Amazon Web Services LLCは2012年3月1日、同社のマネージドNoSQLデータベースサービス「Amazon DynamoDB」を、米国東海岸に次いで東京リージョンで使用可能になったことを発表した。
今回のAmazon DynamoDB、東京リージョン使用開始について説明を行う、エバンジェリスト 玉川憲氏
Amazon DynamoDBとは
Amazon DynamoDBは2月に発表されたAWSのマネージドNoSQLデータベースサービスで、次のような特徴を持つ。
- 管理不要
- 高い拡張性
- 高速なデータアクセス
- 高い信頼性
Amazon DynamoDBはサービスとして提供されるため、運用管理をAWS側に任せることができる他、開発者はAPI経由やSDKを利用する形で独自のカスタマイズが可能となる。また、データベースの容量が自動的に拡張していき、制限がないためハードディスクの追加購入が不必要なのが大きな特徴となっている。導入にあたっては、パフォーマンスに合わせた料金体系が用意されている。
システムに関しては、SSDの利用、独自の最適な分散アーキテクチャによるサービス提供などにより、数ミリ秒の高速データアクセスが期待できる他、同期レプリケーションアーキテクチャにより、サーバレベル/データセンターレベルからの障害にも対応可能となっている。
導入事例
Amazon DynamoDBは、すでにAmazon Cloud DriveやSmugMug、www.formspring.me/">Formspring、IMDb、Shazam、Tapjoyの他、日本ではクラスメソッドやマイニングブラウニーが導入している。
「これまでのシステム開発において、データベースがボトルネックになることが多くありました。そこで私たちの業務では適材適所にデータを保存することが解決方法の1つとして考え、今回のAmazon DynamoDBの導入を決めました」と、導入の経緯について説明するクラスメソッド株式会社代表取締役社長 横田聡氏。具体的には、セッションデータを保存する場所としてAmazon DynamoDBを利用しているそうだ。また、専門家が必要ないこと、メンテナンス/チューニングが必要ない事なども導入した理由として挙げていた
株式会社マイニングブラウニーでは、クローラの開発・実践やテキストマイニングを業務として行っており、その上でインフラに関する悩みを抱えていたとのこと。同社代表取締役 得上竜一氏は「サーバ調達に関してはEC2で、効率的なインフラ管理はSQSを使って対応しました。もう1つの課題として大規模なデータ処理についてどうするか悩んでいたところ、今回、Amazon DynamoDBが東京リージョンで利用できるようになり、私たちが行う業務でのデータ処理に最適と考え導入しました」と、クローラ、テキストマイニングなど小さなトラフィックが膨大に発生する状況に向いているということを導入の理由の1つとして紹介した
料金体系
東京リージョンの料金体系は以下のとおり。
データ保存料に応じた料金 |
1.20ドル(1GB/月あたり) |
読込/書込スループットに応じた料金 |
0.012ドル/時間(50読込スループットあたり)
0.012ドル/時間(10書込スループットあたり) |
無料試用枠 |
DynamoDBの保存容量100Mバイトまで
書込最大5回/秒、読込最大10回秒のスループット |
詳細は「Amazon DynamoDB 料金表」のページを参照。