の範囲(ただし、iOS、Androidともに使いやすいインタフェースとは言えないので、どう実現するのかは楽しみです)ですが、マルチタスクに関しては、OSにAPIが追加されるとの話もあり、アプリがそれに対応する必要があるようなので、iOS 4のような部分的なマルチタスク(アプリの状態を待避して、アプリを切り替える機能)に近いマルチタスクを実現しているのかもしれません。

Microsoftは、追撃態勢に切り替わると非常に強い会社なので、メジャーアップデートが非常に楽しみです。

さて、今回は、HTC Trophyに搭載されているアプリをご紹介します。

お馴染みのInternet Explorer

内蔵ブラウザは、お馴染みのInternet Explorerで、タブブラウザとなっています。

そのタブは、画面の上や下に表示されるタイプではなく、iOSのSafariのように別画面に切り替えて、表示タブの切り替えや追加・削除を行います。

レンダリングの設定は、モバイルバージョンとデスクトップバージョンがあり、デスクトップバージョンでサイトにアクセスすると、ページが画面いっぱいに縮小されて表示されます。気になる部分をダブルタップすると、そこが拡大されて表示されます。拡大・縮小の挙動は違和感がなく、ニュースの記事部分をダブルタップすると、画面の横幅いっぱいに記事部のテキストを拡大して表示します。

ズームやスクロールは、キビキビ動作し指の動きに即座に追従するので、操作していると気持ちよいくらいです。ピンチイン、ピンチアウトの操作に対応しており、スムーズに拡大・縮小が行われ、操作を止めた後の画面のフォーカスが合うまでの時間もあっと言うまで、すぐさま次の操作に移ることができます。

良い所ばかりではなく、煮詰めが足りない部分も見当たります。

まず、ブラウザで良く見かける戻るや進むのボタンがありません。戻るは、ハードボタンがその役割になりますが、アプリをスイッチして別のアプリを使った後戻ってくると、履歴の情報がリセットされていることがあり、前のページに戻りたいと思い、ハードボタンの戻るを押すと、前のアプリに切り替わることがあります。また、本体を横に向けるとブラウザも横向きで表示されるのですが、アドレスバーやメニューが表示されないので、何か操作をしたいと思った時は、画面を一度縦向きにして操作する必要があります。

新しい切り口のpeople

Windows Phone 7は、Facebook, Gmail, Google Contacts, Google Calendar, Windows Live, Yahoo! Mail等多くのネットワークサービスに標準で対応しています。

後発だけあり、ソーシャルサービスやメジャーサービスとの統合度合いは高く、それぞれのアカウントを設定すれば、簡単に同期が取れるようになっています。

また、それらのサービスを統合して扱うアプリがあり、たとえばpeopleタイルには、FacebookとGoogleのアカウントを設定すると、FacebookのニュースフィードやGoogle Contactsで管理しているアドレスが統合されて表示されます。サービスごとの専用アプリを使って管理し、それぞれの操作を覚えて使うのでなく、別角度の切り口(peopleであれば、人)でサービスを統合して、同じ操作で扱えるのは新しい感覚です。

個性的なMusic & Video

Music & Videoタイルには、音楽、ビデオ、ポッドキャスト、ラジオが統合されています。

ユーザインターフェースは、MicrosoftのZune HDプレイヤーと似ており、音楽であれば、画面上部をスクロールすると、アーティスト、アルバム、曲、プレイリスト、ジャンルでライブラリを表示します。

再生画面は、大きめのフォントが設定されたアーティスト名と曲名が画面上部にあり、その下にジャケット写真が表示されます。iPhoneコンプレックスが感じ取れるユーザインターフェースではなく、マガジンスタイル風の独自のユーザインターフェースとなっています。さすがにiPhone風のユーザインターフェースは、新鮮味が薄れて来たのでWindows Phone 7のインターフェースは、新鮮で特別なアプリを使っているような感覚になります。


ラジオは、FMラジオの視聴ができます。その視聴には、アンテナを兼ねる付属イヤフォンを使う必要があります。と、普通ならば、これで終わってしまうのですが、海外製の端末では珍しいことに、日本の周波数帯に対応しています。スマートフォン向けにはrajikoクライアントが多くリリースされているので、電波を使ったラジオの需要はそう多くないかもしれませんが、視聴可能な地域が限られているので、対象地域外では活躍するかもしれません。

個性的なスマートフォン

すべての機能をご紹介出来ていませんが、当然ながらOfficeのファイルを表示や編集が行えます。仕事で使う場合は、これらのファイルが取り扱えることが必須なので、サードベンダのアプリをインストールすることなく、すぐに使える状態になっているのは他のスマートフォンにない魅力です。

Windows Phone 7は、iPhone、Androidが席巻しているコンシューマー市場に登場して、一年足らずなので、それらと比較すると、まだまだの部分も多く、現状ではその他大勢の存在ではありますが、Microsoft得意分野を活かしエンタプライズ系の機能が充実して来れば、牙城を崩し一大勢力となる可能性も十分考えられます。

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