Googleケータイ、世に現る

第10回Android 1.5登場

今回は次期Android OS Cupcake、Android 1.5について紹介します。

待ちに待ちました

本当に、待ちに待ちました。何かというと、甘いCupcakeです。第5回の連載でご紹介した「次期Android OS Cupcake」がAndroid 1.5としてGoogleから公式発表されました。簡単にご説明すると、Android 1.5は、Cupcakeと呼ばれる開発ブランチをベースにしており、ソフトキーボードや動画撮影機能、Webブラウザの強化等が行われており、機能概要は第5回でご報告したとおりです。G1以降、新顔が登場していませんが、ようやくお目にかかれるのではないでしょうか。

開発者向けのブログでも、Android 1.5のエントリーが。カップケーキに入ったマスコットが可愛い。
開発者向けのブログでも、Android 1.5のエントリーが。

Android 1.5の発表と同時に、開発キット(SDK)がEarly Look SDKとして公開されました。SDKには、Android 1.5が動作するエミュレータが添付されているので、筆者も早速ダウンロードして試してみました。エミュレータは、アプリ開発用で、機能やアプリが完全にそろっていないので、詳しいレビューは実機のG1で動作するAndroid 1.5がリリースするまでお時間をいただくとして、連載第5回目でご紹介したバージョンとの比較しながら、ご紹介します。

Android 1.5のご紹介

ユーザインターフェース

まず、目に入るのは、リファインされたユーザインターフェースです。

Android 1.5のホーム画面。ロケールを日本語に設定している。
Android 1.5のホーム画面。

ボタン類やバーのデザインは、柔らかい印象を受けるメタル調に変更され、これまで透過していた背景が透過でなくなっています。また、通知領域で使われているグラデーションも柔らかい印象を受ける色調に変更されるなど、今まで感じた野暮ったさが少し抜けています。 機能的な部分は、画面のスクロールしたときにしか表示されなかったスクロールバーが常に表示されて、全体のどの部分を表示しているのか、一目で確認できるようになっています。他、ダイアログを表示する時に、フェードイン・フェードアウトのアウトのアニメーションが使われるようになったり、設定で、ウィンドウの開閉時にアニメーションする・しないの設定が行えるなど、Androidも嫌みなく色気づいてきた印象です。

Android 1.5でダイアログを表示したところ。ボタンや画面のコントロールの色調が変更されている所に注目。
Android 1.5でダイアログを表示したところ。
ソフトキーボードを表示して文字入力する様子。Android 1.5では特徴的な機能。
ソフトキーボードを表示して文字入力する様子。

4月中に正式版SDKのリリース予定

今回公開されたEarly Look SDKは、いわゆるプレビュー版ですが、4月中には正式版がリリース予定になっています。プラス0.5のアップデートとはいえ、勢力的に新機能追加や変更が行われているためか、Googleは、開発者に対して、同SDKを使って新機能を試すことを進めているので、Android向けのアプリを開発しているデベロッパーは、SDKをダウンロードして動作検証をしてはいかがでしょうか?

Androidには標準でGoogleの各サービスとデータ同期機能が備わっている。
Androidには標準でGoogleの各サービスとデータ同期機能が備わっている。

G1向けアップデートはいつ?

さて、気になるのは、G1向けアップデートの提供時期ですが、原稿執筆時点ではアナウンスは行われていません。1.1が配布された時と同じく、1.5もOn-The Airで配布されるのでは?と噂話のようにネットでは語られていますが、正式版SDKのタイミングから遅れることなく、提供されるはずです。もちろん、G1でAndroid 1.5が動作するようになったら、詳細にこの連載でご紹介します。

今年は熾烈な争いが予想される

Android 1.5の登場に続いて、iPhone 3.0、Windows Mobile 6.5、Palm PreのwebOSが登場します。それぞれ、対応端末が我々の掌に収まるのは、今年の中盤から後半になると思いますが、iPhoneが3.0で、さらに強固な基盤を気づくのか、それとも、AndroidやWindows MobileがiPhoneのシェアを切り崩しシェアを伸ばすのか、PDAで一時代を造ったPalmが、宝石のようなユーザインターフェースを持つWeb OSで、また時代を築くのか? メーカ側は、手を変え品を変え、ユーザーや開発者に対して、新しい話題を提供してくると思われるので、2009年は、スマートフォン関連の話題が多い年になるはずです。

スマートフォン普及元年となるか

日頃の利用環境に目を向けみると、昨年末辺りから数年前には想像できないくらい、充実した利用環境が揃って来ていることに気づくはずです。

たとえば、モバイルデバイスをサポートするデータ同期サービスは、AppleのMobileMeだけでしたが、GoogleのGoogle Syncに続き、Windows MobileのMy Phoneが登場することになっています。また、アプリの入手に関しても、iPhoneのAppStore、AndroidのAndroid Marketに続いて、Windows MobileのWindows Marketplace for Mobileも開始が予定され、それぞれのエコシステムを構築することになっています。

昨年は、さまざまな端末が出揃ったことで、スマートフォン元年ともいわれましたが、振り返ると使いこなすには、まだ不便に感じる部分があり、ユーザー側で工夫が必要でしたが、周辺サービスが充実して、面倒な講釈なしにスマートフォンが使える環境が整って来ました。今年は、不自由なく使えるスマートフォンが普及していく年「スマートフォン普及元年」になるはずで、今回登場したAndroid 1.5は重要な役割を担っているはずです。

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