プロローグ
本連載は,
前シリーズでは,
筆者は,
皆さんも,
あらすじ
株式会社GHテクノロジーズは,
しかし,
主人公の佐藤崇
社内のいたるところから,
佐藤さんは,
まず,
誰も本気ではない
海外生産の製品不良率が高まったことから,
営業部部長:
「不具合が発生するたびに, 対策会議を開いているけど, この半年で4回ですよ。先月, やっとの思いで獲得した大口受注にも間に合わないじゃないか! まともな製品はいったいいつになったら作れるんだ?」 製造部部長:
「安いからといって, 安易に海外EMSに飛びつくからこうなったんだ。言わんこっちゃない」 品質管理部長:
「一概に, EMSベンダの製造技術が低く不良を出しているとは思えない。事実, 競合企業や大手A社も同じEMSベンダを使っている。当社ほどひどい製品不良の発生は聞いたことがない」 営業部部長:
「仮にそうであっても, 実際に, 当社では不良が出ているんだから, もうちょっときちんと品質管理をしてくれないと僕がお客様から怒られるんだよ!」
対策会議とは名ばかりで,
自分は関係ない
品質管理部長:
「開発部として, 何か良い案はありますか?」 村瀬開発部長:
「まずは製品不良の発生原因を見出すことが先決でしょう。製造工程で発生しているのか, 輸送工程で発生しているのか? それによって, 責任元が変わってくるでしょうし, 解決策も異なるでしょう」 営業部部長:
「解決に時間がかかるのはごめんだね」 杉本開発課長:
「開発は常に納期との戦いです。原因追及に割く時間はありません。国内製造製品は不良はほとんどないので, 海外EMSの問題じゃないですか?」 品質管理部長:
「それは違う。先ほど言ったとおり, 当社以外ではほとんど不良は発生していない」 製造部部長:
「いっそ, 国内工場で製造を一本化したらどうかなぁ? 昔みたいに」 マーケティング部長:
「それではコスト的に見合わないし, EMSは半年先の生産計画まで立てているから, 急には止められないだろう」 営業部部長:
「とにかくお客様に頭を下げるこっちの身にもなってくれよ, まったく……」
(延々と時間ばかり過ぎていきます)
佐藤さんはオブザーブの立場なので,