Monthly Windows Phone 7 News

第1回Windows Phone 7の世界

よろしくお願いします

今回から月1回のペースで、Windows Phone 7の連載を担当させていただくことになりました。よろしくお願いします。Windows Phone 7は、日本国内向けに端末がリリースされていないので、馴染みが薄いと思いますが、Microsoft渾身の作品なので、その情報や動き、または端末の使いこなしなどを本連でお伝えできればと考えています。

Windows CEからWindows Phone 7までの道のり

筆者は、Windows CE 1.0からの付き合いになります。Windows CE 1.0英語版が搭載されたカシオのカシオペアのA-11と呼ばれるハンドヘルドPCを発売日に購入して、ワクワクしながらプログラミングにチャレンジしたのを今でも思い出します。その後も、Palm-size PC、Pocket PC、Windows Mobileへと名前を変えながら進化して行ったので、筆者もそれに沿うようにして、端末を入手してはアプリの開発を楽しんでいました。

筆者は、Pocket PC 2003まで付き合っていましたが、それ以降は、MicrosoftのモバイルOSとの接する機会が少なくなり距離を置くようになりました。このころに開発していたアプリは、稚拙な作品でしたが、それを通じて知り合えた人達や得られた経験は、筆者にとって宝とも良いくらいです。その後は、PDAの衰退と歩調を合わせるように、Windows Mobileの支配力が弱まり、AppleのiOSが幅を効かせ、GoogleのAndroidがその後を追いかけるように走り続けているような状況はご存知の通りです。

筆者が入手したのは、HTC Trophyと言う端末です 筆者が入手したのは、HTC Trophyと言う端末です

そんな中に、2010年のMobile World Congress(MWC 2010)でWindows Phone 7が華々しく発表されました。Microsoftがスマートフォン向けに最適化を行ったと豪語するだけあり、Windows Mobileから大きな進化を遂げており、筆者はMWC 2010での発表内容に釘付けになり、久しぶりにMicrosoftのモバイルOSが搭載された端末を入手しました。

Windows Phone 7に搭載されているMetro UIは斬新で、Android陣営に感じるiPhoneコンプレックスが一切感じないのは、Microsoftの底力というか開発リソースの豊富を見せられた感じがします。また、Metro UIは、滑らかに良く動くユーザインターフェースで、何か操作を行うと必ずリアクションを返すように設計されています。静止画だけでは、良さが伝わりづらく、触らないと触ってみないとわからないのが惜しいと感じるほどです。

Windows Phone 7これからの道のり

冒頭でも書きましたが、国内向けの端末は存在せず、登場は今年の後半だと噂されているので、Windows Phone 7の関連のニュースは、海の向こう出来事のように感じてしまいますが、最近になって大きなニュースがありました。

Microsoftとノキアがモバイル分野で戦略的な提携が行われ、ノキアのスマートフォンにWindows Phone 7が採用されることになりました。ノキアは、熱心に開発をしていたMeeGoを捨てて、Android OSでもなく、Windows Phone 7を選択したニュースには驚いた方も多いはずです。

メディアでは、モバイル分野での敗者連合と比喩される巨頭同士の提携ですが、Windows Phone 7の足下に目をやると、端末をリリースしている、HTCやサムソン、LGなどのメーカは、Windows Phone 7を優先順位の高いOSとしているワケではなく、どちらかと言えばAndroidに力を入れており、決して先行きが明るい状況ではありませんでした。今回の提携で、ノキアがWindows Phone 7にコミットし、その販売力と生産力を活かして、端末を市場に投下して行くのであれば、これまで見えていた未来よりは、明るく期待が持てるはずです。ただし、ライバルが凄まじいスピードで先を走っているので、そのスピード感が重要になるはずで、その成果が今年後半の遅くにしか出て来ないのであれば、日本語版が登場してくる頃には、相当厳しい状況に置かれている可能性はあります。

近々の動きは……

ノキアとの提携以外は、話題が少ないWindows Phone 7ですが、3月にOSのアップデートが予定されています。このアップデートでは、コピー&ペーストが行えるようになり、アプリの起動が高速化されるとされています。また、2010年内には、コードネーム「Mango」と呼ばれるアップデートが用意されており、このアップデートでは、IE9の採用やマルチタスクの採用、TwitterやSky Driveの統合が上がっています。また、このアップデートに多言語への対応も含まれています。その提供時期は、2011年中されているだけで言及されていませんが、大変期待のかかるアップデートです。

さて、月一回のペースですが、粘り強い巨人が放つWindows Phone 7から目を離すことができないので、来月も状況をお伝えします。

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