お正月は既に過ぎてしまいましたが、
今回のお話では、
最初に復習を兼ねて、
これまでのあらすじ
開発部の主任である佐藤さんが勤める株式会社GHテクノロジーズは、
その後も、
GHテクノロジーズの製品が大好きで入社した佐藤さんは、
大学の先輩であるマーケティング部の坂本課長と話をして、
しかし、
コアメンバーが小さくスタートを切る
品質対策会議の場において、
その間、
直属の上司である杉本課長は当てにならず、
「佐藤の言い方や態度は問題あるものの、
後に、
先週、
いざ、キックオフミーティングへ
「何を話そうか、
キックオフミーティングが開かれる大会議室には、
皆、
はじめに、
問題を引き起こしている原因をちゃんと考えよう!
村瀬部長:
「では、 ここからは佐藤さん、 頼むよ」 佐藤さん:
「わかりました。では、 皆さん、 前方スクリーンのこの図を見てください (図2参照)」
佐藤さん:
「今、 当社では海外のEMS工場において製造された製品の品質不良が続いています。現在も原因ははっきりしていません。問題を引き起こしている本当の原因 (=真因) にたどり着いていないからです」…… (話は続きます)
【解説】
- (1)
安易な解決策をとる 皆さんの会社で製品不良が出たシーンを思い描いてみてください。
次のステップで、
「不良品が出ないようにする」 ためにはどうすればよいのか考えるまではどこの会社も同じです。大事なのはその次のステップです。"浅い"まま右に進むか、 "深い"下に進むかが重要です。 その場しのぎでモグラたたきになる会社は、
"浅い右方向"に進みます。不良品が出ないように、 「検査を入念に行う」 ことに目が行き、 具体的には 「ダブルチェックをする」 「検査基準を厳しくする」 などの方向に進んでしまいます。考え方としては"浅はか"と言わざるをえません。 ダブルチェックをするために新たに人を投入
(要員を増やす) すると、 人件費は上がります。原因が潰せていない状態で、 検査基準を厳しくすると、 従来良品であった製品が、 不良として引っかかる数が増えます。後工程における手直し、 手戻りが多く発生し、 コストアップの要因となります。 結果的に、
「不良発生率は下がらない」 ことになります。"深い下方向"に進まないといけません。トヨタ自動車の
「なぜを5回」 のように、 根っこの原因 (真因) に対して解決策を講じることではじめて、 「不良発生率を下げられます」 。- (2)
無意味なダブルチェック 「当社はダブルチェックでミスを防いでいます」。 こういう会社は少なくありません。ところが、
筆者の経験則から言えば、 ダブルチェックはほとんどの会社でまともに機能していません。前工程の人は後工程にチェックをする人がいるとわかっているので、 ちょっとくらいチェック漏れがあっても後工程の人が見つけてくれるだろう、 後工程の人は前工程の人がちゃんとやってくれただろうと思い込んでいるので、 きちんとチェックしません。 お互いを過信して、
「…だろう」 と勝手に思い込み、 チェックの工程ばかりに時間を取られます。結果として工数が増加し、 人件費が上がるだけです。
荒れるキックオフの場
佐藤さん:
(…ここで、「だから、 もっとちゃんと深く考えて、 問題の根っこを見極めたいのです」 社員Aさんに話を中断されます) 社員Aさん:
「そんなことに時間を割いていたら、 開発が遅れちゃうよ」 社員Bさん:
「そもそもさぁ、 原因は海外EMS工場にあるに決まっている!」 社員Cさん::
「品質問題のために品質管理部があるんだから、 僕ら開発は関係ないよ。なぜ、 品管のメンバーがこの場にいないの?」 杉本課長:
(……と嫌味たっぷりです。今までなら、「まるで、 うちの開発が何も考えない馬鹿集団のようにしか聞こえないがね」 ここで佐藤さんはキレてしまい怒り出していることですが、 予期していたことでもあったので平然としています)
"見える化"と"業務改善"
佐藤さん:
(「なんだよ、「質問、 意見は後で聞きます。話を続けます」 偉そうに」 という声が聞こえてきますが、 気にしない気にしない……自分に言い聞かせます) 佐藤さん:
「次に"見える化"と"業務改善" について説明します。次の図をご覧ください (図3参照)。」
佐藤さん:
「皆さんにもなじみ深いQCD (Quality、 で考えてみました。"見える化"で問題を引き起こしている原因を深く掘り下げ、Delivery、 Cost) 原因を究明します。これには皆さんの協力が必要です。原因に対して対策を打つ、 つまり、 きちんと業務改善を行い、 QCDの向上を図るためには、 このようなプロセスが必要です」
業務改善の3つのステップ
佐藤さん:
「最後に、 業務改善のステップを示します。こちらをご覧ください (図4参照)」
佐藤さん:
これから取り組む業務改善は誰のものでもなく皆さんのものです。皆さんの業務を良くするために行うものです。誰かが皆さんのために改善をしてくれるわけではありません。そのためには、「先ほど話したように、 "浅い"まま右に進むのではなく、 "深く"下に進むために、 2番目の"考える"フェーズ (②業務分析) と考えています。そして、にしっかりと時間を取りたい もう1つ、 大事なことを書いています。"ソフト"を重視し、 会社の組織風土改革を業務改善と同時に進めます 。これまでのように、自分には関係ない、 余計なことは言わないということはもうやめにしましょう! おかしいことをおかしいときちんと言うことはもちろん、 言えない状態を作らないような"言える化"の社風を醸成 していきたいと思います。"自ら動く"ことが大切です。具体的には自ら業務調査を行うために"自分たちでフローを作る"ことから始めます…… (佐藤さんの話はまだ続きます)」
佐藤さんはこれまでコアメンバーと温めていたことや、
さて、
次回は、