スタート!Windows Phone 7

第3回ミュージックプレイヤーとしてのIS12T(その2)

前回に引き続き……

前回に続いてミュージックプレイヤーとしてのWindows Phone 7に迫ります。

筆者は、スマートフォンの登場以前は、ケータイと音楽プレイヤーの両方を常に持ち歩いていました。スマートフォンの登場後は、両方を1台でこなせるので、荷物が減り大変重宝しています。スマートフォンには、音楽再生機能が必須と考えているので、その使い勝手は非常に気になります。前回は、Music+Videosの使い勝手に関する紹介が駆け足だったので、今回は踏み込んでご紹介します。

癖のあるボリューム調整

前回も触れましたが、ボリューム調整の使い勝手が気になります。

Windows Phone 7では、ソフトウェアでボリュームの調整が行えず、ハードキーでボリュームの調整を行います。IS12Tの場合は、端末の右側にあるプラス、マイナスのハードキーを押すと、状態を示すウィンドウが画面の上部から表示され、調整量を数値で確認できます。このウィンドウは、しばらく放置すると画面上部に自動的に消えて行きます。ボリュームの調整量を確実に把握できる点では、わかりやすいユーザインターフェースですが、0~30までの数値表示なので、少し事務的な印象を受けます。

ボリュームの値を表示するウィンドウ。再生中の楽曲と操作ボタンも表示される
ボリュームの値を表示するウィンドウ。再生中の楽曲と操作ボタンも表示される

ボリューム調整は、画面がオフの時は操作を受け付けません。

たとえば、音楽を聴いているときに、ポケットのIS12Tを手探りで操作して、ボリュームを調整するといった使い方ができないと言うワケです。一度、ポケットから取り出して、Windowsキーか電源ボタンを押して画面をオンにして、ボリュームを調整するといった使い方になります。これは、ハードキーに物が当たって、ボリュームが変わらないような配慮かもしれませんが、面倒で使い勝手は良くありません。ハードキーを押し込む時の堅さ調整で、不用意に操作されない工夫ができるようにも思いますが、こうした部分に、ハードとソフトを同じメーカーが開発しない限界が見えるようで、非常に惜しい感じがします。

Bluetoothヘッドフォンにボリューム調整機能があれば、画面オフの状態でもボリューム調整ができます。IS12Tで音楽を楽しむには、Bluetoothヘッドフォンとの組み合わせで使うのが使いやすいかもしれません。

懲りすぎのユーザインターフェースと操作方法

前回でもご紹介したとおり、音楽を楽しむには「Music+Videos」を使います。これを起動すると、音楽、ビデオ、ポットキャスト、ラジオ、marketplaceのカテゴリを選択する画面が表示されます。これが何故か縦書き表示なのです。

なぜか縦書き表示の画面。悪くはないのですが……
なぜか縦書き表示の画面。悪くはないのですが……

英語版は横書きなので、⁠設定][地域 & 言語][表示言語]「英語」に変更すると、IS12Tでも横書き表示に変わります。試しに「中言語(簡体字⁠⁠」に変更すると、日本語と同様に縦書きに表示になります。縦書き表示は、日本や中国のように縦書きをする国だけの措置なのかもしれませんが、少しやり過ぎの印象を受けます。他の表示方法は、左から右への横書きで表示されているのに、この画面だけ縦書きなのは唐突すぎです。ちょっとした遊び心なのかもしれませんが、少々でもユーザに負担を求めるようなものは避けるべきだと考えます。

楽曲再生中の情報表示も小さくて見づらいと感じています。

たとえば、音楽再生中の再生時間は、アルバムジャケットの下に、再生量を示すバーと共に時間が小さく表示されているだけです。小さいと言えば、再生中のタイトル名も小さめで、アーティスト名とアルバム名の方が大きく表示されています。いづれも補助情報なので、Music+Videosのユーザインターフェースデザイナーは、重要視していないのかもしれませんが、見づらい以外にもメリハリが付きすぎて雑多な印象を受けてしまいます。

楽曲再生中の操作もわかりづらいと感じています。

楽曲一覧を表示するには、バックボタンを使いますが、タイトル名のタップでも表示されます。この楽曲一覧は、操作をしないでしばらく放置すると消えるので、曲を変更するために一時的に使うのかもしれません。ちなみに、アーティスト名とアルバムタイトルの部分をタップすると、そのアーティストのアルバム一覧が表示されます。この画面は、放置しても消えることなく表示され続けます。いづれも機能としては非常に面白いのですが、それぞれ操作した後のリアクションが違うので、自分がどのような操作をしてこの画面に来て、次、どのような操作をすると、何が起こるのか想像しづらいので、動きが理解できるまでは混乱します。

楽しいが心地良くはない

再生している楽曲のアーティスト壁紙が表示されるなど、ファン心理をくすぐる演出は楽しいのですが、取り上げたように使いづらいと感じる部分があり心地良くはありません。

使い勝手は、一世代前から変わりがないので、作り手は自信があるのかもしれませんが、筆者は、作り手のこだわりが分かり易く伝わるように、もう少し改良を加えてほしいと感じています。

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