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株式会社メルカリのグループ会社,株式会社ソウゾウは2018年2月13日,オンデマンドシェアサイクルサービス「メルチャリ」を,2月27日から提供開始することを発表した。
メルカリ新サービス「メルチャリ」事業説明会にて,冒頭の発表を行う株式会社メルカリ執行役員兼株式会社ソウゾウ代表取締役 松本龍祐氏

現在,メルカリではグループ会社含め,計4種類のサービスを提供している。今回は5つ目となる新サービスで,「所有から共有へ,移動がより自由に,ラクになる」という目的のもと,開発に至った。
福岡選定の背景
今回,サービスインにあたり,実施地域として選んだのが福岡県・福岡市。選定に関して,以下の4つの理由を挙げた。
- カスタマーサポートの拠点が福岡にある
- 自転車移動に適したフラットな地形
- 中心街の間の回遊性を高めることができる
- 公共交通の間を埋められる
2月27日時点で福岡市内に50ヵ所のポート,400台のメルチャリが用意される予定で,2018年夏頃にはポートは200ヵ所,メルチャリは2,000台まで拡張していく予定。
今回提供するシェアサイクルは,20インチ,3段階ギアのGPS付き国産非電動アシスト自転車。鍵に,株式会社tsumugのスマートロックを搭載している。
GPSを搭載し,常に位置をトラッキングでき,スマホからかんたんに利用できる。ボディはメルカリのコーポレートカラーでもある赤を基調にしている

実際にアプリを使ってスマートロックを解除するデモを行う,株式会社ソウゾウ メルチャリプロダクト責任者 井上雅意氏(左)。ロックの解除はスマートフォンからQRコードを読み取って行う(右)

最大の特徴はコミュニティ型~個人の運用への参加
運用体制の基本は,一般的なシェアサイクルと同じく,メルチャリポートと呼ばれる専用の車庫を用意し,そこからユーザが利用できるようになる。サービスインの時点では,13社によるポートの提供が行われるほか,損保ジャパン日本興亜とメルチャリに関する包括連携協定を締結し,事故におけるメルチャリ専用の示談交渉サービスが付帯された,日本初の「シェアサイクル専用保険」が提供される。
さらに今回のメルチャリで注目したいのが個人の運用参加を意識している点。
2月13日の発表と同時に,企業以外の個人によるポートの提供,すなわちユーザ自身がメルチャリを停める場所の「ポートオーナー」になることが可能になる(事前登録制)。
このほか,乗り捨てられてしまったメルチャリをポートに移動させたり,万が一トラブルが発生した際のサポートセンターへの通知をユーザが行えるように,実際の運用に当たってのサポートを個人で行えるような仕組みが用意されている。
今後はこれらを企業を含めたユーザ間同士の自律型コミュニティに成長させるべく,
- インセンティブによるきっかけづくり
- ゲーム性による継続性
- 成果の可視化による充足感
といった仕掛けを設計し,「個人」が放置自転車の報告や自発的な移動などの運営にサポートして参加したくなる仕組みをつくっていくそうだ。
メルチャリが目指す参加型(コミュニティ型)シェアサイクルの仕掛け

まさに,コミュニティの概念を利用した,メルカリならではのシェアサイクルと言えるだろう。なお,利用にあたってはメルカリのアカウント登録が必要になる(提供開始時点では,サービスとしてのメルカリで貯めたポイントとの相互利用はできないとのこと)。
このような形で,まず,福岡市において運営体制の構築をし,自社の取り組みおよびコミュニティの成長を目指しながら,今後は提供エリアの拡大を目指していきたい,とメルチャリプロダクト責任者 井上雅意氏はコメントした。
松本氏と井上氏

- メルチャリ
- https://merchari.bike/