Lifelog~毎日保存したログから見えてくる個性

第39回DVDの整理方法

モノに囲まれる日本の暮らし

ディスクがあふれたのです。置く場所がありません。

山積みにした映像ディスク
山積みにした映像ディスク
パッケージは邪魔なのでスキャンできないものを残して廃棄ずみです。また、上から下までほぼ映像系の棚で、中央二段は書籍もありますすが、映像系の凝ったパッケージはほんとうに始末に困ります。上から2段目の『カウボーイビバップ』のBOX(白いケーキ箱がモチーフ)なんて、場所をとるばかりでどうにも困ったものであります。

前回は、デジタルカメラで撮影した写真とその説明文(キャプション)を同時に扱えるようにする仕組みについて紹介しました。コンピュータのなかにあるファイルの整理では、整理の単位はファイルやフォルダです。ファイルもフォルダも仮想的なものであり、コンピュータの外の世界とは異なるルールで動いています。コンピュータのファイルには手がかりとなる特徴が相対的に少ないので、検索に備えて説明文を書くなどの工夫は有効です。

いっぽうで、コンピュータよりもずっと身近である現実世界の生活空間のなかでモノを整理するときには、コンピュータの中の整理方法とは違う方法を選ぶ必要があります。モノはそもそも物理的な形や質感をもっているため、物理的な分量に制約を受けたりします。キッチンに置くものと風呂場に置くものと書斎に置くものは違っています。

ライフログの観点からいうと、人間がどれだけの数のものに囲まれて暮らしているかは、その国の歴史や文化に大きく左右されます。

ピーター・メンツェルの『地球家族』⁠TOTO出版)は、世界30か国の暮らしの品々をぜんぶ庭にだして撮った家族写真で構成した本です。アルバニアやインド、ブータンなど、数え方にもよりますが、生活の品はわずかに30か40ほどしかない暮らしもあります。極端にモノが多いのは日本です。家電の三種の神器に始まり、食器、衣服などなど。

ピーター・メンツェルの『地球家族』⁠TOTO出版)
ピーター・メンツェルの『地球家族』(TOTO出版)
世界30か国で、暮らしの品々をぜんぶ庭にだして撮った写真集。

総数不明たぶん2,000枚超!? 本はデジタル化で減ってきた

その日本のなかでも筆者のようなタイプは、特にモノに囲まれている部類に入ると思います。

モノのなかでも特に量が増えやすいのは、書籍や映像ソフトでしょう。これらは一品ごとに内容が異なり、価格が安価であるために、つい気を許すと増えてしまいます。

もしもダイヤの指輪であるとか、高価な時計とか、フェラーリとかの価格になると、いくら好きでもそんなに数はもてないでしょうから、数が増えるということはありません(世界にはダイヤの指輪を1,000個所有している人もいるかもしれませんが、数えるほどでしょう⁠⁠。

筆者は書籍や映像を相当量所有していますし、日々増え続けています。この量の問題に歯止めをかけようと、デジタル化に邁進しているのはご存じの通りです(残念ながらフェラーリはもってません…⁠⁠。

現在のところ、書斎だけで平均50冊として45棚あったので、ざっとモノとしての本は2,250冊くらいでしょうか。最近は基本的に読み終わったら断裁してスキャンしているので、量はだいぶ減ってきた感じです。

減ってきたといっても、なぜか『パターン、Wiki、XP ~時を超えた創造の原則』執筆の江渡浩一郎さんの蔵書が届いたりして、予期せぬ増加にとまどうこともあります。不要になった本を著者に送っていただけるのはいくらか歓迎します。

江渡浩一郎さんからいただいた文庫の一部
江渡浩一郎さんからいただいた文庫の一部
ふとしたことで、江渡さんから段ボール箱一箱分の本をいただきました。筆者のほんと重複していたのはわずかに2冊だけでした。他人の本棚を見るのは面白いものですが、それをじっくり自分の書斎でためつすがめつするのはもっとおもしろいなと思っています。

映像ソフトをどう整理するか

書籍の場合は、断裁すればデジタル化は比較的容易であることがわかってきました。問題なのが映像です。映像パッケージをどうデジタル化するか。どうデジタル化するかといっても、内容はすでにデジタルなわけですから、問題はストレージの容量に限られます[1]⁠。

いくらハードディスクが大きいといっても、Blu-rayやDVDをわざわざハードディスクに入れるのは、手間を考えるとあまり現実味があるとは思えないのです。

Blu-rayディスクは、12cmの2層記録で50GBですから、これで映像を1,000本をデータ化しようとした場合には50GB×1000=50TBにもなります。現在8TBのハードディスクが販売されていますが、メンテナンスするハードの台数を考えると、いささか厳しい。

DVDの場合は12cmの2層記録で4.7GBですが、これでも1,000枚ならば5TBです。

そんなわけで、筆者はDVDのパッケージ自体をデジタル化して廃棄し、300枚のDVDチェンジャーを使ってきました。これが充分に機能するのは当然300枚までで、それ以降順次チェンジャーを追加したのですが、ついに1,000枚を超えて破綻しました。

『ハノイの塔』方式と『学らん竜虎』方式

その後、中身のディスクだけを洋画邦画などにわけて山積みして整理してきました。パッケージのないDVDディスクは、1,000枚でも思ったほどには場所はとらないのです。

この方式の問題は、山の下の方にあるディスクを取り出すのが困難なことです。⁠ハノイの塔』みたいな作業をくり返すことになります。宇宙の果てまでたどりつきそうです。

『ハノイの塔』方式で整理している映像ディスク
『ハノイの塔』方式で整理している映像ディスク
2005年ごろのものです。

『ハノイの塔』方式の問題は、重ねることにあります。重ねるから場所をとらないのではありますが、アクセスしにくくなってしまうのです。重ねるのが問題なら、広げればよいと、最近行っているDVDディスクの整理法が『学らん竜虎』方式です。

『学らん竜虎』方式は、閉架の書庫の扉に、ディスクをピン止めすることで実現しました。学らんの裏に竜虎が躍っているような整理方法です。扉を閉めると、なにも見えなくなり、うるさくないのがよいところです。

『ハノイの塔』方式でもディスクがあふれ、アクセス性に問題を感じてついに導入した『学らん竜虎』方式
『ハノイの塔』方式でもディスクがあふれ、アクセス性に問題を感じてついに導入した『学らん竜虎』
2005年ごろの状態と見比べると、映像ソフトがさらに増え見ていないのとパッケージがデジタル化困難なために廃棄できずに、書棚が2段構成になっていることがわかります。⁠カウボーイビバップ』のとなりには、これまたでかいパッケージの『THE BEATLES』BOXが…。

これにより、ざっと3枚×16段×扉8枚=384枚の映像を整理できます。ただし、2枚組みは重ねている(最大で3枚まで重ねてもなかの本には影響しない)ため、MAXなら1,152枚を管理できることになります。

洋画の棚
洋画の棚。シリーズは並べておいてあるというか貼ってあるので、探すときは一目瞭然です。
シリーズは並べておいてあるというか貼ってあるので、探すときは一目瞭然です。

この『学らん竜虎』方式は、⁠ディスクをビジュアルで検索できる」⁠ディスクを位置で整理できる」⁠場所をとらない」などのメリットがあり、従来の『ハノイの塔』方式やチェンジャーと組み合わせて運用しようと考えています。

おおまかに、以下のようなかたちで併用する予定です。

  • ひんぱんにアクセスする…チェンジャー
  • よく見る…『学らん竜虎』方式
  • あまり見ない…『ハノイの塔』方式

おすすめ記事

記事・ニュース一覧