Evernote、ユーザ増に対応すべくバックボーンを強化、Android版のアップデートも発表

Evernote Corporationは2011年4月20日、同社のマルチプラットフォーム対応記憶拡張サービス「Evernote」に関して、いくつかの発表を行った。

Evernote CEO Phil Libin氏、来日

今回の発表にあたり、アメリカよりEvernote CEOのPhil Libin氏が来日した。

冒頭で挨拶を述べるEvernote CEO、Phil Libin氏。⁠日本に戻ってくることができて嬉しいです。そして、3月に起きた東日本大震災の被災者の皆様に、心よりお見舞い申し上げます」と、日本に対しての思いを伝えた。
冒頭で挨拶を述べるEvernote CEO、Phil Libin氏。「日本に戻ってくることができて嬉しいです。そして、3月に起きた東日本大震災の被災者の皆様に、心よりお見舞い申し上げます」と、日本に対しての思いを伝えた。
Evernoteでは、被災地に向けた取り組みの1つとして、JCCCNCを通じた募金を行っている。
Evernoteでは、被災地に向けた取り組みの1つとして、<a hre

Phil氏は、新発表を行う前に「5年前と今の違いを5つ述べます」と前置きし、

  • App Stores
  • クラウドサービス
  • オープンソースのインフラ
  • ソーシャルメディア
  • フリーミアムの経済

の5つの存在を紹介した。Phil氏は、これら5つをはじめとした技術、概念により、⁠ Geek Meritocracy」が成立し、良い物、素晴らしい物をつくる環境が整ったと言う。そして「Geek Meritocracyがなければ、FacebookもDropboxも生まれなかったでしょう」と述べた上で、⁠集中しなければいけないことに集中できる時代になり、この考え方こそ日本の企業の強みです」と紹介した。そして、今回の発表内容につなげた。

Geek Meritocracyの時代になり、作り手が恩恵を受けられるようになった
Geek Meritocracyの時代になり、作り手が恩恵を受けられるようになった

ユーザ増に伴うトラフィック負荷増に対応するためにバックボーンを強化

まずはじめに、急激に増加するユーザ増、それに伴うトラフィック負荷の増加に対応するために、本社データセンターと各地域をつなぐネットワークプロバイダーとして、NTTコミュニケーションズの在米現地法人 NTTアメリカを採用し、NTTコミュニケーションズの「グローバルIPネットワークサービス」の利用を開始したことを発表した。選択理由として、⁠高い信頼性、そしてアメリカと日本をつなぐネットワークの中でもトップクラスのパフォーマンスが期待できるから」⁠Phil氏)とのこと。

現在、Evernoteのユーザ数は全世界で870万人を超え、昨年の260万人という数字と比較すると約3倍となっている。日本国内についても150万人を超えており、アメリカについで2番目の規模となったとのこと。また、1日の利用回数についても、1年間で4,200万回から1億4,500万回と、1億回/日以上のトラフィック増となったそうだ。

世界のユーザ比率。トップのアメリカが38%、ついで日本が28%となっている
世界のユーザ比率。トップのアメリカが38%、ついで日本が28%となっている

スマートフォン戦略として「Evernote for Android」をアップデート

さらに同日、スマートフォン戦略の一環として「Evernote for Android」を大幅に機能強化し、アップデート版を公開した。

今回のアップデートでは、

  • 共有機能
  • 整理分類機能
  • テキスト編集機能
  • セキュリティオプション
  • ビューおよびウィジェットの一新
    • などの改善が行われた。

      たとえば、共有機能の改善では、もともと実装されている、他のユーザが共有したノートブックを 自分のアカウントにリンクできる機能に関して、Android版上でそのノートブックの閲覧・編集が行えるようになった。
      Evernote for Androidでは多くの機能強化が行われた。iPhone/iPad向けについても近日中にアップデートするとのこと
      Evernote for Androidでは多くの機能強化が行われた。iPhone/iPad向けについても近日中にアップデートするとのこと

      この他、Android端末からのFacebook、Twitter連携の強化、ノートブック内のノート検索と作成など、より実用的な機能が改善された。

      また、スマートフォンならではという点では、地図と位置情報の取得と記録が行えたり、プレミアム会員向け新機能としてPIN(暗証番号)によるロックが行えるようになっている。

      Evernoteと連携したサービスも多数登場

      また、株式会社キングジムのSHOT NOTE⁠、ぺんてる株式会社のairpenPocket⁠、昨日発表され6月に提供されることになった株式会社内田洋行の書撮りくん EN⁠、さらにWebサービスとの連携のケースとして、株式会社マピオンなどの事例も紹介された。

      この他、同日付けで、株式会社ビジカ・ビジネスシステムが、Evernote経由によるカラー複合機のダイレクト操作が行えるソリューション「SHARP MFP for EVERNOTE」を発表した。

      このように、Evernoteを通じ、さまざまなツール、アプリケーションが連携し、それぞれの利便性が高まっている。

      Phil氏(右から3番目)とパートナー各社関係者による記念撮影

      Phil氏(右から3番目)とパートナー各社関係者による記念撮影

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