インタビュー

Jimdo創業者Matthias氏に訊く――AI時代のWeb制作とツールの関係

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Jimdoから見る日独の共通点・相違点

Q:上記と関連して,日本のユーザの印象,たとえば,ドイツのユーザと比較して同じところ,違うところなどを教えてください。またフィードバックにはどのようなものが多かったですか?

Web制作の観点で感じた日独の国力としての共通点

M:日本のユーザとドイツの状況を比較した際,まず同じと感じるのはユーザ層です。

これは経済的な部分でもドイツと日本が似ていることが理由にあると思います。ドイツにも多くの大企業があり安定した企業に勤めたいと思っている人が多いですが,その一方で新しく起業するスタートアップも,フリーランスや個人事業主が多いのも特徴です。

顕著に異なるWebサイト上の情報量の差

M:Webサイトに対する違いは,まずデザインです。

ヨーロッパは比較的,色も配置もシンプルなものが好まれますが,日本はテキストを含めより多くの情報が記載されていると思います。ただ情報が多くても色使いや空間の使い方で見やすい構成を作っているように見受けられます。

個人的な話ですが日本食は素晴らしいです。まずその美しさに毎回驚きます。食器の並び方と選び方,さらに一品ごとにこだわりがあって,それが美しく配置される。料理や食器の全体を考えた色使いも素晴らしいです。また特定の食品が目立つわけではなく,でもしっかり主張してくるような。そんな美意識が根付いた文化がWebサイトにも反映されているのではないでしょうか。

変化に過敏に反応する日本のユーザ

M:サービスに対する違いもあります。ドイツを含めヨーロッパでは,何か新しい機能が追加されたときにユーザからはポジティブな意見が多く見受けられますが,日本は逆のリアクションが起きることもあります。変化に対してネガティブな意見があがることが他の国と比べると多いと感じます。

そのようなフィードバックから感じることは,事前に変化に対して変化を受け入れてもらう必要性も大事だと気付かされます。その面で日本での経験が豊富なKDDIウェブコミュニケーションズと一緒にサービスを提供できていることはすごくプラスです。

日本ならではの強み――JimdoCafe

M:また国民性に関しても素晴らしく感じています。たとえばJimdoCafeですが,基本的に同じようなことは他の国では起こりにくいです。人の意見を聞ける場所があることで日本は気持ちの部分でも安心してサービスを支えているのではないかと思います。その他にもガイドブックなどをここまで多くの方に執筆してもらえている国は他にはありません。

ジンドゥーAI ビルダー誕生の背景

Q:新しいサービス「ジンドゥーAI ビルダー」をリリースに至った経緯について教えてください。

M: 簡単にWebサイトが作れるサービスとしてジンドゥークリエイターを10年間提供してきました。

おかげさまで世界で2,000万以上のWebサイトがジンドゥークリエイターで作られてきたと思うと,すごく革新的なプロダクトを提供し続けて来れたと思います。その一方で私たちが目をそらしてはいけないのは,それはWebサイトをジンドゥークリエイターでも「完成できなかった」ユーザもたくさんいたということです。

ジンドゥークリエイターにはWebサイトを作成する上で必要な機能はほぼ揃ったと感じています。時代に合わせて機能は変化していきますが,ほとんどの人はその機能をうまく使いこなせているとも思っています。ただ自分のWebサイトに対して何をやりたいか「目的」がはっきりしている人とそうではない人がいます。目的に向かってWebサイトを作ろうとすれば作成も早くなります。

ジンドゥーAI ビルダーの作成画面。直感的かつSNSなどと連携し,独自のAIエンジンにより,ユーザが⁠創りたい⁠Webサイトに仕上げてくれる

ジンドゥーAI ビルダーの作成画面。直感的かつSNSなどと連携し,独自のAIエンジンにより,ユーザが“創りたい”Webサイトに仕上げてくれる

ジンドゥーAI ビルダーの作成画面。直感的かつSNSなどと連携し,独自のAIエンジンにより,ユーザが“創りたい”Webサイトに仕上げてくれる

目指すのは「オンラインビジネスで成功するサービスを提供すること」

M:私たちのミッションはWebサイトが作れるプロダクトを提供することではなく,オンラインビジネスで成功するサービスを提供することです。その中でWebサイトは持った方が良い,持ちたい,むしろ持たなければいけないと変化してきている市場の中で「何の目的で持つのか」が明確ではないままWebサイトを作る人も多いです。この考え方自体は悪いことではありません。ただ作るのが難しくなることも多く「完成」しないままの諦めてしまう原因にもなりかねません。

私たちは2,000万以上のWebサイトを提供してきた経験から,何をどう変えたり追加すれば良いWebサイトが出来上がるかわかっているつもりです。それは直接目で見る以外にも,莫大なデータからも読み取れます。そうであれば,この経験が自動的に反映されたサービスを提供できればと考えたのが始まりです。

今は昔と違ってオンライン上にデータを提供することが簡単になりました。更に言えば自分の会社やお店の情報をあげることは自分自身で行ってもいいし,SNSや投稿ができるサービスを通じて他の人でもできるようになりました。

サイトオーナーのプロフィールに私たちの経験と世の中にある情報の両面を掛け合わせば自動的にWebサイトが完成する。しかも3分で美しく設計されたデザインとAIで自動的に画像が選定され,完全にオリジナルのサイトが完成する。

ジンドゥーAI ビルダーはそれを実現したサービスだと自負しています。

著者プロフィール

馮富久(ふぉんとみひさ)

株式会社技術評論社クロスメディア事業室室長。

1975年生まれ。横浜市出身。1999年4月株式会社技術評論社に入社。入社後から『Software Design』編集部に配属され,2004年1月に編集長へ就任。同2004年9月に『Web Site Expert』を立ち上げ,同誌編集長に就任,現在に至る。その後,2008年9月に設立したクロスメディア事業部(現クロスメディア事業室)に配属。現在,社外活動として電子書籍を考える出版社の会の代表幹事やWebSig 24/7のモデレーター,TechLIONプロデューサーなども務める。過去にIPAオープンソースデータベースワーキンググループ委員やアックゼロヨン・アワード他各賞審査員などの経験を持つ。

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